脊椎分離症(spondylolysis)


若年の腰痛の原因になる事が多い。

運動時痛が多く、40%に、原因となる動作(急に体を反ったなど)がある


脊椎すべり症への進行は、通常、痛みと関連はしない。

成長期に最も異常が起こりやすいが、16歳以降は、変化は小さい。


治療の方針

・レントゲンでの異常がないが、MRIや、CTで、完全分離前の変化が認められたら

腰椎の後彎や回旋の負荷がかかる動作(ウェイトリフティングやダイビング、レスリング、ボート漕ぎ、器械体操)を避けることが推奨される。

装具や手術は必要ない。


画像上、癒着不能(non-union)の状態では、

 初期治療は、保存療法で、機能障害の改善を目指す。しかし、分離部の癒合の治癒は問わない。

 通常、運動を控えると2,3週で痛みが軽減する。そこから、積極的にリハビリテーションを行う。


・急性の分離(CTでの骨折部があり、bone scanでhot spotがある)では、

 腰椎の後屈(15°まで)を制限させるために、装具が最初の治療となる。

 装具は、3ヶ月の間、1日に20時間以上装着する。また運動は禁止。

 3ヶ月経つと、装具は続けるが、スポーツ活動は徐々に再開する。

 それでも、痛みが続く場合は、手術を考慮する。

 6ヶ月以上の装具は無用。


80%-90%以上の患者は保存療法で改善する。

治癒率(癒合)は、急性の片側の損傷で100%、両側で50%、慢性損傷で0%


線維癒合した部位の安定は得られるため、治癒しなかった部位(偽関節ということでいいか)は、

一生を通して症状がないことが多い。また通常は脊椎すべり症には進行しない。特に骨の成熟が得られ段階では。

骨成熟が得られていない段階では、すべりの進行の可能性があるため、6ヶ月ごとに検査することが勧められる。

しかし、すべりの進行が、必ずしも痛みに関連する訳ではない。

レントゲン上の滑りの存在と腰部痛に、注目すべき関連はないため、手術の場合は細心の注意が必要。


参考

Omidi-Kashani F, et al:Asian Spine J.8(6):856-863.2014