今夜再放送していて、もう一度見ました。

これは生身の人間の嫌らしさが、全編に広がった恐ろしい作品です。 

テレビの古谷一行さんのも見てますが、嫌らしさと残酷さでは、このシリーズが断トツです。

好きな俳優さんなのに、筒井真理子さん、山西惇さんは、一時期見たくない程の衝撃でした。

ただ、戦前権勢を奮った華族の方々は、戦後、位を剥奪され全てを没収され、没落していきました。この事は、山口瞳さんの作品にもあります。「何もかも取られた元華族などは、広大な屋敷だけが残され、それを遺す為ならなりふり構わなかった」と記述してましたから。


この作品では、小夜子と治雄という恋人同士が、残酷な運命の為に死を選ばなければならなかった。特に小夜子が自殺するシーンは、今回も泣いてしまいました。


華族の淫靡な関係が、後の人達を狂気の世界に追い込んでしまう。


これは最後の方の場面。
体面の為、隠さねばならなかった、旧華族の人の苦しみが胸に来ました。

横溝作品では、映画の病院坂の首縊りの家、と、この、悪魔が来りて笛を吹く、がなかなかだったと、私は思っています。
小夜子役、治雄役、殴ってやりたい新宮氏役、の、方々。
上手かったと思います。

気持ち悪いですけどね。💦💦😱