ベルギー南部・ワロン地方に位置するディナン。

一行は美しい自然に抱かれたヨーロッパの田舎町にやってきた。

 

まずは、要塞の頂からこの街を見下ろしてみる。

前方には、フランスを水源にベルギーを抜け、やがてはオランダの北海へと注ぐ全長約950kmのマース川が大きく横たわっている。

 

この偉大なるマース川を挟んだ両岸には緑の渓谷が河川に沿うように続き、川と山の狭間の残されたわずかな隙間に圧縮するように街が作られていた。

 

この街が昔からとりわけ観光地として有名なのは、対岸から見るこの絵本のような景色である。

 

マイカメラではうまく撮影できなかったので、今回は無料写真をお借りしたが、現地では本当にこのようなフォトジェニックな景色が見れる。

 

朝も昼も夜も美しい、おとぎの世界が広がっている。

 

ちなみに、我々が登った要塞の上はこんな感じだ。

城塞内には博物館があり、第一次世界大戦時の様子が生々しく展示されている。

ディナンはその特異な地形ゆえ、昔からここを抑えることが軍事的に重要であったことは想像に難くない。

 

ここはロープウェーで楽々頂上まで登ることができるため、ベビーカーの子連れでも安心だ。

まあ、あえてロープウェーの横に見えてる408stepsを行くというのなら私は止めはしないが。

 

城塞内は以外に広く、この時はディズニーパリプレゼンツ・砂の展示も行われていた。

不思議の国のアリスやパイレーツ・オブ・カリビアンなど、こんなにしっかりした展示だというのに、私ら以外まるで客がいない。

 

なんだかミッキーがかわいそうに思えてきた。

 

そういえばディナンといえば「サックスの街」だ。

サックス博物館前には、発明者のおっちゃん像が今日もサックス片手にベンチに腰かけている。

 

対岸へと渡る橋の上にも色とりどりのサックスたちが。

 

ちなみに、写真の右端に写っていた修道院の中はこんな感じである。

 

年季が入った石柱がそびえ立ち、あたりは荘厳な雰囲気に包まれていた。

 

さて、お楽しみのグルメの時間である。

やってきたのは要塞へと続くロープウェーの麓にあるレストラン。

ディナンはフランス文化圏なだけあって、料理だってちゃんとフランスに法って美味しい。

ベルギーというのは、南部はフランス文化圏だが北部はオランダ文化圏といった複雑な国である。

 

当然、食文化は「じゃがいもをマッシュしただけ」「ソーセージ茹でただけ」のオランダ料理に比べて手の込んだフランス料理のほうが1億倍も美味い。

 

前菜で出てきた原材料不明のスープと一口サイズの上品なアンチョビ的サムシングは、普段住んでいるオランダでは逆立ちしたって出てこない。

いいねぇ〜、この「正体が何かわからないけどうまい」ってなる感じ、久々の感覚だわ。

 

柔らかいチキンの中にチーズがとろーり入ったこちらの一品はディナンの郷土料理である。

盛り付けからいって普段食べているオランダ料理とは天と地ほどの差である。

 


ディナンには、修道院で作られている名物ビール「Leffe(レフ)」が存在するが、これはオランダでもどこでも買えるので、今日は他にもあるレアなご当地ビールと行きますか。

 

近くには店内にざっと450種類ものビールを扱う酒屋さんも。

ここら辺も、ディナンが「ビールの街」とも呼ばれている所以である。

 

もう一つ、ディナンのご当地グルメといえば、世界一固いと思われるこちらのクッキー。

うっかり噛み切ろうもんなら歯の方が負けて欠けてしまうほど。

床に落としてもカランコロンと、木のまな板でも落としたような鈍い音を立てる。

 

なんでも15世紀ぐらいから変わらぬ製法で作られてる伝統と格式あるクッキーなのだが、実態は蜂蜜と小麦粉だけで作られており、この蜂蜜が焼成途中で小麦粉と小麦粉をがっちり繋ぎとめるボンドのような役割を果たすため、このように恐ろしく固い仕上がりになるのだとか。

 

ディナンの街もわずかながらクリスマスムードが漂っていた。

 

こういう綺麗な田舎町がヨーロッパにはどれぐらいあるのだろう。

有名どころもいいが、たまにはこういった小さくとも魅力のある街に足を伸ばしてみるのもいい。

 

「Best places to travel in Europe 2019」の第11位に選ばれたベルギーの小さな田舎町・ディナンでした。

 

 

<お知らせ>

以前、フローニンゲンにある大阪大学拠点の拠点長をされていた方のもとへ夫婦で訪れた記事を書きましたが、その後、日本に帰国されたあと、奥さまがオランダでの日々の生活と帰国後の生活を綴ったブログを執筆されています。

 

オランダの概要から文化・慣習にいたるまで、オランダあるあるが散りばめられた、我々在住者から見てもとっても興味深いブログですので、ぜひ一度ご覧くださいウインク

 

チューリップ🌷おばさんのつぶやき

 

私はアイントホーフェン住まいなので主に南部の情報を発信してきましたが、我々南部居住者からはアムステルダムを越えて未知の世界であるオランダ北部・フローニンゲンの事情も垣間見えたりして面白いですよ爆  笑