めちゃくちゃ良かった
前編が微妙すぎて期待していなかったけども、後編はファンなら納得のいく出来

ファンに向けてしか作っていないために、全くの新規はそこまで高評価にはならないとは思われる


バビロニアのアニメが100点満点中の53点
キャメロット前編が38点だとするならば

キャメロット後編は92点
参考値としてHF は120点

前編とは違う会社が作っているためにむしろ後編に全力をかけていた構成なんだろうけど

バビロニアで肩透かしをくらい、前編も微妙だったために戦略としてはイマイチ


バビロニアアニメの最大の敗因は、原作に忠実にアニメ化しすぎたところ

奈須きのこさんもufoのUBWアニメ化の際にいってますが、メディアごとに違ったアプローチで表現しないと死産する

例えるなら、ソシャゲのシナリオ表現を海路とするならばアニメのシナリオ表現は空路

バビロニアアニメは潜水艦で空を飛ぼうとしたから失敗した
行き着くゴールは同じでも、それほどまでにアプローチ方法の違いは重大


また、よくもわるくもソシャゲシナリオは内輪ネタ、内輪で盛り上がる為に
外野から見てみると熱が冷める

バビロニアはジャガーマンの存在はネタでしかないし、イシュタルエレシュキガルは凜のスターシステム
三女神同盟など、主要キャラは女性しかいないに等しいし

それをアニメで表現しようとすれば根本からのビルドアンドスクラップが必要
それをしないまま無理やりアニメ表現に落とし込んだからあまりよろしくなかった


HFの監督は「ぼくのかんがえたりそうのHF」をファンの納得のいくレベルで再構成して、唸らせる仕上がりに完成させた
奈須きのこさんをもって、間桐桜評論家第一人者と評価されたくらいに



相変わらず、話が脱線するのでキャメロット後編の感想に



素直に面白かった
バトルの作画はufoのfateには及ばない


だけど、それを補って余りある演出力。シチュエーションの表現が最高だった


円卓は最強に描かれるし
ビームぶっ放すガウェインやモードレッドとの対比で、互いの技を競い合うトリスタン対呪腕・静謐戦の描きわけがいい

ハンターハンター感のある駆け引きと演出の魅せ方があった
だけど静謐が結構グロめにダメージを負うので、リョナ好きは歓喜しただろうけどちょっと「ヒェッ、、、」となる、、、


静謐のダメージ描写
・右足を貫かれる(軽傷)
・左腕を切られる(軽傷)
・左眼を切られる…
・右腕を切られる(軽傷)
・胸を貫かれる(致命傷)そのまま上へ逆袈裟斬り(グチャア)

鬼滅の刃クラスの男女平等グロ描写



キャメロットの何がいいか
それは円卓全員が、我が王ガチ勢の王の為なら死ねる!我が王しか勝たん!!の我が王信者な演出


男の自分から見ても、ベディヴィエールがイケメン過ぎてカッコいいと思ってしまう
これは女性人気ノンストップだろうなという

ガウェインもアグラヴェインもモーさんもトリスタンも全員が我が王を好きすぎて最高だった



原作のFGO6章のキャメロットの設定からして、アーサー王伝説ラウンド2なのである
信念・心情のすれ違いから内部崩壊した円卓

だけど奈須きのこさん解釈によると、そのすれ違いは全て
アルトリアへの忠義によるものだった

サーヴァントとして現界した第二の生
その生き様では、生前に叶わなかった忠義を果たそうと全力になっている


ガウェイン対ベディヴィエールのシーンの描き方が良かった

アレは熱い
熱すぎる

互いのアルトリアへの忠義のぶつかり合い
騎士として仕えたガウェインと従者として仕えたベディヴィエール

アルトリアの王の部分、そして人の部分
異なる部分に忠を尽くした漢たちの信念と矜恃のぶつかり合い

キャメロットのテーマと思われるBGMをバックに2人の騎士が剣劇を繰り広げるシーンはここ数年のアニメのバトルシーンの中でも傑作


特に作画が凄い、というわけではない


何が凄いって

演出が、シチュエーションの描き方が完璧すぎた
泥臭くても勝つ。何がなんでも勝つ。死んでも勝つ
自分の忠義が相手の忠義よりも優れていると証明する。ただそれだけの為に


こういう背景のもと描かれる闘いだったから熱すぎた

そこに至るまでのガウェインとベディヴィエールの戦闘描写っていうのは実に標準的なサーヴァント戦だった

互いにガラティーンとアガートラムの宝具をぶつけ合い、戦う。英霊としての戦い


その描き方も秀逸であり、ガラティーンなんてマグマを相手にぶつけるような即死級極太ビームを連発して
ベディヴィエールはその死線をくぐりながら、必殺のアガートラムをぶつける為にガウェインに肉薄する

そのシーンも熱かったが

その後の斬り合いは熱さのレベルが違う

テーマは泥臭い闘いであり、細かな表現がすごく良かった

ベディヴィエールの剣が欠けて武器破壊されて、懐の短刀に手を伸ばそうとしたところをガウェインに短刀ごと吹き飛ばされて
獲物を失った両者は素手で殴り合う

この一連の描写の流れが良い

ここから先の殴り合いは華々しい騎士の戦いではなく、サーヴァントとしての能力を活かした戦闘でもなく

ただの潰し合い
その熱さが良かった

名作と呼ばれた作品の戦闘シーンは最後には殴り合いで決着がつく不問律がある

その熱さがあった


アグラヴェインも外野からはなんと言われようと、その全ては我が王アルトリアの為
というブレなさ

考えてみたら、円卓とアルトリアの関係性ってアルトリアを主人公にした乙女ゲーみたいな感じ


だから女性人気が異様に高いんだろう
自分に忠を尽くすイケメン達が自分を争って喧嘩する
もう完全に乙女ゲーである


まぁアルトリアに乙女ゲーの主人公属性は皆無なので特殊ではあるけども


モードレッドもアルトリア大好き人間だし


結構な作品に愛憎が表裏一体な組み合わせってのがあったりします

嫌いだけど好き
嫌いは好きの裏返しであり、嫌いになればなるほど好きになっていく

ややこしい系のヤンデレ、とはちょっと違うけどもその関係性は好き


ナルトのナルトとサスケだったり
のわゆの若葉様とぐんちゃんだったり
fateの士郎と慎二だったり



キャメロット後編はファンなら見に行くべき作品なのでオススメです
逆にファンに向けてしか作ってないので、下準備がないとシナリオやキャラのやり取りの背景が見えずにチンプンカンプン


戦闘シーンはかなり良いですが、作画がいい。というよりは表現の仕方が上手いタイプ
作画、、、というより脚本が良いんでしょうね


一部の作画は迫力重視にするために、アポクリファのカルナ戦のようにあえて線画を減らして豪快に描いてますが
他のシーンとのバランスが取れてないから違和感がある部分もある

アグラヴェイン対ランスロット戦は「もうちょっと描き込んだ方がいいんじゃ、、、」というレベルでした




そういえば、獅子王がロンゴミニアドの宝具解放する時に一瞬だけバックに空想樹らしきイメージが映るけど
あれはロンゴミニアドで地表のテクスチャを塗り替える演出で、ファンサービス的なものであり特に意味はないのだろうか

空想樹≠ロンゴミニアドだけど、やってる事は近いからイメージとして樹木を描いた感じ?




劇場版『FGOキャメロット 後編』公開中PV<アクション編>

アクションシーンのPVを公開していた模様

やはり、こうやって切りとってみた場合。お金をかけている作画ではあるけれどハイクオリティとは言えない
にもかかわらず、実際に映画館で観たら熱いシーンなのは脚本・演出がいいからなのだろう




ufotableのカメラワーク
さすがにufoと比べるのは酷な話にはなってしまう

というかufotable。この会社だけ他のアニメ制作会社の軽く10年は先の技術水準でヤバい
もう日本のどのアニメ制作会社もufotableには追いつけない
次元が違う