骨に変わった娘を見て、
もう涙もでない
小さな骨壷を抱いて
なんだか頭がぼーっとする
病室に戻ると
ドレスを着て旅立った娘が
治療の時から着ていた
肌着が置いてあって
娘の血の付くその肌着を
自分の顔に当てると
赤ちゃんのにおいがした
そうか。
もう会えないんだ。2度と。
そのとき
じぶんでもよくわからない感情が
すごい勢いで込み上げてきて
「ショック過ぎると
人間は記憶を失うらしい」
そんな言葉を思い出したけど
どんなに泣き叫んでも
じぶんの記憶は鮮明なままで
絶望した
わたしはひとりじゃない
なのに
本当にひとりぼっちになるよりも
孤独になったように感じた
この「悲しい病院」から
一刻も早く出て行きたい。
1秒でも長く居ることが耐えられなかった
「常位胎盤早期剥離」というと
母体も危険な状態になり
輸血や子宮摘出、
いのちに関わる危険性がある病気。
だが、わたしは子宮も残り
輸血も必要なかった。
帝王切開の傷も
不思議なほどに痛まなくて
先生から驚かれるほど
術後の回復も早かった。
まるで、
わたしが負うはずだったダメージを
娘が一身に受けたように思えて
こんなにも軽傷で
生き残ったじぶんのことを
今すぐころしてしまいたかった
先生と体の状態を相談し、
5日後に診察に来ることを条件に
逃げるように退院した。
旦那に手を引かれ
子供のように泣きながら
病院をあとにする
わたしのはじめての出産が終わった