オッサンの出身地は

四国うどん県。



父の代までは

そこに住んでいた。




オッサンは

わが家の五代目なのである。



ただ

母親はナント

北海道出身。



子どもの頃は

あまりにも遠い地、


行くこともなく


母から北海道のいろんな話だけ

聞いて育った。



そして

ガッコを卒業する

22歳の時、


初めて

ひとりで

その地北海道を訪れたのだった。




もう半世紀も前のこと、


札幌駅に叔父さんが迎えに来てくれた。


そして

その叔父さんちをベースに

道内のその他の叔父さん叔母さんに

会いに行ったのだった。


もちろん

直接会うのは

初めての人ばかりだった。



その中で

日本最北の稚内の

すぐ南に

母親のお姉さんになる叔母さんが居て


雪が降りしきる夜

札幌からの列車で

降り立ったのが


「豊富駅」


母親が小学校時代を過ごした所だった。





列車を降りると

雪が降るホームには

裸電球の灯りだけ。

(映画のシーンみたいだった)





そして

そのホームの向こうの方から


「内地から来た◯◯さ〜ん!」と


このオッサンを呼ぶ声。



叔母さん家族全員で

迎えに来てくれていた。



子どもの頃から

母親の話によく出てきてた叔母さんが

そこにいた。




もう腰が曲がった叔母さんが

初めて会ったというのに

帰るまで

ホントに一生懸命

もてなしてくれた。


四国育ちのオッサンは

見るもの全てが珍しく

零下16度だという夜の見回りに

叔父さんに付いて回ったのを覚えている。




思えば

その叔母さんちに滞在中

オッサンは

人生で初めて

「嬉しくて」泣いた。


ホントに嬉しかった。



今でも

思い出すと

目がウルウルしてしまう。





そんな

忘れられない駅が

NHKBSの「こころ旅」という番組の

冒頭に!




ウワッ、あの駅だ!



もちろん半世紀も前のことだから


すっかり変わってしまってるんだろうけど


オッサン


ひとりテンションが上がった。



(画面に映る火野正平氏の指先が、豊富駅)




この豊富温泉ていうところにも


連れて行ってもらった。





もう


自分の両親はもとより


北海道の叔父さん叔母さんも


み〜んな居なくなってしまったけどね。






あのね、


このオッサンの半分は


「道産子」なんだよ。(笑)





オッサンの旅の相棒のバックには


いつも


「豊富駅」の名前が


一緒なんだよ。








たまたま映った

テレビ番組の画面から

思い出した

忘れられない22歳の時の思い出。