韓国ドラマや映画を訳していて、気づいたことがあります。
韓国はなんて罵詈雑言のバリエーションが豊富なのかと。まあ、ケンカっ早い人が多いのも事実ですが、その時の罵り方(ののしりかた)がそれはそれは独特で、台本で確認しながら「よく考えつくな~」と感心してしまうほどです。
それを日本語に訳すのですが、いつも困ってしまうのは日本には悪口、罵詈雑言の種類が少なすぎること。いいことなのかどうか分かりませんが、
基本形(?)は「バカ野郎」「クソ野郎」「クズ野郎」くらいしかありません
一番よく聞く言葉は「개새끼」(ケーセッキ)「개자식」(ケジャシk)。
どちらにも頭に「개」(犬)がつく悪口です。両方とも直訳すれば「犬の子供」なのですが、だいたい上の3種類のどれかに訳すことが多いですね。
私は無類の犬好きなので、なんで犬を悪者にするの~?とよく思います。
このほかにも「개꿈」(ケックm=くだらない夢)「개무시 당했다」(ケームシ タンヘッタ=すごくバカにされた)「개소리 하지마!!」(ケーソリ ハジマ!=バカげたことを言うな)などなど。だいたい「強調語(すごく、とんでもなくなど)」や「取るに足りない」「バカげた」のような意味で使われてるようです。
こんなことわざもあります。「개똥도 약에 쓰려면 없다」(ケットンド ヤゲ スリョミョン オpタ=どこにでも落ちてる犬のフンも薬に使おうとするとない)つまり、肝心な時にない、という意味。
考えてみると、日本でも「犬」がつく、いい意味ではない言葉は結構ありますよね。
「犬畜生」「犬死に」「負け犬」など。
ことわざなら「犬も歩けば棒に当たる」「夫婦喧嘩は犬も食わない」など。
犬は昔から人間と共に暮らしてきた、一番身近な動物なのに、なぜこんなにも悪者扱いされるのでしょう。悲しくなっちゃいます。
韓国でも最近は愛犬家が増えてきて(18年前はまだ割と嫌われてました)、日本と同じくらい飼う人も増え、「犬鍋」(ポシンタン)も食べない人が倍増したと聞きます。私も、もちろん食べたことはありませんが、最初の留学でペットショップの横にポシンタンのお店があって、ゾッとした記憶があります。また新堂(シンダン)と言う場所に犬市場があって、食用の赤茶色い犬を見たことがありますが、みんな表情がなく目がうつろで、まるで自分の運命を悟っているかのようでした。
これだけは、いくら韓国が好きでも受け入れられなかったですね
そういえば、当時ファンだったナムグン・ミン君が出演したドラマ「バラ色の人生」で、ミン君はのちに恋に発展する相手イ・テランから「개뼈다귀」(ケッピョッタグィ=犬用の骨、ガム)と呼ばれていたので、意味を辞書で調べてショックを受けた覚えがあります
このように、よくない意味で使う「개」(犬)という言葉が多いせいか、韓国では犬のことを강아지(カンアジ=子犬)と言います。成犬でもです。よくドラマでもおばあちゃんや母親が子供に「우리 강아지」(ウリ カンアジ=私の子犬ちゃん)と言うシーンが出てきますが、「可愛い子」を子犬に例えることも多いです。
写真左上は私が30年以上前に飼っていたポメラニアンの小次郎。右上は私が小学生時代に飼っていた柴犬のコマちゃん。左下は韓国で友達から預かって3ヵ月だけ飼ったヨークシャテリアのゴルゴ。まさにカンアジです!!
今日はまず「犬」がつく言葉についてお話ししましたが、本当はもっともっと多様な罵詈雑言があるので、それは韓国のお友達にリサーチ(?)してから、ご紹介したいと思います。多分、悪口なのに言われたら思わず笑っちゃうようなフレーズばかりなので、ご期待くださいね!!
あ、ご紹介した悪口は知識として頭に入れるだけで、決して使わないでくださいね!!
それでは、また~
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