屋久島ぼちぼち生活
今週は子供椅子作りウイークです。
まとまった数の子供椅子の納期が
3月末に来るので
オイルフィニッシュの乾燥の時間を
考慮すると
確実に今週中に
完成しないと間に合いません。
こんな時は気持ちがピリッと引き締まり
本来のゆったりモードの自分から
一気に違う自分に変わります。
自分のことを簡単に”私”と言うけれど
実は私というものは
ひとつではなくて
いろんな色を持った”私”が
この肉体に同居しています。
そんな感じで
制作戦闘モードスイッチが
入ったところですが
その前に子供椅子修理。
この椅子、割れていないように見えますが
実は↓
空手で割ったように綺麗に
ぱっくりと割れています。
屋久島町の出産祝い品として
ご利用頂いているこの椅子、
予算の関係上
安価な屋久島杉材(屋久杉ではない)で
作っています。
チェリー材やウォールナット材に比べて
柔らかいとは言え
座面割れは初めてのケース。
お子様が夢中になって遊んでいる時に
割れてしまったようです。
子供は遊ぶのが仕事。
こんなことは想定済みです。
大人でも3㎝杉板を
道具を使わずに割るのは並大抵ではなく
子供の遊びのエネルギーの大きさが
よくわかります。
修理の方ですが
割れ方が超綺麗だったので
接着剤を塗布して
一晩クランプに掛ければすぐ直りそうです。
これは土曜日から手掛けていた
脚付曲がりトレイ。
まだ未塗装。
従来の長方形タイプに加え
四角形タイプも作ってみました。
エッジの部分は従来タイプよりシャープに
マイナーチェンジしました。
つい先日、日曜日だったはずがもう金曜日。
信じられないスピードで時は過ぎ去り
スプーンウィークも終了。
出来上がったスプーン
アトリエ周りは途端ににぎやかになってきて
昨日あたりからウグイスも鳴きはじめました。
しかし声は聞こえど姿は見えず。
一度姿を見てみたいけれど
怖がりなのか人の前には
決して姿をあらわしてはくれません。
変わってヤマガラがたくさん姿を見せはじめ
薪ストーブのシルバー色の
ステンレス煙突に映る
わが姿をライバルだと勘違いしてか
しきりにその映った姿を
こんこんつついています。
屋久島の春も18回目。
体感としては10年経っていないのですが
本当は18年。
いつもと同じ春かもしれませんが
18回目の春は今年限り。
この春の空気を味わいながら
ゆったりと身をゆだねたいと思います。
これからも
信じられないようなスピードで
時は過ぎ去って行くはず。
今回の人生で
やり残したことが無いように
日々過ごしていきたいものです。
ギャラリーの壁にヤマガラの巣箱を取り付けた
いつものようにギリギリで終えた確定申告。
がっつりお金と向き合うこの期間。
やはりこの木工というジャンルは
設備と材料の比率が高く
決して儲かるようなものではなく
コストパフォーマンスという点からみれば
すごく低いものです…
と決算の数字だけ見ていくと
そんな風に感じてしまうこともあるけれど
たまにトンボや蝶々がアトリエに遊びに来たり
昼下がりの穏やかな空気感を味わいながら
ひとりでじっくりと木を削っていく時間は
なにものにも代えがたかったりします。
もうそれだけで十分だと思える
心境でもあります。
さて、今日からはスプーン作りウイーク。
ジャムスプーンの在庫切れ、
ちびスプーン残り3つ、
スプーン30本のご注文もあって
今週はスプーン作りに没頭することにします。
ジャムスプーンとちびスプーン。
今日の仕事。
気温16℃湿度57%
雲ひとつない快晴です。
ようやく春めいてきて
蜜蜂が活発に動き始め
ウグイスはまだ鳴いていないけれど
今年はコマドリのさえずりが賑やかです。
そんな仕事をするには最高の環境の中、
今回新しく出来た
塗装をするには最高の塗装室で
出来上がったばかりの
杉トレイの塗装作業です。
この塗装室、
作業テーブルは常設せずに
テーブルが必要な時に
15cm幅の杉板を馬に数枚乗せて
テーブルとして利用します。
こうすることで限られたスペースを
有効活用することが出来ます。
今までは苦肉の策で車の荷室を
塗装の乾燥スペースにしていたけれど
ようやくそれから解放されそうです。
最初からこういう仕様の
アトリエにしておけば
良かったのかもしれませんが
やはり世の中、経験しないと
わからないことだらけ。
トレイアンドエラーを繰り返しながら
少しずつ進化させて
少しずつ心地よくしていけば
良いのだろうと思います。
時間はかなりかかったけれど
ようやく理想に近い
仕事環境のひとつが整いました。
次の改造計画はギャラリー2階。
ひそかにいろいろと企んでいます。
10数年で積もったホコリが凄まじかったり
端材の断捨離に苦心したり
道具入れのケースを動かすと
蜂の巣があったりと
いろいろありましたが
アトリエ改造計画もとりあえず終了です。
広さ5m×10mのアトリエなのですが
3つのエリアに区分けしました。
入り口から4m部分は
組み立て・塗装室として。
そのとなり4m部分は機械室へ。
一番奥の2mは物置室に。
こんな感じで3つに区分けしました。
機械室は半透明のシートで囲い
木の粉塵が機械室内だけにとどめて
組み立て・塗装室には漏れないように
工夫を施しました。
機械室には強力な換気扇を取り付けたので
粉塵の排出も容易になったと思います。
組み立て・塗装室は
こんな感じ↓
シートの奥が機械室。
これで長年に渡る粉塵まみれの
アトリエから解放されそう。
もう少し手を加えるところがあるけれど
とりあえずはこれで
アトリエ改造計画は一旦終了して
あとは仕事しながら
少しずつ手を加えていくことにします。
次は納期が近づいてきた
杉のトレイ作りに入ります。
ではまた。
基本、欲張りなので
何か物事を始めると
ついついあれもこれもと
手をひろげたくなります。
今回のアトリエ改造も
始め出したらあれもこれもと
アイデアが浮かんできて
とたんにやることが増えてきます。
とはいえ
これはこれで楽しい作業で
いろいろとアップデートされていき
このアトリエという仕事場の
居心地も良くなっていくというものです。
さて、そろそろ改造も大詰め。
今日は換気扇の設置と
スピーカーの移動。
コロナ対策でギャラリーに設置した換気扇。
パワーがありすぎてうるさく
結局は使わずじまい。
これをアトリエ用に変更です。
そして次はスピーカーの場所移動。
自分にとっては
穏やかな昼下がりに
音楽を聴きながらする仕事は
本当に至福の時間なのです。
なのでスピーカーの設置位置は重要。
前の場所では
アトリエ改造に支障をきたすので
いろいろ考えた結果、壁側に移動。
この移動は結果、効果抜群になりました。
杉板と間柱でかこまれた空間が
反響空間になっているのか
音の輪郭が以前に増してくっきりして
音質が見違えたのです。
こんなことをしていると
また欲張りの虫が出てきて
なにやらスピーカーを
作ってみたくなりますが...
―※
とにかく以前よりも
格段に居心地が良い
アトリエに生まれ変わりそうな気配。
今年こそは整理整頓をーーーと
毎年思いつつ、
年末頃にはごちゃごちゃになっている…
ということを数十年も繰り返し。
そしてまた今年こそは!
と意気込んで
先日から整理箪笥を作っていました。
昨日、取っ手の金具と
移動用のコマが届いたので
ようやく本日完成です。
アトリエ用なので
あまり手を掛けずに
ビス止めで簡単な作り。
取っ手はモノタロウで仕入れた
1個100円ほどの
安価なコの字ボルトを流用しています。
さてさて今年の年末は
整理整頓できているかどうか?
自分が試されています。
おまけで
たくさんできた端材を使って
鳥の巣箱作り。
ヤマガラ用。
暖冬だと言われている今年の冬。
アトリエの庭のタラの木も
いつもの年に比べて
すこしフライング気味で芽吹きました。
そろそろ頂こうか...
今日にするか、
もう少し大きくなるのを待つか…
メジロがタラの木の種を
あちこちに蒔いてくれたおかげで
アトリエ、ギャラリー周りには
たくさんのタラの木が生えていて
3月の終わりくらいまで
タラの芽の天ぷらを楽しめます。
これは1年の楽しみのうちのひとつです。
*‐
このタラの木、
どこか近寄りがたい雰囲気を漂わせながら
本当は周りに多くの恩恵を分け与えています。
幹はすごく鋭利なトゲだらけで
うっかり触ってしまったら大変。
簡単に刺さります。
特に幼木の頃はトゲが凄いです。
そんな佇まいのタラの木も
その芽は人々の貴重な食材として
珍重されています。
仮に芽を摘んだとしても
すぐさま新しい芽が伸びてきて
人間が1回くらいは芽を頂戴しても
全く動じないような力強い生命力を感じます。
そして5月頃には
眠っていた生命力が爆発したかのように
力強く葉を生い茂らせます。
夏になると次は小さな花をたくさんつけて
一本の木に何千匹というミツバチが
群れになって蜜を吸いに来ます。
ミツバチだけでなく
蝶やその他たくさんの昆虫が
蜜を求めてやってきます。
そして花が終わった後、最後に実をつけますが
この実を求めて沢山の鳥がやってきます。
特にメジロ。
親指を少し大きくしたくらいのメジロが
その実を食べつくすまで
群れになって毎日やってきます。
実が無くなるころにはそろそろ夏も終わり
春から夏にかけての茂らせていた葉っぱを
少しずつ落としながら秋が深まっていきます。
冬になると葉は全て無くなり
トゲトゲの棒が立っているだけに見え
まるで死んでしまったかのように感じます。
3月になると
棒のような枝先に少し緑色が見えてきて
やっぱり生きていたのだと確認できます。
冬の間は
生きているのか死んでいるのか
分からないような様子で
トゲを纏って無骨で
どこか近寄りがたいタラの木。
トゲが無ければ
たぶん幼木の頃にはシカやサルに食べられて
タラの木は存在していないのかもしれません。
近寄りがたいと思わせるそのトゲは
やはり生きていくためには必要で
どこか人間にも似ているなあと思わせます。
そして
生えてから十数年たって
数メートルを越える大木になると
幼いころにその幹に
びっしりと生やしていたトゲは
不思議なことにかなり消えてしまうのです。
もうトゲは要らないと
タラの木自身が
分かっているかのようにも感じます。
いつもと同じデザインの椅子作り。
いつもと同じデザインで
少し飽きが来たかも…と
感じながら作っていくと
実はそんなことはなく
実際作り始めると気分が乗ってきて
楽しくなってきます。
やっぱり自分の中から
生み出されたデザインのものは
愛着はあっても
飽きることはないのかもしれません。
作るたびに新たな気づきもあったり
もう少しここをこうした方が良いかも、と
本当に細かなディテールですが
進化させていく楽しみみたいなものもあって
シンプルな椅子なのですが
奥が深いものです。
座面を彫り込んで
磨いていくところが面白い。
これは栗の木の子供椅子。
背もたれ前面にお名前入れのオーダーで
ご注文いただきました。
レーザーでの名入れ全盛ですが
弊工房では手書きしています。
この名前入れ、
最後に自らの魂を込めるような気がして
気持ちが引き締まります。
次の椅子作りは来月。
屋久島町出産祝いの椅子作りです。
ではまた。
雨です。
空気感はまるで梅雨初期のよう。
この時期特有のちょっとした雨季、
木の芽流しとも言われています。
どうやらこの雨はしばらく続くようです。
椅子作りは一旦中断して
アトリエ改造計画の続き。
今日はいよいよ最終段階、整理箪笥つくり。
箪笥と言っても簡単な仕様です。
ここにノミやカンナ、
ちょっとした道具を収納します。
簡単に寸法を絵に書いて
あとはなりゆき任せ。
いつものように
作りながら考えていくことにします。
と、作業を始めてみたものの
次々と落ちてくる雷に身の危険を感じ
(アトリエの屋根は薄いので
雷が落ちたらお終いです)
頑丈な屋根の家の方に戻って
ほったらかしていた確定申告の作業を
ぼちぼちやりたいと思います。