屋久島ぼちぼち生活
早々と梅雨入り宣言されたせいか
屋久島はひっそりとしています。
まあ、これが屋久島の
本当の姿なのだけれど
いつからか
その特異な自然にフォーカスされて
もてはやされるようになったのは
皆さんの知るところ。
人間の欲は限りが無く
一度火が付いた欲望を鎮めるのは
なかなか難しいようで
屋久島もそんな欲望のるつぼに
なっている面がひょっとしたら
あるのかもしれません。
果てしない欲望、利己的思考は
人間を盲目にしてしまい
なにか大切なものを見落としてしまう
きっかけになりうるのだろうなあと
すっかり静かになったギャラリーのなかで
ふとそんなことを考えていました。
※-
ここのところの梅雨の中休み。
30℃越えの日もありますが
湿度が低くてすごしやすい。
こんな夏なら大歓迎。
同じ30℃越えでも別物です。
そんな陽気なので
ここのところいろんな蝶が
アトリエの庭を乱舞しています。
特に多いのがアオスジアゲハ。

どうやらアゲハ蝶の好みの花のようで
アトリエの庭のこの花が
アゲハ蝶を呼び寄せているようです。
さて、仕事の方ですが
開店休業状態で
すっかりのんびりモードに
なってしまっているのですが
そろそろギアを入れ替えたいところ。
あの涼しい時に
作っておけばよかった…と
後悔するのは毎年のことです。
例年より早く始まった雨期。
やはりここは屋久島。
大粒の雨がたたきつけてきます。
移住20年くらい経つけれど
本土の梅雨とはわけが違うなあと
毎年感じています。
さて、そんなわけで
弊工房へのお見えになるお客様も
めっきり少なくなってきてました。
3月4月とハードワークだったので
その反動かここのところ
のんびりモードになっています。
とはいってもギャラリー欠品分が
まだたくさんあるし
受注分があるので
そんなにのんびりはしていられないけれど
いつもよりは6月は
少しはゆったりと過ごせそうです。

アトリエの庭のアジサイ
ありがたいことにまだ屋久島には
夏の空気は入ってきていなくて
この涼しいうちに
あれもこれも作っておきたいと
気が焦る今日この頃です。
人間が生きていくには
やはり日本の夏は暑すぎで
ヨーロッパやカナダ
ニュージーランドに憧れます。
世の中インターネットの普及で
デジタルノマド民なる方が
増えているそう。
インターネットで仕事が完結できる方が
世界中を渡り歩いて仕事をするあり方を
そう呼ぶらしいです。
工房を構えて
ここにいないと
仕事ができない身としては
うらやましい限りです。
本当に暑い夏なんかは
北欧などで仕事ができれば
最高だろうなあと想像してみたりします。
工房を2拠点にして
夏だけ北海道で!という案も
考えてみたりするけれど
費用対効果を考えるといまいち
踏み切れないものですが
採算度外視して
経営的視点を取っ払って
突っ走ってみるのも
案外楽しいのかもしれないと
考えてみたりしています。
小さい時計たち。
品切れから約半年。
ようやく少しできました。
縦横10センチくらいの小さな時計。

アトリエの庭は気温の上昇とともに
少しずつジャングル感が増してきました。
世の中はゴールデンウィークだったのですが
弊工房にとってはあまり関係なく。
山の中にギャラリーがある故、
来る人はおのずと限られるようで
逆にそれが一人で切り盛りするには
ちょうどいい塩梅です。
さて、ここのところ続いていた
奇跡のような爽やかな陽気も
そろそろおしまいのよう。
10日予報では雨マークが
ちらほら出現してきました。
近いうちに奄美地方は梅雨入りとのことで
屋久島も準梅雨入りになりそう。
多雨多湿の屋久島にとっては
4月から最近までは
本当に奇跡のような日々でした。
この爽やかさの中、
カッティングボード、コーヒーメジャー、
スプーンや小物等々
作りに作ったおかげで
ギャラリー内も随分と
にぎやかになってきました。
まだ欠品分がたくさんあるので
まだまだ作品作りの旅路は続きます。
これまで
本当にいろんな種類を作ったなあと
我ながら感心します。
ただただ
作りたいと感じたものは作る!
というスタンスで進んできただけで
これはこれからも
続いていくのだろうと思います。
その作ったものが
気に入ってもらって
お買い上げいただくということは
作り手にとってはこの上ない喜びで
飽きっぽい私自身が
この仕事を続けていけている
大きな動機になっているのは間違いないです。

フリッジマグネット
クリ坊とカード立て
弊工房のキーホルダー
ギャラリー内は
ずいぶん賑やかになってきました。
・作らないといけないもの←受注分
・作った方が良さそうなもの←ギャラリー売り切れ分
・作りたいもの←自分の中から溢れでるもの
それらをあわせると
これで全て作り切った!と思える終点は
生きている限り
決して来ないのだろうなあと
ぼんやりと考えながら
一日、一日、
もの作りをコツコツと積み上げていきます。
3月の椅子制作ラッシュに続き
4月は4月でたくさんの小物の制作があって
休みは無くて延々と続く
家とアトリエとギャラリーの半径10m生活も
それはそれで充実しています。
ただ、木工以外のことは
思考が回らなくなっているようで
まわりが目に入らなくなっていたりします。
そんな時は
自ら意識して
時々は外側の世界に
目を向けてみるようにしています。
そんなことで
ちょっと木工の手を止めて
辺りを見回してみると
アトリエの庭は
いろんな花が
咲き誇っていることに気がつきます。
ミカン(ポンカンかタンカン)と
グレープフルーツの花が満開で
何とも言えない甘い香りを漂わせていますが
いまだかつてまだ実をつけてくれません。
グレープフルーツは植えてから十数年、
ミカンは植えてはいなくて
傷んだミカンをアトリエの庭に
放り投げておいたら勝手に生えてきたもの。
これだけ花がついたのだからと
今年は少しは実がなるのかもと
つい欲が出てきてしまいます。


これはミカン

これはグループフルーツ。
グレープフルーツは
一ヵ所にたくさん花がつきます。
実も一ヵ所にたくさんつくので
ブドウ=グレープと
言われるようになったとか。

先日お見えになったお客様からのご質問。
「森に入ると甘い香りがするのですが、
屋久島の杉は甘い香りがするのですか?」
とのご質問。
森の中からどこからともなく漂う甘い香り。
それは杉の香りではなくて
どこか森の中で
何かの樹木の花が咲いている証拠。
アトリエの庭にも
どこからともなく甘い香りが
時々漂ってくることがあります。
一体どんな花が咲いているのかは
分からないけれど
そんな時は屋久島の自然の奥深さを
香りで感じる楽しみがあります。

さわやかな気候になりました。
連日の湿度50%以下というのは
屋久島においては奇跡なようなもので
4月と10月にしか体験できない
貴重なひとときとなります。

そんな環境のお陰で
仕事は日々順調に進んでいます。

これは昨日作ったバターナイフと豆スプーン
さて
先日から手掛けていたカッティングボード、
ようやく作り終えて
いくらかギャラリーに並べてみました。
こうしてみると
ギャラリーはかなり手狭な感じ。
だからといって
もっと拡大しようとか
もっと手広くとか…
一瞬でも考えたことが無い、
というのはうそになりますが
日々いかに制作していくのか?
ということで手一杯で
自分にとってはこの現状が
一番フィットしているのだろうと思います。

インスタ用に撮ってみた

お皿タイプのカッティングボード
このカッティングボードというカテゴリー、
作り始めると
デザインや大きさが際限なく
自分の中からあふれでてきます。
結局、無限の可能性があって
木の中から自分の好みのカタチや大きさを
探し出していくというところが
この仕事の楽しさのひとつでも
あるように思います。
新学期になりました。
と言っても今や当方には
ほとんど関係はないのですが
世の中的は
新しいステージに向かうタイミング。
弊ギャラリーにも
つい先日
木工作家志望の若者が
同じ日に立て続けに2名ご来店。
お二人ともに
大学卒業後
しばらく会社員を経験したのち
昔でいう職業訓練校や
高等技術専門校と同じシステムの
職業能力開発センター、
お1人は東京、もうお1人は神奈川の
職業能力開発センターに
この春から通われるそう。
自分の過去を思い出し
あれこれと木工談議に花を咲かせ
20年前を思い出していました。
思い返すとその20年前は
どことなく重苦しさがともなう
この世の中で醸成された
観念の呪縛に気付きはじめ、
長い眠りから目覚めはじめた
大きな転換点でした。
会社を辞める決断をして
木工の学校に行く決断ができた時、
靄がかかったように
押し込められていた
自分の奥底に隠れていた
願いや想いに
ようやくアクセスできた時
だったように思います。
人間は肉体ではあるけれども
それだけではなく
その肉体の中には
自分の本体が存在していて
スピリット、魂、ソウル、
霊的存在、霊魂等
人それぞれ
いろいろと呼び方はあるけれど
脱サラしたその時に
その自分の内的存在のようなものと
初めて自覚的に
繋がったのだと思います。
木工がうまくいくかどうかは
分からないけれど
木工をやろうと決めてからは
自分の奥底から
喜びがとめどもなく湧き出てきて
こういうことを
”魂が喜んでいる”と
表現するのだろうなぁと
その当時は思ったものです。
その若者たちも
希望に満ち溢れていて
そしてその喜びは
こちらにも伝わってきて
そういう時は
こちらも喜びに包まれ
嬉しくなるのものです。
カッティングボード作りも
もうかれこれ7日目。
超特大サイズから始まり
普通サイズ、
そして薄めの手軽サイズへと
スケールダウンして制作を進めていくと
あたまの中では
あれも!これも!と
いろいろなカタチや大きさのものが
溢れ出てきます。
そろそろカッティングボード作りは
終わりにしようと思っていたけれど
もうしばらく続けることとします。
特にこのカッティングボードというものは
カタチの制約なんてものは無く
それこそ無限のカタチを再現できる。
パッと見では
なんてことのないカタチでも
何とも言えない存在感を放ったり
何とも言えない魅力を感じたり。
自分の中には無いような
カタチがパッと閃いて出て来たり
やり始めたらきりがありません。

さっき数えてみたら
作った数はぜんぶでおおよそ80枚。
とりあえずあと20枚、
100枚作ったら一旦終わりにして
次はミニプレート作りに移ろうと思います。
怒涛の3月制作ラッシュを乗りきって
気が付けば気候も柔らかくなり
すごい勢いで木々の新芽が伸びはじめ
こちら人間側も体の動きもスムーズになり
今から2カ月くらいは
一番仕事がはかどる時期です。
さて仕事の方。
超特大のカッティングボード作り。
昨年くらいから超特大サイズの
カッティングボードを作り始めたのですが
その当時は
こんな大きなものを使う人いる?
と思ったものの
作り始めると面白くて
また作ってみたいと思わせてくれました。
そして出来上がった作品は
どうだ!と言わんばかりに
あえてギャラリーの中央部に
ドンと展示してました。
あまりにも大きいカッティングボード、
我ながら奇想天外なものを作ったなぁ
と作った当時は思ったものの
案外すぐ売り切れてしまい
世の中は自分が思うよりも
多様な価値観で満ちていて
奇想天外なモノやコトも
案外隠れたニーズがあったりして
面白いものです。

いつもは2枚くらいしか
超特大サイズは作らないのですが
今回は10枚ほどの制作です。
次は普通サイズのカッティングボード作り。
3月初めから続いていた椅子作りも
3本脚の椅子を作り終えてようやく一段落。

3本脚のyakushimaチェア。
チェリー、栗、ウォールナットの3種類。
今週からギャラリー欠品分の制作に
取り掛かっています。
欠品なしの状態が理想的ではありますが
ここは焦らずじっくりと作っていきます。
さて、最近の仕事の進め方。
それは1日完結型。
1日で作り終えることが出来るものを
1日で作り終えることが出来る数量だけ
作るようにしています。
朝取り掛かって夕方には出来上がる。
こういう作り方は案外心地よく
一日一日をリズム良く過ごせて
日々、ひと仕事を完結していくので
日々達成感を感じていられます。
ただ、来客があった場合は
制作の手を止めないといけなくなるのですが
それはやむなし。
こういう時は翌日繰り越しで
次の日に完成にもっていきます。

先日作ったちっちゃい屋久杉。
顔を描いていくのが面白い。

今日はコーヒーメジャースプーンと
ウォールナットスプーンの仕上げ。

これは先日作った丸テーブルと椅子のセット。

