春とはいえ

ずっと梅雨のような天候で

まあこのまま梅雨に

なだれ込むのだろうと思われる

今年の屋久島です。

 

急に南方からの暖湿流に

屋久島全体が包まれることがあって

そんな時は

冷えた機械の金属部分に

空気中の水分が結露して

結局その部分が

錆びついてしまうことがしばしば。

 

そんな感じで

南方の空気がじわじわと

押し寄せてきているのが分かります。

 

 


完成した調理ヘラ。

 

今回制作分は

樹種のバリュエーション豊かに

ウォールナット

チェリー

オーク

メープルの4種類で30本ほど。

 



それから

よくよくギャラリー内の

在庫を確認したところ

そろそろカッティングボードの在庫が

心もとない。

 

という事で

年に数回のカッティングボード祭り。

 

祭りと言っても

たくさん作るだけ。

 

カッティングボードは作りは

かなり慣れてきたのか

サクサクと作っていけるので

気分よく作業が進んでいき

いまやどこか祭り気分での作業です。

 

 

今回は

超特大サイズもおりまぜながら

50枚程度制作していきます。





超特大サイズは

市販品ではなかなか無いらしく

屋久島出張の方が

わざわざタクシーで

お見えになられたこともありました。

 

 ではまた。




 

 

 

花びら模様。

 

作業中の一コマ。

 

 

時計を作っていく過程で

ときどき遭遇する模様。

 

その他、作っていく途中には

香ばしいかおりがすることもあるし

甘いかおりがすることも。

 

 

 

そして木工ギャラリー。

 

 

 

 木のものに囲まれているだけで

気分が上がってきます。

 

ギャラリーにお見えになる方で

すごく感激してくださることもあったりして

木工は一種のエンターテインメントなのかも、

と感じたりします。

 

実際には自分自身もそうで

木工は仕事ではあるけれども

一種の遊び、

娯楽の要素も入っていたり。

 

自分で作った作品の中で

のんびりとコーヒーブレイクするのは

癒しの時間でもあったりもします。

 

 

 

そんな感じでこれからも

木工人生は続いていくのだろうと思います。

 

 

 木の時計

 
手のひらサイズの
ミニ時計の出来上がり。
 
 

 

1週間ぶりに街へ下りてみました。

(ごみ捨て&食料調達!)

 

キャリーを引っ張って

歩いている方がちらほら。

Aコープ(JA系のスーパー)にも

外国の方がちらほら。

 

新港にはクルーズ船が入港していて

少しずつにぎやかになってきた屋久島です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

にっぽん丸東京。
東京から来た?
 
 
 
 
そろそろ大型連休。

観光の島、屋久島は

浮足立ってきているようにも感じます。

 

 

 

屋久島のメインストリート?
 
 
 

 

 

さて、仕事の方。

 

在庫が切れていたコモノ作りに

精を出しているわけですが

なかなか追いつけません。

 

まだ小さい時計シリーズや

削り出しのお皿など

たくさんの在庫切れ。

 

在庫切れ解消が

追いつきそうで

追いつかないもどかしさがあります。

 

裏を返せば

それだけお買い求めいただいているという事で

有り難いかぎりなのですが。

 

だれかに半日でも

手伝ってもらうという手もありますが

ひとりで一体どこまでできるのか?

という、その限界点を見てみたいという

単純な欲求もあるので

しばらくこのまま進めていきたいと思います。

 

 

 

 

 
ちび椅子。

 

 

 

 

 

 

カード立てと一輪差し。

 

 

 

 

まあでも

いくら仕事が追い付かないとはいえ

ひとりで作業するアトリエ時間は

何とも言えない至福の時間で

この人生ではこれが体験したかったのだ!

と断言できるし

 

そして本心である

誰にも邪魔をされたくない

このひとり時間を優先したいから

 

忙しくても手伝いを頼まないという事を

自分自身が無意識に

選択しているんだろうとも思います。

 

 

 

 

 
アトリエの庭の
たらの木とヤマザクラの緑。
 

 

 

 

 

ちょっと湿っぽくて雨がちの日々。

 

いつもの屋久島の4月は

乾燥した晴れの日が多いけれど

今年は様子が違います。

 

とはいえ

ずっとアトリエにこもりっきりなので

そんなの関係ないようなものですが

そうはいっても

屋久島独特の色彩が

かすんで見えるのが

少し残念ではあります。

 

初めて屋久島を訪れた時に感じた

圧倒的な屋久島の色彩。

 

はっきり主張している色彩に

新鮮な驚きを覚えたのを記憶しています。

 

澄んだ晴れた日に目に映る

山の緑のダイナミックなモクモク感は

この時期ならではの光景です。

 

屋久島に訪れる方々にも

是非その色彩を

澄んだ晴れた日に

体感してもらえればいいのですが。

 

 

さて、仕事の方は椅子作り。

 

チェリー

ウォールナット

クリ

オーク

メイプル

と5種類の樹種でそれぞれ5脚、

合計25脚。

 

と言ってもちび椅子。

 

木の子供椅子とちび椅子

子供椅子の座面に乗っているのがちび椅子。

 

 

 

小さいので仕事が早いと

早合点しがちですが

パーツひとつひとつが細かくて

ふだんは凝らない肩と首筋が凝ってきて

案外ハードワークなのです。

 

本当は60脚作る予定だったのですが

首筋がバリバリになりそうな予感がして

急遽25脚に変更です。

 

人が座るものではなく

強度は関係ないので

気楽に作ることができます。

 

でもこれが人が座るとなると

話が違ってきて

途端に強度の問題が出てきます。

 

子供の頃耳にした

椅子作りは

『20年くらい修行しないと作れない』

という話。

 

えらいハードルが高いものなのだなあと

子供心に感じたものですが

あれから数十年経って

まさか椅子を作る人になっているとは

感慨深いものがあります。

 

結局、修行なんかはせずに

独自の手法で

木工を始めてしまったわけですが

 

椅子作りに関しても

少し進んでは問題にぶつかり

問題を解決しては

また更に次の問題が現れ…

そんな感じで

自分なりにトライ&エラーを繰り返しながら

自分の技術を構築していくしかなく

でもそれも今となっては

案外面白かったなあと感じています。

 

極端な話、高さ40㎝程度の硬い箱があれば

椅子になりうるわけで

椅子作り20年の修行が必要なんて

たしか何かのテレビ番組で

見たのだろうと思いますが

その番組を作った人が

内容を相当”盛った”のだと想像できます。

 

実際、20年も修行していなくても

凄い椅子を作っている木工家は

たくさんいるので間違いありません。

 

 

 

25脚分のパーツ。

 

 

 

組み立ては明日。
今日はここまで。
 
 

 

 

毎週末の楽しみは餃子作り。

 

特に最近は皮作りにもはまっていて

水分量や皮の厚みで変わる食感を

試していくのが面白く

 

何故面白いのか考えてみたところ

明確な答えは無くて

面白いから面白いとしか言えません。

 

ひねり出した答えは

少しずつ理想の餃子に

近づけていく面白さ、かな

とも思ったのですが

とにかく面白いので

理由も無くはまってしまうのです。

 

料理も一種のもの作りとも言えるので

もの作りが好きな人は

たぶん料理も好きなんだろうなと

想像できます。

 

 

 

さて、仕事の話。

ようやくコップが完成です。

 

 

木のマグカップ屋久島

 

 

 

このコップ作りのだいご味は

四角の木の塊を少しずつ削り出して

少しずつ形を変えていき

その木の塊の中に

自分の理想の形を

探し出してゆく、

見つけ出してゆくところ。

 

特に図面は無くて

(大まかなサイズは決めています)

削りながら出たとこ勝負で

成形していきます。

 

そんな感じだから

ひとつひとつ

かたちは微妙に違っていて

機械生産では出せない味に

なっているのかもしれません。

 

「全て同じかたちにしないといけない。」

とおっしゃる人もいるけれど

案外かたちが微妙に違っている方が

選ぶ楽しみがあって面白いものです。

 

*-

 

木の塊の中には

実は無限のかたちが

隠れていています。

 

作っている時

作り手の私は

そのかたちを

何かからのインスピレーションを受けて

探り出している、

見つけ出しているようにも感じています。

 

削っている最中は

いわゆる無の境地に近く

無意識のうちに

削りだしているような感覚でもあり

そんな中で理想の形が現れた一瞬、

はっと我に帰り、

ぱっと削りを止めるのですが

それは

いつもの思考回路ではない

別の回路?が

指示しているような気もしています。

 

そんな感じで削っていき

全ての工程を終えて

最終の形が現れた時に

感じる面白さは格別で

いつもの仕事なのですが

こうしてひと仕事を終えると

ちょっと疲れはありますが

ああ面白かったと充足感に満たされます。

 

 

 

屋久島のソメイヨシノはまだ咲きません。
 
 
 
宮之浦から見た白谷雲水峡方面
 
 

 

しばらく雨模様のようです。

 

これで一気に緑が生えそろい

夏から秋にかけて

週1回のアトリエの庭の

草刈りも始まります。

 

少しずつ湿度も上がってきて

木工仕事にとっては

これから少し厄介な時期に

入っていきます。

 

 

さて、コップ作りの続き。

 

昨日は1日かけて

コップ内部の削り作業と磨き作業。

 

この磨き作業ですが

最後は手(指)を使って

120番から320番までのサンドペーパーで

磨いていきます。

 

指先の感覚はすごくて

ちょっとした不具合は

少し触れただけで気がつきます。

 

そんなことから最終段階では

手で磨いていきますが

ここでいつも壁にぶち当たります。

 

それはコップの底まで

指が届かず

うまくコップの底を

磨くことが出来ないのです。

 

実は指がかなり短くて

人差し指なんかは

5cmちょっとくらいの長さしかありません。

 

ちょっと不便で

ちょっと歯がゆい思いもするけれど

 

でもそんなところから

コップの底を磨く

新しい方法や道具を考え出して

道具を生み出していかないといけないという

案外このことが

木工仕事のレベルアップに

繋がっているのかもしれません。

 

そんな風な不便さや

そこからくる歯がゆさみたいなものから

この世に存在するあらゆる道具は

生み出されてきたのだろうなあと

思う次第です。

 

 

 

 

木のコップ

 

 

取っ手なしのコップは仕事が早い。

ほぼ完成。

 

 

 

取っ手付きは取っ手無しよりも

作業工程は倍になって

結構時間がかかります。

 

 

木のマグカップ

 
今日は1日かけて
マグカップのかたちを
削り出していきます。
 
 
 
 
 

 

それと

指が短いとはいえ

これはこれで良いこともあって

頭がぼーとしている時に

高速回転する刃物に

我が指先がニアミスした時なんかは

逆に指が短くて助かった…

なんてことがよくあるのです。

 

 

 

一気に春。

 

昨日あたりはカエルが鳴き出したり

蝶々も急に舞い始めました。

 

上空を見るとツバメの群れが

凄いスピードで舞っていて

屋久島にはツバメが

営巣することは無いけれど

日本本土への旅の途中で

どうやら屋久島に立ち寄っているようです。

 

 

さて仕事の話。

この春シーズン用に

作っていたコップがラスト1個。

 

という事で急遽コップ作りです。

 

 

 

 

 

 

 

 


このコップ、

ときどきお買い求めいただく程度の

アイテムなのですが

なぜだか
2月から3月はダントツのコップ人気。

 

不思議なもので

作品が売れていく時は

時計が売れる流れの時、

スプーンが売れる流れの時、

コップが売れる流れの時といった

何かうねりのような波というか

目には見えない大きな

流れのようなものがあるように感じています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は30個ほど作ります。

 

取っ手あり20個

取っ手無し10個

 

 

外側の削り

外側の磨き

内側の削り

内側の磨きと

 

削りと磨きの工程を何度か繰り返し

木地につやが出るまで磨いていく工程は

結構地道な作業が続きます。

 

体力勝負なところもあるので

無理は禁物。

 

くたくたに疲れる前に休むのが肝心で

休憩の時間は必ず横になってのんびりします。

 

暑くもなく寒くもないこの時期

穏やかな陽があたったアトリエにこもって

鳥の声や風の音を聴いているこの時間は

いつもながら充足感と幸福感に包まれます。

 

 

4月になりました。

 

世間では新学期とされているこの時期、

年度替わりのせいか

屋久島に訪れるかたも若干減るようで

弊ギャラリーの方も4月中頃まで

少しひまになりそうです。

 

 

 

 

緑がぐんぐん増えていきます。
 
 

 

 

 

☆この1週間で作ったもの

 

 

 

折敷

 

チェリーとウォールナットのプレート。

60枚ほど制作。

 

折敷(おしき)とも呼ぶようで

お皿替わりに使ってもらうプレートです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは屋久杉のしずく。

雨のしずくをモチーフにした

屋久杉のキーホルダーです。

これにキーリングを取り付けます。

 

 

 

 

 

 

屋久杉お土産

 

屋久杉ちびストラップ。

遊びで作ってます。

案外人気があります。

 

 

 

 

4月と言えば入学や初出勤。

 

もう脱サラしてからずいぶんと経ちますが

サラリーマン時代を思いだすと

いまだに身体がこわばってしまいます。

 

その時代はいかにストレスを抱えていたのかが

よくわかります。

 

そういえば学校もそうで

いつもすごく緊張していたような気がします。

 

まあでもそれらの経験があって

いろんな想いをしてきたからこそ

今の生活の良さが身に染みて

分かるのだろうとも思います。

 

若い頃は何故生きているのか?

という問いを考えたりしていたけれど

結局この人生は酸いも甘いも

いろんなことを経験するということ、

いろんな感情を感じるという体験するために

人生が存在しているのだろうと

今は感じています。

 

 

 

ようやく子供椅子完成しました。

 

 

 屋久島町出産祝いのお品です。

 

この出産祝い品、

数年前から始まった屋久島町の事業で

屋久島在住木工作家4名

(福島木工さん、きこりさん、ソルムさん、私)

によるそれぞれの木工作品の中から

好きな木工作品を

ひとつ選んでいただくというシステム。

 

弊工房は子供椅子を提供しています。

 

予算がきっちり決まっていることもあって

ぴったりとおさまる額で提供するのが難しく

若干予算オーバーでの提供になってしまい

採算を考えるとしんどい面もありますが

年間に作る数もそんなに多くは無いので

そこのところは割り切って

喜んで使ってもらえれば良いし

木の持つ何かを感じ取ってもらえる

良い機会にはなるんだろうと考えています。

 

とはいうものの

作り終わった今日は

なぜだか筋肉痛に襲われていて

小さな椅子を作っているのにもかかわらず

結構身体を使っているなあと感じます。

 

 

*-

 

3月下旬になり

山は新緑がモクモクと

湧いて出てくるように映り

その中に白とピンクの桜が彩りを添えていて

屋久島は一気に華やいだ雰囲気に

包まれています。

 

屋久島ギャラリーにも

毎日1、2組くらいお見えになるようになり

屋久島もそろそろシーズンインの気配です。

 

 

これから12月中旬まで

ときどき忙しくもあり

ときどきのんびりする

2024年工房生活の始まりです。

 

 

今週は子供椅子作りウイークです。

 

まとまった数の子供椅子の納期が

3月末に来るので

オイルフィニッシュの乾燥の時間を

考慮すると

確実に今週中に

完成しないと間に合いません。

 

こんな時は気持ちがピリッと引き締まり

本来のゆったりモードの自分から

一気に違う自分に変わります。

 

自分のことを簡単に”私”と言うけれど

実は私というものは

ひとつではなくて

いろんな色を持った”私”が

この肉体に同居しています。

 


そんな感じで

制作戦闘モードスイッチが

入ったところですが

その前に子供椅子修理。

 

 

 

この椅子、割れていないように見えますが
 

 
実は↓
 

空手で割ったように綺麗に
ぱっくりと割れています。
 
 

屋久島町の出産祝い品として

ご利用頂いているこの椅子、

予算の関係上

安価な屋久島杉材(屋久杉ではない)で

作っています。

 

チェリー材やウォールナット材に比べて

柔らかいとは言え

座面割れは初めてのケース。

 
お子様が夢中になって遊んでいる時に
割れてしまったようです。
 
子供は遊ぶのが仕事。
こんなことは想定済みです。
 
大人でも3㎝杉板を
道具を使わずに割るのは並大抵ではなく
子供の遊びのエネルギーの大きさが
よくわかります。
 
修理の方ですが
割れ方が超綺麗だったので
接着剤を塗布して
一晩クランプに掛ければすぐ直りそうです。
 
 


これは土曜日から手掛けていた
脚付曲がりトレイ。
まだ未塗装。
 
従来の長方形タイプに加え
四角形タイプも作ってみました。
 
エッジの部分は従来タイプよりシャープに
マイナーチェンジしました。