歯肉炎と歯周炎の違い
歯肉炎と歯周炎とを合わせて歯周病と呼びますがこの二つの間には決定的な違いがあります。それは歯肉炎は治るけれども、歯周炎は治らないということ。歯肉炎は歯肉に限った炎症で、治療すれば治ります。歯垢が貯まってくると歯肉を刺激して炎症をおこしてしまいます。これが歯肉炎ですが、この状態が進行すると歯周ポケットが形成されちゃいます。そしてポケットのなかにはさらに歯垢が貯まっていき、細菌が繁殖し、歯槽骨や歯根膜まで炎症をおこすようになります。おそらくこのころには歯垢というか歯石がびっちりのはず。歯槽骨は歯を支える骨の部分、歯の土台です。ここまで炎症が及ぶともう立派な歯周炎です。歯周炎にまでなると、治療をしても元の状態にはもどれません。歯周炎が進行すると歯が抜けたり、顎の骨が折れたり、歯周の膿が眼の下の皮膚を破ってでてきたり、と色々大変なことになります。とにかく痛くて食べられなくて苦しむのはペットたち。3歳以上の犬猫の80%以上で歯周病がみられるという報告があります。何としても、せめて歯周炎にまではさせない。そのためには、やはり日頃からの歯磨きと健診が必要なんですね。