犬のアトピー性皮膚炎の診断基準
今日は気分を変えて、ワンちゃんのアトピーの話を少し…犬のアトピー性皮膚炎は遺伝的な素因による炎症と痒みを伴うアレルギー性皮膚疾患です。アトピー性皮膚炎の発症にはIgEという抗体が関与しているんですね。IgE抗体は環境アレルゲンに反応するものが殆どです。環境アレルゲンというのはノミや、ハウスダスト、花粉、などです。食物が影響している場合もあるようです。どうしてアトピー性皮膚炎になるのかというのは完全には解明されていません。今までIgE抗体が環境アレルゲンに反応するという部分が強調されていましたが最近では皮膚上皮のバリア機能の障害もかなり影響しているのではないか、と考えられています。(c) .foto project アトピー性皮膚炎の診断は典型的な症状と病歴が認められることと類似の皮膚病を除外することで進められます。以下がその診断基準です。犬のアトピー性皮膚炎の診断基準(Favrot 2010年版)1.3歳未満での発症2.主に室内で飼育されている3.コルチコイドステロイドに反応する痒み4.発症時、痒みのみで病変を伴わない5.前肢に病変がある6.耳介が病変がある7.耳介辺縁には病変がない8.腰背部には病変がないもちろんこれらの診断基準は完璧なものではなく、チェックリストの5項目を満たす場合でアトピー性皮膚炎である特異度は80%くらいです。アトピー性皮膚炎と似ている皮膚病は他にもいろいろありますからまず最初にこれらの皮膚病が無いかどうかを調べる必要がありますね。疥癬(ダニ)やブドウ球菌による膿皮症、マラセチア皮膚炎といった皮膚病ですね。それと、こういった寄生虫や皮膚の感染症がアトピー性皮膚炎と一緒におこると症状がとても複雑で診断もつきにくくなりますから痒みがひどいな、と感じたら早いうちに病院に行くことをおすすめします。<参考文献>1.Thierry Olivry, Douglas J. DeBoer, Claude Favrot, Hilary A. Jakson, Ralf S. Mueller, Tim Nuttall and Pascal Pre laud for the International Task Force on Canine Atopic Dermatitis. Treatment of canine atopic dermatitis: 2010 clinical practice guidelines from the International Task Force on Canine Atopic Dermatitis.2.Favrot C, Steffan J, Seewald W et al, Aprospective study on the clinical feature of chronic canine atopic dermatitis and its diagnosis. Veterinary Dermatology 2010;21:23-303.Olivry T, DeBoer DJ, Bensignor E, Prelaud P for the International Task Force on Canine Atopic Dermatitis. Food for thought:pondering the relationship between canine atopic dermatitis and cutaneous adverse food reactions. Veterinary Dermatology 2007; 18: 390-1.ペットと楽しく暮らすために、役立つ健康情報をお届け。今日の情報がためになったな~、と思ったら、ポチっと応援お願いします。 不 妊 症 改 善 子 宮 と 卵 巣 の 若 返 り 35歳以上でも自然妊娠が可能!h t t p : / / l y r i c a l c a t . c o m / f u n i n s y o u /