2024年6月【読書記録】3冊 | ひとしずくの純金

ひとしずくの純金

たったひとつのわたしの生き方を見つける旅

 

苦手な読書記録、
今回もこんなタイミングになってしまった。

さっそく参ります、
6月は考えさせられる作品ばかりが
揃いました。。。
 

 

 

 

『百年の子』
古内 一絵 著

おもしろかったです。

最初の数ページは
物語に入っていけない感じがありましたが

それは、たぶん、読んだ順番が
『ティファニーで朝食を』の後だったから

・・・かなぁ・・・
と読み終わった後なら思います。

ちょっとトーンが違い過ぎた。



で、この本。

祖母



の女性三世代それぞれが生きた
”時代の生きづらさ” が
世代を通じて絡み合う物語。

女性という
大きな枠でくくられる
属性としてのしんどさと

私個人という
性別や年齢、時代と関係なく
個として体験する個別のしんどさと。

両方が三世代ともにそれぞれあって、
かつ互いが

母であったり、娘であったり
の立場をそれぞれに体験していく。



その絡まり合いは

時代のしんどさとか
女性のしんどさとか
役割のしんどさとか
個としてのしんどさとか

そういったものの
目の前の問題を解消していくことと

大きな時代の流れにゆだねながら
少しずつしか変化していかない現実と

に挟まれながらそれでも

私たち一人ひとりの ”もがき” が積み上がって
着実になんらかの ”方向” を模索し続ける。



そういうことが
書かれているのかなぁ、、、

と受け取りました。

こう書くと
重たそうに聞こえるかもしれませんが

ストーリーは
飽くまでもほわっと軽い運びで展開し、
とても読みやすいです。
 

 

 

 

『ティファニーで朝食を』
トルーマン・カポーティ 著
村上 春樹 訳

実は映画版を観たことがなかったワタクシ。

どういうストーリーなのか
まったく知らなかったのです、読むまでは。

おそらく、世の大多数でいえば

映画版は観たけど
小説のほうは読んでいない

が一般的なのでしょうね。

観ていない私にでさえ
オードリー・ヘップバーンの
黒いドレスにキセル?の姿は
目に浮かびますからね。

そのくらい映画のほうがメジャーですよね。



でーすーが!!!

読んでびっくり。

ぜんぜんオードリーのイメージでは
ないんですよね、ホリーって。

これは読んでみてもらって
実際に体験していただくのがいいかと。

先に映画を観ている人は
「えっ???」
ってなるかもしれない。

 



ちなみに、はたと思いついて
読後に映画も観てみました。

でーすーが!!!

一番の感想は

あの二つ(映画と本)はもう、、、
なんていうかこう、、、別モノですね。

冗談抜きで。



途中途中のアイコニックな場面は
共通で使われていても

その文脈というか意図というか、

”物語そのもの” がぜんぜん違う。

なので、当然、結末も違う。



びっくりしました。
衝撃的でした。

衝撃的な結末なのではなく
(ある意味予想の範囲のイージーエンディング)

原作とのあまりの違いに対する衝撃です。

なるほど、
映画ってこういうふうに作られるんだな

という別の驚きがありましたね・・・。



私は本のほうが好きです。
気になる方はぜひ両方を。

どのくらい衝撃を受けたか・・・

あるいは受けなかったか?


感想を聞いてみたいです(笑)。
 

 

 

 

『村上春樹全作品集 1990~1999
 アンダーグラウンド』
村上 春樹 著

多くの人にとって

無関係ではない事件を扱っています。

地下鉄サリン事件

あの事件があったとき、
私はすでに20代になっていたのだから

ある意味、もっと社会の出来事に
関心をもっていい年齢になっていたのだけど

どういうわけか
くっきりとした記憶がないんですよね。

それは阪神淡路大震災も同じで

同じ年の大きな出来事の二つともを
ぼんやりとした記憶にしか残していないって

我ながらどういうことだろう?
と思います。

二つともあまりに大きすぎて
受け止めきれなかったのだろうか。

自分の人生の中で
ちょっと割り切れない気持ちになる点の一つです。

 



この本は
被害にあった方々へのインタビュー記録です。

基本的にはただひたすら

被害にあった方々の語りを
語るままに記録に残した、

そういう本です

(途中、医療者との対話が入る程度)



インタビューに応じてくれたのは
60名ほどの方々だったでしょうか、


相当なボリュームです。

だけど5,000人以上の人が
被害にあったことを思うと
ほんの一部であることも事実。

二段組のかなり分厚い本で
読み終わるにも時間がかかりました。



読み続けた間を通してずっと


『あの日、何が起こったのか?』

 

を本を通して

追い続けたわけですが・・・

読んでいて苦しかったですね・・・。
とても。

とても苦しかったけれど、
読まなければいけない
という気持ちもはっきり感じていました。

その気持ちがなかったら
読みとおせなかったかもしれないな
と思います。

苦しかった。



いま、私が乗っているこの電車でも
乗り換えているこの駅でも

この車両に、この駅のこの場所に
インタビューを受けたあの人が
あの時いたのかもしれない。

ふとそんなことが浮かぶこともありました。



ルポタージュとか
インタビューとか

この類のものは

書き手がどのくらい ”そのまま” を
尊重するかによって

その価値や意味や意図が
変わってくるように思います。



私は著者(インタビュアー)その人の
実際を知らないから

どう受け取ったらいいか、を
慎重に調整しなきゃいけないと思うけど

一方でかなり ”そのまま” であることに
重きを置いてまとめてあるんじゃないかな

という直感もありました。



私たちは事例検討という
ちょっと似たようなことを時に行います。

その際

(長い時間かけて行われた語りを

 紙面に合わせて要約する)
 

いかに一次情報を一次情報のまま扱うか?

の倫理的な姿勢と実際的なスキルが
問われるわけだけれど

そこに通ずる意識を感じたんですよね。

小説家はたぶん、
事例検討会なんてやったことないと
思うんだけど。

 



淡々と語りが並べられる。

そこに多少の齟齬があったとしても
語りが数多く重なることによって
ある種の真実が見えてくる。

齟齬そのものに
その場の混乱が透けてみえる

例えばそんなことを妨げない

姿勢とスキルです。

 



読みながら
他にもいろんなことを考えたんだけど

(考えたら当然ありうることだったのに

 過去に勤務していた病院の名前があったことに

 すごくびっくりしてしまったこととか)

たくさんすぎて書ききれない感じです。



著者がインタビューを通して言いたかったこと。

これを実現するには
一人ひとりの自覚が関係していて、

それは、私も無関係ではないよなぁ・・・
などと思ったりしました。

しんどい一冊だったけど
気になる人にはお勧めです。
 

 

 

というわけで、
3冊いかがだったでしょうか。

「それ私も読んだ!」
というものがあったでしょうか。

読後の感想って
本当にバラバラになりますよね。

共有してみたいような、みたくないような(笑)。

読書好きな人に
お気に入りの一冊がやってきますようにニコニコ
 

 

 

 

カミヤカオリ

 

 

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