言葉の微妙な差異を拾う | ひとしずくの純金

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たったひとつのわたしの生き方を見つける旅

 

責められている感じがする

責められているときと同じ感じがする


大して違わないようにも聞こえる
この二つ。

表情や口調、文脈で
意味や伝えたいことも変わるけれど

言葉だけを切り取るなら
やっぱり別ものなんだろうなぁ、

 

と思います。



この手のハナシは
油断すると言葉遊びになりがちだけれど

なんだかんだ
見逃せない差があるんじゃないかなぁ、と。



前者の
責められている感じがする、は

実際に厳しい言葉を向けられていて
その時感じている心情を言葉にしている。

起こっている出来事と
自分が体験している感情が一致している。



一方で後者のほう
責められているときと同じ感じがする、は

相手はたぶん責めているのではない、と
頭ではわかるのだけれど

どうしても感情のほうがついてこずに
「責められている」と感じてしまう。

過去の責められた体験で感じたことを

「あぁ、あの時と同じだ」

と思い出すように体験している。


いま起こっている出来事と
自分が体験している感情にズレが生じている。

そんな状態かなぁ、とか。
 

どうだろう。
そういう差異を感じたことはないですか?



「言葉のあや」という表現もある通り
そこに深い意味はなくて

ついリズムで出てきた、なんてことも
もちろんある。

と、同時に

本人が意識しない部分が
無意識的に言葉という表現を通して
表明されることも・・・

きっとある。

全部じゃないにしても。



だから、本当のところは
ご本人に訊かないと分からないという
前提は忘れないとして

(といっても、無意識だと
 どっちにしても分かりづらいけれど)


表現の微妙な差に気づき

そこに見逃してはいけない意味が
込められている可能性をきちんと拾える

そういう耳を持っていることは
この仕事をする上では

とても大事なことだよなぁ、

 

などと思います。









今日のお題にした二つのフレーズ。

クライアントさんから出てくるのは
圧倒的に前者のほうが多い。

『責められている感じがするんです』

・・・なるほど
責められている気持ちになりますか・・・

と受け止めつつ

同時にどういう体験をしているのかな?
と思いながら話を聴きます。



聴いているうちに

『必ずしも責められているわけではなく
 ただ客観的事実を言われているだけ

 って分かっているんですけど』

『別に怒った感じじゃなく
 普通に言われただけなのに』

などといった言葉が続く。

・・・そうか、そうなんだ、そうだよねぇ・・・
と聴いていく。




ひとしきり聴いたところで確認する。

「あのね・・・

 ちょっと細かいことなんだけど・・・」

じっくり考えてもらうために
ちょっと間合いをとる。



「さっきおっしゃっていた
 『責められている感じがする』

 っていうあれね」

うなずく相手を見ながら続ける。

「あれ、ちょっと表現いじっていい?」

私が何を言っているか
少し戸惑う感じでさらにうなずく。



「えっと・・・

 『責められている感じがする』と
 『責められているときと同じ感じがする』

 この二つ・・・何か違いを感じる?
 どっちがしっくりくる、とかある?

 

 似てるけど

 微妙に違うんじゃないかなぁ、と思って

 

 どう?」

うーん・・・と考えるクライアント。

 

 

みなさんはいかがでしょう。

似たような体験がある方は

ぜひご自分の体験に照らし合わせて
思い出してみてもらえると

おもしろいかなぁ、と思います。

いかがですか?



どっちでももちろんOKです。
どっちが正解などはありませんから。

ただ、このやり取りによって

 

クライアントが

どういう世界を体験しているか
 

により正確に近づける。

そういうことです。



前者と後者では
体験にどの程度『すき間』ができているか
が分かります。

その状態に合わせて
こちらがどのような支援をすればいいか
調整するのですね。



安全な支援を目指すなら
介入のさじ加減はやはり必要不可欠です。

どんな言葉がけをするのか、
どんな問いかけをするのか、
どこまで踏み込むのか、
何に向き合ってもらうのか・・・

これらのすべてにさじ加減するのです。



なんでも質問すればいいのではないし
なんでも踏み込めばいいのではない。

 

真面目な支援者ほど

つい相手に向き合うことを

求めてしまいがちですが、

 

いつでも『向き合うこと』が ”善”

なわけではない・・・ですよね。

 

やっぱり何事も時機を見たさじ加減が

必要なのだろうと思います。



ぼんやり聴いていると
とりこぼしてしまう微妙な差異。

時機を見たさじ加減をすること

一つとっても
 

その大切さを知れば知るほど

クライアントが口にする言葉の
微妙な差異に気づける耳をもちたいなぁ、

 

なーんてね。

こころと言葉を扱う仕事だからこそ

思います。



さてと、金曜日か。
一週間お疲れ様でした。

もう週末気分の人も多いよね。
楽しいお休みになりますように。

Happy weekend !ニコニコ
 

 

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