連休も後半ですね～。
楽しんでいるかな。
さてと、毎月恒例
読書記録、参ります！
『ウルフ・ホール（上）』
ヒラリー・マンテル 著
宇佐川 晶子（訳）
面白いです。
ハマってます。
ただいま下巻を読んでいます。
ちょっと前に見つけて
以来、気になっていたのですが
とっつきにくそうな印象だったのと
三部作と超長編のせいか
身構えてしまって
しばらく様子見状態になっていました。
ですが、読み始めたら
隙間を見つけては読んでいる状態です。
弁護士クロムウェルを中心に
物語が進んでいくのだけれど、
彼が名前ではなく
代名詞 ”彼” で表現されてるもんだから
「彼って誰？？」
と初めのうちは戸惑ってしまった。
しばらくストーリーがつかめず
前後を行ったり来たり読み直しで
リズムをつかむのに時間がかかった。
だがしかし。
ひとたび慣れてしまえば何のことはない。
物語にどんどん引き込まれました。
あと、不思議な文体で
おそらく原著がそうなんだろうと思うんだけど
ぱっぱっとリズムよく場面が変わっていく･･
なんていうか、
映像向きの文体な気がします。
文字で説明するというよりは
イメージで伝えていくような。
短い一文が重なって
自然に絵が浮かぶ。
パラパラ漫画のように
絵が重なっていく様子を眺めていると
物語が追えてしまう。
そんな文体です。
16世紀の弁護士クロムウェルが
己の機知で風を読んでいく。
下巻もそろそろ後半に近づいて
迷いながら読んでいる面もあるんだけど･･･
面白いです。
『これからの男の子たちへ
「男らしさ」から自由になるためのレッスン』
太田 啓子 著
面白かったです。
これはたくさんの人に読んでほしいな。
特に ”成功” している大人の男性に。
著者やそのほか対談相手の人たちは
ある種の ”諦め” があるんだけど
（そして、それはお腹の底から叫びたくなるくらい
めちゃくちゃわかるんだけど）
それはもしかすると
法学と心理学、
特に臨床心理学との差かなぁ、とも思う。
白黒の線を引く法学と
グレーに留まろうとする臨床心理学と。
グレーに留まるというのは
可能性を見出すということ。
変わりたいと思う限り
どれだけ変わらなくても支えるし、
変わりたいと今思えなくても
可能性があるなら支えるし、
そしてなにより
変わりたくない、と思うこと
変わることの怖さ
変わることのたいへんさ
にあえてかかわる職業的な
信念というか、哲学というか、があるし
そういう場面にも
多少なり触れているつもりだから。
･･･というベーシックなところでの見解の差は
ちょっと悲しくなったけれど
非常に勉強になりました。
「男の子」という年齢ではなくなった
「大人の男性」に読ませたいところだが
そういう人たちこそ
この本からは
もっとも遠いところにいるだろう。
そして、
ジェンダーにまつわるあれこれは
男性側だけじゃなく
女性側の問題意識も重要。
自分たち女性は被害に合っている。
このことに女性たち自身が気づかないと
残念ながら始まらない。
被害に合っている、が大げさなら
負担を強いられている、でもいい。
とにかく気づかないと
声を上げることもできないし
変えようという必要を
認知させることもできない。
「愛され〇〇」などと言って
自分たちを商品化している場合じゃない。
そのことに気づいていく。
とはいえ･･･
若いときには気づかなかった
あれやこれやに目を啓かれるのは･･･
ちょっと苦しいね･･･。
でも、一度啓いたものはもう戻れない。
勉強を続けるしかないし
変化についていくしかない。
そして、願わくば
変えていくための力を生み出せたらいい。
世の中はいい方向に向かっている。
そう思えた本でした。
というわけで、
4月は2冊でした。
方向はまったく違えど
どちらも面白くて充実した4月でした。
5月は･･･
順当にいけばクロムウェル月間ですかね？笑
カミヤカオリ