気づけばもう19日だというのに
前月の読書記録を書いてなかった。
というわけで
慌てて？読書記録です！
3月も面白い本に出合いましたよ～。
お付き合いください
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』
村上 春樹 著
何かしっかり「その世界」に入れる本が
読みたいなぁ、
と思って村上春樹。
読みやすい文体って
それだけで「選んでよかった」と思う。
好みはあるんでしょうけれど
どの作品でも読みやすい文体で
すんなり頭に入るから
その世界にも入りやすいんだと思う。
タイトル通り、
多崎つくるが主人公で
身の内にわだかまる
ある葛藤を解消する物語なんだけど
印象に残ったのは
つくるの（暫定？）彼女のほう。
それにしても
なんでしょうね、この透明感は。
登場人物の
誰も彼もが透明な感じ。
それは前回読んだ『1Q84』でも感じた。
透明というのは、
キャラがない、ということではなく･･･
無臭
というか。
体内に老廃物が一切無さそう
みたいな感じの透明感。
もしかしたら、「上品さ」
といってもいいのかもしれない。
『良妻の掟』
カーマ・ブラウン 著
加藤 洋子 訳
おもしろかった。
おもしろかったけど、
イラつきますよ、これ(笑)。
結婚によって
背負い込むものはいろいろだけど
それにまつわる葛藤が描かれている。
おもしろいテーマなんだけど
もうちょっと踏み込んでほしかったなぁ
という思いも残る。
まぁ、ただ、真正面から
「女性の主体性を！」とか
「女性の権利を！」とか叫んでも
敬遠されるだけ、
という悲しい現実を考えると
こんなふうに
テーマをぼやかしてまぎれさせて
それこそ隠し味が
間違って表にでちゃった❤
くらいな感じで書かないと
入口に立ってもらえないのかな･･･
とも思ったり。
歯がゆいですな。
『あの人と短歌』
穂村 弘 著
著名人との対談。
作家、
漫画家、
モデル、
本を作る人･･･
その道のプロでかつ短歌が好き、
という人との対談をまとめた一冊。
けっこう真面目な？対談で
「そっか、ただ感性で
読んでいるんじゃないんだな」
と妙な感心をしてしまった。
こんなこと書くと
失礼にあたるのだろうけれど。
考えれば
絵だって理論があるし、
音楽だってある。
短歌にないわけがない。
基本は対談だから
とても読みやすいのだけれど、
そのあたりにチラっと触れて
びっくりしてしまった。
『ペイン・キラー
アメリカ全土を中毒の渦に突き落とす、悪魔の処方薬』
バリー・マイヤー 著
三木 直子 訳
いやこれはすごいですよ･･･。
きっと、面白いといったら
不謹慎なのだろう。
ストーリーが進むほどに
怒りとも絶望ともつかない
不毛さを感じる物語。
しかも、
それがノンフィクションなのだから
当事者の方々はたまらないだろう。
アメリカのオピオイド問題は
ずっと気になっていました。
日本ではあまり話題にならないので
どうしてだろう？
とも思っていました。
何か分かりやすく
情報は手に入らないかな･･･とも。
思い出したり忘れたりしながら
そのまま何年か経ってしまったのですが
いきなり目の前に現れました。
目に飛び込んできたときには
もう手に取ってました。
処方薬による薬物中毒。
製薬業界と医療、行政･･･
金と利権が絡み合って
ずるすると事態は深刻化していく。
ふぅ。。。
このオピオイド問題は
医療とビジネスが結びついて
悪いほうに転んだ例ですが、
これってホント
どうにかならないのですかね。
IR法なんかも
あーだーこーだやっていますが、
ギャンブル依存の損失というのは
本当に計り知れないものです。
レジャー（カジノ）と
ビジネス（莫大な資本）が結びついたら
どれだけのことが起こることか。
アメリカでもう
充分すぎるほどの前例があるのに
どうして
わざわざ導入する必要があるのか。
そのあたりは
『デザインされたギャンブル依存症』
で分かりやすく読めます。
興味のある方はぜひ。
というわけで、
3月はなんだかちょっとかためな
ラインナップでしたね。。。
4月もその流れは続く･･･！？
お楽しみに。
カミヤカオリ