ひさびさの休日。
朝が苦手な私にとって最高の幸せは
目覚ましなしで眠りにつくこと。
明日は仕事もない、
お出かけの予定もない、
となれば、もうそれだけで
幸せが約束されてしまう(笑)。
たっぷり睡眠をとって
気持ちよく目覚めた今日は
特に何もなかったですが
どことなく気分よく一日が過ぎました。
大人の毎日は
カンタンじゃないことも多いけれど
充分な睡眠は
一日を過ごしやすくしてくれるよね。
さてと。
２月の読書記録参りますか。
睡眠充分の今、
ポジティブなコメントが書けるといいけど･･･
どうなるやら？？
（酷評の予感！？え、笑）
『青いパステル画の男』
アントワーヌ・ローラン 著
吉田 洋之 訳
おもしろかったです。
初めての作家さん。
帯に ”大人のおとぎ話” とあったけど
確かにぴったりな表現だ。
骨董集めが趣味の弁護士が
ひょんなことから
まったく別の人生を歩み始める･･･。
それは大人の男がちょっと夢見る
ありえない、でもあったらいいな、的な
夢の生活。
おいおい、冗談だろう？？
という展開も
まぁ、ご愛敬で読めてしまう。
だけど。
この作品でうっすら嗅ぎとった悪臭は
後に吐き気を催す強さになって
再会することになるとは･･･
この時は思ってなかった。
思ってなかったから
面白かった、と思ったし
ほかの作品も読んでみよう、
となったのだけれど･･･。
うえぇ。
『ミッテランの帽子』
アントワーヌ・ローラン 著
吉田 洋之 訳
例によって
著作の発表順に読む習慣にならって
半自動的に手に取ったこちら。
おもしろかったです。
なんだ、いろいろ言ったくせに
おもしろかったんじゃん、
って思いました？笑
この著者の作品は３作読みましたが
これが一番おもしろかった･･･かな。
ミッテラン大統領が現役時代の設定。
レストランでの食事中、
偶然、大統領とテーブルが隣になった
冴えないサラリーマンの主人公。
大統領が忘れた帽子を
出来心で自分のものにしてしまう。
そこから不思議な運命の波に
飲み込まれていく。
ちょっとミステリーのような展開で
おもしろかったです。
私にも ”魔法の帽子” が舞い込んでこないかな。
でも、この物語の本当のオチは
最後の「訳者あとがき」にある。
これを読まないと
この小説は本当には終われない。
読む方はぜひ
最後の訳者あとがきまで読んでね。
あとがきに
一番「えーーー！？」ってなった。
なので、先ではなく後に読むことを
おススメします☆
『赤いモレスキンの女』
アントワーヌ・ローラン 著
吉田 洋之 訳
･･･うーむ。
これを
「ロマンチック」「素敵
」「あこがれる」
という女子がどれだけいるんだろうか？
それによって
未来が明るくなるかどうか、が
変わってしまうんじゃないか、
と思うくらい
うんざり嫌になってしまった。
恋愛小説です。
恋愛小説自体は嫌いじゃないけど
これは嫌いです。
なんなの、これは？？？？？
と言いたくなるようなシロモノ作品です。
我慢して我慢して、
最後にヒロインが痛烈な一撃を
相手方の男に加えることを
期待して読み進めましたが
どういうわけか
恋に落ちるんだよなぁ、聡明な彼女は。
そのろくでもない男に。
なんでだよ。
そんなわけないだろ。
どこまでお人よしに、ご都合主義的に
描けば気が済むんだ？
とののしりましたね、本を前に(笑)。
女の子が be nice の教育を受け
不機嫌になったり
自己主張をしたりすることなく
相手の気持ちを思いやって
愛嬌のある存在であることが当たり前
という社会病理の恩恵を
何の疑問も持たずに受けてきた男の
考えそうな夢物語。
反吐の出る物語でした。
いま思い出しても気分が悪い。
ここまでボロクソに言われる恋愛小説、
むしろ読みたくなったでしょう？笑
ある意味、ぜひ読んでほしい一冊。
『約束された移動』
小川 洋子 著
小川ワールドの短編集。
はぁ。。。
ほっとする。
小川洋子の作品を読んでいると
「一隅を照らす」
の言葉が浮かぶ。
私にはとうてい到達できない視点だし
あり方だけれど、とても憧れる。
こんなふうに
静かでやわらかなまなざしが向けられたら。
ひょっとすると
奇異な目を向けられがちな人たちのもつ
こまやかな感受性や
するどい観察力、
一つを深く愛する力
そういったものに
気づき、気持ちを寄せられる。
声なき声を聴き
ひっそりとした気配を感じとる。
私の理想で
いつか手に入れたいものでもある。
ときどき読んで
ときどき思い出している。
･･･というわけで
新しい出合いがあった２月でした。
３月も読んでるよ。
お楽しみに。
みなさんにも
いい出合いがありますように。
カミヤカオリ