2022年5月【読書記録】7冊 | ひとしずくの純金

ひとしずくの純金

たったひとつのわたしの生き方を見つける旅

 

いやぁ、今日は寒い。
気温の上下にはまいっちゃいますねぇ。

そんな6月中旬、
5月の読書記録参ります!

今回は5タイトル7冊、
結構読めました~。
 

 

 

 

『動物農場』
ジョージ・オーウェル 著
山形 浩生 訳

おもしろかったです。

既読の人には狙って選んだように
見えるかもしれないけれど

このタイミングで読んだのは
まったくの偶然。

でも、考えたら『一九八四年』と
通底するものはあることは

同じ作家である以上
想像はつくわけなので・・・

自覚はなかったけれど
何か思うところはあったのやもしれぬ。

物事を始めるにあたり、
最初から何かこう・・・

悪意をもってとか
意のままにしてやろうとか

そういうネガティブな野心で
事にあたったわけではなくとも

そのプロセスで
慢心したり、勘違いしたり、で

当初の誇り高き野心が変質してしまうことって
どこにでもあるのだろうと思います。

いや、誇り高き野心は変質され
特定の誰かに利用さることがある

のほうが正確かもしれない。

羊たちを責めることはできないし

ベンジャミンにだって
できることはあったし

馬たちだって
もっと違う方向で頑張ることはできた。

よく分からないままに
わーわー騒げば
加担したことになってしまうし

分かったふうに白けて
何もしないでいれば
賛成したことになってしまうし

なんとなく疑問に思ったのに
問いたださなければ
納得したことになってしまう。

一人の独裁者だけでは
成立しないのだ。

それを支える
群衆があってこそなのだから。

というわけで選挙に行こう(?)。
 

 

 

 

『充たされざる者』
カズオ・イシグロ 著
古賀林 幸 訳

おもしろかったです。

前の三作が
まるで無かったような世界。

前の流れと全然違う。

「イシグロ作品と言えばこんな感じ」
と期待していると面食らうけど

これ単品で、
まっさらな気持ちで読んだら・・・

全然違う印象になりそうだ。

読んでいる最中は

いつになったら
モヤが晴れるんだろう・・・

と思いながら霧の中を歩くような感じ。

時間も空間もつじつまも
ちょっとずつしっくりこないまま

まさに充たされないイライラを
ずーーーっと抱えながら付き合わされる。

で、結局、ずーっと夢の中を

歩いているような世界のまま終わる。

えぇっ。

ええぇぇっ!?

これはホントすごいなぁ。

こういうの書くの
勇気いるんじゃないかと思う。

しかもこんなにも長編で。

途中、なんとなく

「あれ?これは?」
「ひょっとしてこういうこと?」

と思わせておきながら
最後まで ”答え” らしきものはくれない。

答えなんてそもそもないのだろうし
そういう俗っぽいものをアテにしては

この作品のおもしろさが
半減してしまうのだろう・・・な。

戸惑うけれど、イラつくけれど
クセになる世界。
 

 

 

 

"The Man Who Planted Trees"

written by Jean Giono


『木を植えた男』
ジャン・ジオノ 著
寺岡 嚢 訳
黒井 健 絵

よかったです。
こういうのは本当にいい。
全員に読んでほしいくらい好き。

人生の冒険って
いろいろあると思うけれど

私はこういうことを
ぜひとも冒険と呼びたいなぁ、と思う。

ひとところにとどまりながら
単調なことを繰り返しながら
とんでもないところに行ける。

こういうのが
冒険の真に意味するところじゃないかな
なんて思う。

この本から何を受け取るか、は
人それぞれだけれど

私は「冒険」を挙げたい。

私は私の場所で
この男のような冒険をしたい。

こんなことが成し遂げられたら。
人生の夢だ。

本当にオススメ。

 

 

『キッチン』
吉本 ばなな 著

あー。これも良かった。
もう出だしから良かった。

なるほど評判の一冊というのは
こういうものなのか、と。

なんで読んでいなかったのか。

ベストセラー過ぎたんだ。
たぶん。

夢と現実の境目が分からなくなるような
ちょっと不思議な世界が
入り混じるんだけど

それがまたなんというか、
違和感なく編み込まれている。

朧月夜の中で読むような
少しぼんやりしていて

不思議なことも
受け入れられちゃうような

そういう時間帯の物語。

でありながら
現実の ”届かなさ” みたいなものも
忘れずにつなぎ止められている。

ふわっとしながら
地面につなぎとめる糸は切れない。

そんな感じ。
 

 

 

 

『蚊がいる』
穂村 弘 著

笑った、笑った。
泣いて膝たたくほど笑いました(笑)。

なんか疲れてて
心に優しいものが読みたいな、と思って
穂村弘。

うーん。
どういうチョイスだろう。

正解でした(笑)。

勝手に同世代と思っていたのに
ちょっと年上だった。

この人、中毒性あるから
10代とか20代とか
若い時に知らなくて良かったな、と思う。

影響されちゃって
しょうがなかったと思うもの(笑)。

勝手ついでにいうと
詩人だとずっと勘違いしていました。

何度も歌が出てくるんだから
気づきそうなものなのに。

歌人。

歌人でした。ごめんなさい。

詩人もそうだけど
歌人も用語選択がすごい。

それ以外ない、っていう一語を
それ以外ない、っていう場所に
それ以外ない、っていうタイミングで
つっ込んでくる。

本当にね。

大方の人が言われて初めて
「あぁ、そうか、そうだよね」

って目を向けるような
小さな何かを見逃さない。

その瞬間をつかまえる。
感性がすごい。

そうだ、勝手ついでにもう一つ。

この本では何度も
「あんぱんの人」だか
「クリームパンの人」だか

『穂村さんといえば〇〇の人』として
あんぱんが出てくるわけです。

穂村さんといえば、
あぁ、あのあんぱんの人!

みたいに。

あんぱんだったか
クリームパンだったか

ちょっと記憶があいまいなのだけど
とにかくそんなようなものが出てくる。

だけど。

私にとっての穂村弘は
「皿の裏を洗わない人」
なわけです、勝手ながら。

だから、びっくりしてしまった。

え?世間の認識ではあんぱんなの?
皿の裏を洗わない人じゃないの??

ちょっとショックでした。
皿の裏を洗わない人じゃないのか・・・。



というわけで、
5月もいい出合いがたくさんでした。

みなさんも読んでるかな?
豊かな読書タイムになりますように。
 

 

 

 

カミヤカオリ

 

 

 

 

 

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