2018年3月【読書記録】6冊 | ひとしずくの純金

ひとしずくの純金

たったひとつのわたしの生き方を見つける旅

 

 

我慢しきれず?

今月はちょっと読めました。

 

今月の読書記録、参ります!

 

 

 

『月の砂漠をさばさばと』

北村 薫 著

おーなり 由子 絵

 

挿絵がかわいい。
ストーリーもいい。
 
母と娘の静かな、だけど
温かく笑いのある毎日
 
を丁寧に
つづっています。
 
母になるなら
こんな母になりたい。
 
私にとっては
そんな母像でした。

 

 

 

 

『母のはなし』

群 ようこ 著

 

母の話が続きます。
 
これは・・・(笑)。
 
けっこうすごいです。
 
すごいって
何がどうすごいのか。
 
なんでしょう。
 
読み進むほどに
登場人物である『母』に
うんざりしていきます。
 
ぜんぜん
「まぁ、そうよね」
にたどり着かない(笑)。
 
こんなに嫌気がさす母像
なかなか書けない。
 
嫌な気分になりながら
うんざりしながら
最後まで読み進めるわけですが、
 
そこには
 
『でも、どんでん返しで
最後には分かり
合えるんじゃないか・・・』
 
みたいな淡い期待も
私の内側に残しつつ
エンディングに向かうのです。
 
で、結局どうなるか、は
お楽しみにとっておくとして(笑)、
 
読後に私が受け取ったのは、
 
現実を冷徹に見つめると
どうなるか?
 
そのうえで
それをどう受け止めるのか?
 
そんなことを考えた末に
ほんのり温かさのような
にごりと希望の感覚・・・でした。

 

 

 

 

『サーカスナイト』

よしもと ばなな 著

 

これも母といえば
母の話。
 
若くして未亡人になった
『さやか』と
 
忘れ形見の娘『みちる』の
穏やかな暮らしに
 
不思議な手紙が舞い込んで
ストーリーが動きだす・・・。
 
よしもとばななさんの著作は
たぶん2冊め・・・かな。
 
『デッドエンドの思い出』
だったと思います、
はじめて読んだのは。
 
イメージがまったく
違いました、この2冊。
 
こちらの『サーカスナイト』
のほうが好みです。
 
登場人物が
みなさん成熟していて
物分かりがよくて
好人物ばっかりなのが
 
なんていうか、
いいというか、なんというか。
 
こうなると
普通、かなり面白くない
展開になると思うんですが
 
不思議と
そういう感じはなかったです。
 
好きな人ばっかり、
 
こういう作品
出合ったことないかも。
 
自由な発想とこころを
もっていながら
 
でも、社会とのつながりも
ちゃんとあって
遊離していない。
 
そんな好感のもてる大人たち。
 
ぶっとんだ面白さではなく
地に足の着いた面白さをもつ
大人な人たち。
 
心の豊かな人間になりたいな、
と思わせる一冊でした。

 

 

 

 

『駐在日記』

小路 幸也 著

 

刑事もの?
 
といえばそうなんだけど
違うといえば違います(笑)。
 
あらま、
いま気づきましたが、
 
↑の『サーカスナイト』の
さやかさんも手をケガしていて
いわくつきの登場人物でしたが、
 
この駐在さんの奥さんの
『はなさん』もいわくつきで
右手をケガしています。
 
手をケガした女性たち。
偶然って続きますね(笑)。
 
 

脱線しました。
本にもどって。
 
田舎の駐在さんとして
赴任してきた若い夫婦。
 
昭和50年代ごろの
想定だったか。
 
ちょっと懐かしい
のんびりした時代背景で
 
小さな村におこる
小さな事件を描きます。
 
なんていうか・・・
昭和の田舎の名奉行
って感じなんですよね(笑)。
 
刑事ものとか
サスペンスとかにある
 
ドロッとした
血なまぐさい事件はなくて
 
でも、ちょっと
面白い不思議な事件ばかり。
 
『平和なサスペンスを楽しみたい』
という方にはオススメ。
 
トーンが柔らかく
とても読みやすいです。
 

 

 

 

『ニッポンの硬貨の謎

 -エラリー・クイーン最後の事件』

北村 薫 著

 

冒頭の
『月の砂漠をさばさばと』と
同じ著者さん。
 
・・・のはずなんですが・・・
 
作風がまったく違っていて
何度も名前をみてしまった。
 
今でも同一人物とは
ちょっと思えないくらい
違うんだけど。。。
 
本当に違う人なのかもしれない。
 

(?)
 

そもそもエラリー・クイーン
なる人物を知らないので
 
この著作全体に
仕掛けられた遊びの意図が
どうもよく分からないまま
 
信じていたような
理解していなかっただけのような
 
そんな状態のまま
読み進んでしまった。
 
さすがに途中で「なーんだ」
とは気づいたんですが。
 
推理小説、でいいのかな、
面白い作品でした。
 

 

 

 

『日曜日の女たち』

真野 朋子 著

 

不倫中の5人の女たちが
月に一度、日曜日の午後に
 
順番に互いの自宅に集合して
日頃の想いを吐き出す会。

不倫を初めてまだ浅い女、
 
不倫の恋愛しか
ここ数年していない女、
 
相手の妻も承知の不倫が
10年以上も続いている女、、、
 
そんな女たちが
日曜の午後に集まる。
 
経験者同士だからこそ
話せることがある。
 
相手の妻が死に至る
病気になったときいて
 
「もしこのまま死んだら・・・」
 
と願ってしまう
自分の浅ましさに気づく
その苦しみ。
 
そんなものを
分け合う5人の女たち。
 
・・・と書くと
かなりドロドロしたものの
ように聞こえるかもしれませんが
 
あんまりそういう
感じはしなかったです。
 
別に、私がそういう
ドロドロした話に慣れている、
 
というわけでは
決してありません!笑
 

 

 

 

『舞姫』

森 鴎外 著

井上 靖 訳

 

とうとう読めました(笑)。
 
ずいぶん前に
森鴎外の原文ままで
トライしたことがありましたが
 
なんだか数ページで
挫折した記憶です。
 
たった100数十年ほどで
読めなくなっちゃうんだな。。。
 
なんだか不思議な気がします。
 
 
で、そんな私に救世主(笑)。
 
井上靖訳なら安心して読める、
むしろすごく興味深い!
 
というわけで
あっという間に読んでしまいました。
 
読めば意外なほど
短い作品なのですね。
 
それにしても・・・
 
この短いストーリーの中に
これだけのものを
描けてしまうのですね。。。
 
名作と呼ばれるものは
やはり意味があるんですね。
 
読んでよかった。
 
 
主人公の心の葛藤が
それはもう
痛いほど伝わってきて
 
なんとも
もどかしく歯がゆく
そしてどうにもできない
じれったさ、、、
 
自分で自分にうんざりし
人生に絶望を感じつつも
抜け殻として生きることを選ぶ
 
選んだのか
選ばされたのか
選ばざるをえなかったのか
 
そもそも
選択肢はなかったのか・・・
 
さまざま渦巻いたことだろう。
 

小説ですから
舞台設定は華やかですが、
 
それを除けば
この心理的苦悶は
 
現代の誰にでも起こる
身を切る痛みだと
思うのですよね。。。
 
出てくる形は違えど
 
自らを見つめるときに感じる
痛みの性質は
そうは変わらないはず。
 
うーん。
 
主人公の優柔不断さとか
マザコンがどうのとか、
 
そこは議論の本質では
ないと思うのです。
 
読みどころは
 
彼の葛藤がどう生まれて
それにどう向き合い
どうもがいたのか・・・
 
そこにこそ醍醐味が
あるように思いました。
 
 

というわけで、
6月はそれなりに読めましたね。
 
お付き合い
ありがとうございました。
 
7月はどうなるやら?
次回もお楽しみに!?
 

 

 

カミヤカオリ

 

 

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