八十歳の壁を越えて、 浅田次郎著「霞町物語」を読んで | pikoのブログ :読書は楽しい, アートに生きよう!

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「霞町物語」 浅田次郎著 講談社 1998年8月20日発行 読了

 

 

25年位前に直木賞を受賞した浅田次郎の「鉄道員」を読んでから

 

感激して一時浅田次郎の小説にハマった

 

図書館の本棚に浅田次郎の小説を見つけると

 

借りて来て必死になって読んだ

 

 

彼の小説は必ず泣かせる場面がある

 

私は元来涙腺が弱いので感激すると涙が止まらない

 

カフェなどで読んでいると恥ずかしい程泣いている

 

 

「霞町物語」に収められている8編は

 

「小説現代」載った1995年~1998年の短編集である

 

 

  霞町物語

 

  夕暮れ隊道

 

  青い火花

 

  グッバイ・Dr. ハリー

 

  雛の花

 

  遺影

 

  すいばれ

 

  卒業写真

 

 

浅田次郎の幼い頃から大学受験頃までの思い出話である

 

浅田次郎の小説は家族関係、人間関係を温かい、愛情込めた情感を

 

文章の表現のうまさで語るので心を揺さぶる

 

直球で読書の心を捕えるような気がする

 

 

写真館を営んでいた祖父の思い出話である「卒業写真」から引用する

 

   -おじいちゃんに教えられた通り、僕は一生嘘を付かない。身の丈以上の

    見栄は張らない。口がさけても、愚痴はいわないから。

     世界が赤や青や黄色の色で塗られているなんて、信じないから。

    世の中の風景や人物は、みんな光と影のモノクロなんだって、僕は

    ちゃんと知っているから

     動いているということは千分の一秒ずつ止まっていることの連続なんだろ

    だから人間は、一瞬をないがしろにしちゃいけない。千分の一秒の自分を

    くり返しながら生きていくんだ。おじいちゃんに教えられたそんな難しいことも

    ちゃんとわかったから

 

 

浅田次郎の成長期の家族関係や恵まれた環境に育ったことによって

 

彼の感性は気付き上げられたことが分る