さて、いよいよ寝たきりになった大吉くんの介護生活が本格的に幕を開けた。
ステロイド剤をきっかけに、首や左前脚がだいぶ動かせるようになっていた。
それまではベッドの上でただじっとしていたのだが、動かせる部位をフルに使いベッドの上で動き回れるようになっていた。

当初はオムツを履かせていたのだが、いつの間にかズレてしまい、もしくは完全に脱いでしまうことが多くなってしまった。
なのでオムツはほぼ役に立たないので諦めた。
なにより窮屈そうで可哀そうな感じがしていたのだ。

そこでベッドサイズの大きなトイレシーツを敷き、トイレの度に交換することにした。
オシッコをすると鳴くので急いで駆けつけ、別のベッドに抱えて移動させる。
10kg近くあるので中腰はけっこう堪える。(汗)
大型犬はさぞかし大変だろう。

そして濡れた身体の水分をまずはチリ紙で吸い取り、次にボディータオルでキレイに拭いていく。
最後にトイレシーツを新しいものに交換してから、大吉くんを抱えて再び元のベッドに移動させてひと段落。
だが問題が生じてきた。
お腹や皮膚の一部がかぶれてきてしまったのだ。

おそらく完全に乾かぬままトイレシーツに横たわっているので、蒸れてしまったのが原因だと思う。
そこで、最後にドライヤーで念入りに乾かすことにした。
ヤケドしないように注意しながら。
しばらくすると、かぶれることは殆どなくなった。
この一連の作業に20~30分かかる。
それが1日に数回程度。
私が仕事に行っている間は年老いた両親にお願いしていた。

私は思った。
これは一人で世話するのは難しいだろうなと。
なにせ自分では水も飲めないのだから。

ごはんの時はふせの姿勢にして自分で食べさせるとともに、なるべく脚の筋肉を使わせるようにした。
そして寝る前に脚のストレッチ。
そんな毎日を繰り返していた。

たしかに体力的には大変なのだが、嫌だと思ったことは不思議と一度もない。
とにかく、可愛いのだ。
夜中にトイレで何度起こされようとも。
私がいなければ生きていけない無防備な大吉くんが、とても愛おしかった。

私は気づいた。
自由に大吉くんが歩ける時よりも、家族や大吉くんとの絆が深まったことを。
以前にも増して、大吉くんがかけがえのない大切な存在であることを。
そして何よりも、私たち家族に対して極上のプレゼントであることを。


自分でふせの姿勢が出来るようになりました!(≧∇≦)