中学受験とパターン学習


今日も私のブログにお越しいただきありがとうございます。


中学受験の最大の失敗は、早い段階から長時間、勉強以外のことをしない生活になってしまうことで、心、脳、体の発達に影響が出てしまうことだと、お話ししました。

そう書きながら、やはり、もう一つの問題にも触れなければならないと思わずにはいられませんでした。


それは、「パターン学習」です。


大きな書店に行っていただき学習参考書のコーナーに行っていただき、中学受験算数の本を手に取っていただくとわかります。

以前、このブログでも書かせていただきましたが、中学受験の問題で、全く新しい傾向の問題を出題する、開成中学のような学校もあります。

しかし、多くの学校が、相変わらず似たような問題を出題しているのです。

そのため、中学受験塾がどのように教えているか、という本もかなりあり、「どのように解くのか」ということが中心の参考書、問題集になっています。

ということは、小学校4年生くらい、あるいは、もっと小さい頃から、「どのように解いて、答えを導くのか」というパターンをひたすら学ぶことになります。

そのパターン学習があるところまでは必要なのかもしれませんが、そのパターンからどのように考え、なぜそのパターンになるのかを導き出す、というところまでは、いかないのです。


もっと言えば、パターンを覚えなくても、しっかりと考えられる状態になっていれば、自力でそのパターンを導き出していくこともできるのです。


ところが、子ども達は、点数が欲しい、そのために答えが欲しい、となるので、パターンを覚えて終わりにしたいというのが本音だと思います。

最難関中学を目指すような子どもはパターンを覚えて終わりにはならないかもしれませんが、そのような子どもは一握りです。

そうすると、早くから勉強ばかりになり、心も体も脳にも影響があるだけでなく、その内容からも、脳や心に影響があることは明らかです。

パターン学習を続ければ、子どもによっては、パターンがわからないと、考えたくない、考えられない、となる子ども達が出てきます。

実際に、この20年間、毎年毎年、考えようとしない中学受験経験者をかなりの数の見続けてきましたから、子ども達の本来の力を発揮できなくしてしまった大きな責任が、中学受験のために教える塾側にあることは間違いないと思ます。

受験産業として「塾」「学習塾」「進学塾」は、大きくなりましたが、子どもの発達に与えている影響などについては、私が知らないだけなのかもしれません、研究ほとんどされていないと思います。

塾と学校の連携などの研究は見かけたことが有りますが、子どもの心や体の発達について、塾が与える影響を研究したものを、私は知りません。

研究対象になっていないと思われるので、子ども達のためにも、この研究は早急に行われることを期待したいと思います。