勉強するというマインドセットをもつ子ども達はどんな子ども?


勉強すると言って勉強していても、点数が取れない子どもと、勉強したくないと言いながら、点数が十分に取れる子どもがいて、それはマインドセットが違うという話をしてきました。


それは、「勉強する」というマインドセットになっているかどうかの違いだとお伝えしてきました。

どれだけ点数取らないとあかん、だから、勉強するねん、と言っていても、根本的にやりたくない、やらなくて済むならやらない、となっていれば、テストの点数が良くなることはありません。



では、どうしたら、「勉強する」というマインドセットをもつことが
できるのでしょうか。
 

このことは、随分前に、このブログでも書きました。



そこで、これまでの生徒で勉強ができる生徒というのがどういう生徒だったかを振り返り、そこに、少し私の考えも付け加えてお伝えしてみます。

これまで見てきた多くの子ども達の中で、特に難関国公立大学に進学した子どもを中心に思い返してみたら、次のようなことが思い浮かびました。

もちろん、必ずしも全部当てはまる訳ではないですが、当てはまるものがかなりあります。



・負けず嫌い
・元気がいい
・素直
・精神気に穏やか

・丁寧なところと雑なところがある
・自分の考えを説明できる
・理由がはっきりしてる
・夢がある(目標がある)
・とりあえず「やる」と決めている
・ご家族が勉強しなさいとあまり言わない
・家族または兄弟姉妹と仲がいい
・基本をしっかりと身につけている
・先へ先へと急がない
・一定時間、集中していられる
・落ち着いていることが多い
・知的好奇心が旺盛
・オタク的なところもある

などなど

こんな感じの子ども達でした。

この中で、特に顕著なのは、

「自分の考えを説明できる」
「ご家族が勉強しなさいとあまり言わない」
「基本をしっかりと身につけている」


この3つはかなり共通しているように思います。
 

一つずつ説明をしてみたいと思います。


まず、「自分の考えを説明できる」です。

自分が一体、何を考えているのかを、他人に説明ができるのです。
 

これには、自分の考えを整理し、まとめ、わかりやすく他人に説明できる力が必要です。
 

ここまでの間に、いつもどうしたらいいかを考えるトレーニングをしてきていないと身にはつきません。

与えられることをやっていたのでは、できるようにならないのは当然です。

与えられていては説明する必要がないからです。


それと、常に周りの大人、家族が先回りして与えることをあまりしていないこともあると思います。

中学受験の大手進学塾のように、全部を用意して、全てを与え、それだけをやっていれば合格できる、という勉強方法が染み付いていると、自分で考えをまとめることは、しなくていいのです。


次に、

「ご家族が勉強しなさいとあまり言わない」

これも実は同じなのです。


勉強、勉強と言うと、結局、言われないとできない状態になります。

ある時点からは、どうせ勉強って言うやろと子どもは思ってしまいます。

そうすると、ご家族も余計に放っておけなくなって、テストが近くなったりすると、「テストの勉強しなさい、提出物は出来たの?」と言うことになり、結局、自分では考えないのです。

優先順位をつけることもできず、もちろん計画を立てたり、目標点を決めたりということができなくなります。

一度、そうなると、依存が始まり、自分からは動かない、というより、もう、動けないようになっていきます。

これは、まるで大人のアルコール依存とある意味で同じです。

言われないと動けない。

言われてもすぐ動かないから、ご家族も言わなくなる。

それで結果が悪いと叱られると、突然キレる。

これは当たり前の反応です。

ずっと言われることに慣れているのですから、当然です。


言ってもらえると思っていたら、放っておかれた。

しかも、結果に文句を言われた。

それなら、なんで言わないねん!ってキレるに決まっているのです。

こうなると、もう、たいへんです。



もう一つが、

「基本をしっかりと身につけている」

これは、どういうことかと言うと、結果を急がない、結果を求めすぎないということなんです。

どうしても子ども達は、勉強の成果、結果としての点数が欲しいのです。

ですから、ついテクニックに走ってしまいます。

どうしたらもっと労力をかけずにできるようになるか、ということばかりに意識がいくのです。

そうすると、基本的なことを身につけることを嫌がるようになるのです。


テストで言えば、国語のテストの漢字を間違う、数学の計算ができていない、英語の単語を覚えていない、というのもミスも含めて、基本を大事にしていない証拠です。

社会が苦手だという子どもが多いのも同じことだと思います。

単純に覚えるということが、面倒だし、意味のあることに思えない。

できる子ども達はそういうことが、まずありません。

あったとしても、面倒だとは思いながらも、その中にも興味を持てるところがあり、そのことをきっかけに、覚えていくことをしています。

それも意図的にやっているのではありません。

自然とそうしているだけです。


ここまでは、これまでもお伝えしてきました。

 

私が最近思っていることが、あと2つあります。


どちらかというと、先の3つ以上に、難関国公立大学に進学したり、私が本当に頭が良いと思う子ども達の共通点のように感じている2つです。


それは、

「知的好奇心が旺盛」

「精神的に穏やか」


この2点です。

「知的好奇心が旺盛」な子どもは、どんなことにでも興味を持ち、それを自然と深堀します。

ですから、自分が最初、全く興味のないことでも、本を読んだり、少し話した時に、「このことは、どうなんだろう?これはどうしてなのだろう?」と関心を持ち、考えてみるようになります。

そこから、関心が広がっていきます。

ですので、本当にいろいろなことを知っていて、それが、勉強にも役に立っているのです。

ご家族に話を聞いたところでは、、小さいころから、勉強なんかよりも、興味を持ったことをご家族が一緒になって考えたり、興味を持ったことにヒントを与えるだけにして、もっと自由に考えられるようにされたりしていたようです。

要するに、のびのびと育てられていることが、大きく影響していると思います。


もう一つの

「精神的に穏やか」

元気で明るいかなりガサツな感じの男の子でも、精神的には穏やかでした。

実は、このことは、私が接してきた本当に頭が良いと感じる子ども達、特に、難関国公立大学に進学して行った子ども達のほとんどに共通していることで、精神的に穏やかな子ども達ばかりでした。


みんなどこかで大人で、私の方がかえって子どもっぽかったりするくらいです。

精神的に穏やかで落ち着いていないと、勉強なんてできません。

ですので、勉強しなさいとあまり言われないことも、大きな影響があると思っています。

面白いことに、私が関わった子ども達で、東大・京大・阪大・神大・九大・東工大・北大など、難関国立大学に進学して行ったたくさんの子ども達で、小学校4年生までに塾に通ったことがある子どもは、少なくともこの25年間で一人もいません。

公文式に行っていたことがある子どもがいるだけで、小さいころから塾なんて行くからダメだと言われているように感じるくらい、誰一人、小4までに塾なんか通ってもいませんでした。


小さいころからのびのびと育ち、勉強しなさいとあまり言われていないことが、いろいろなことに自分から興味を持ち、自然と勉強するよになっていくのです。


こういう子ども達こそが「勉強するというマインドセットを持つ」ようになるのです。

では、どうしたら、勉強するというマインドセットを持つようにできるか、ということは、後日、お話させていただきます。