学校とフリースクールの連携
学校の先生が批判を浴びることが多いことは、最近、良くあることなので、お読みいただいている方もお分かりだと思います。
また、一方で、学校現場におけるたいへんさも、先生の働き方改革や過酷な労働環境も、話題になり、そのために、先生になりたい若者が減っていることも、このブログでも何度か取り上げてきました。
学校という特殊な場所ならではのことが、たくさんあるのです。
ところで、お読みいただいている方で、転勤のために引っ越しを何度かされたことがお有りの方は、良くお分かりだと思いますが、同じ中学校1年生だとしても、市町村によって、全く対応が異なることが現実としてあります。
その中でも、特に、不登校や発達障害があり、配慮や支援が必要な子ども達の対応は、市町村教育委員会によって、はっきりと異なります。
なぜ、これほどまでに対応が異なるのかと、驚くことばかりです。
実際に会った例をあげてみます。
2人の子どもがいました。
年齢が同じ中学2年生。
中1の2学期から学校に行っていません。
一人は中1の1月から、もう一人は中1の2月から、私が所属しているフリースクールのパーソナルアカデミーに通っていました。
そこで、中2の春からの出席認定をお願いしたくて、ご家族を通して、学校の先生方に連絡をとり、学校と教育委員会から先生方が見学と確認に来られました。
どちらも同じ県で隣同士の市だったので、それぞれの市の教育委員会の先生、校長先生、学年主任、担任という構成で4人でおこしいただきまいした。
この二人の子どもは、どちらも、高校は公立高校を受験してみたいとの思いがあり、中2の春から、遊びと英語・数学・理科を学習していて、スタッフが教えていました。
教える教材も、内容も、それぞれの在籍中学校で使っている中1と中2の教科書とか副教材です。
二人は休憩時間には話したり、一緒にトランプをしたり楽しく過ごしていました。
それぞれの学習の進捗度合いは、同じ程度で、中学校の教員免許をもっているスタッフを中心に、教科の学習はしっかりとしていました。
いらっしゃった先生方とも、スタッフからそれぞれの子どもの様子や学習の問題点など、様々なことについて、お話させていただき、質問にもお答えしました。
その上で、結果は、同じ県の隣どうしの市でありながら、片方の中学校は積極的に出席認定もしていただき、学校の先生も細かくご連絡をくださることになりましたが、もう片方の中学校は、出席認定はしていただけないことになりました。
さすがにこれには少し驚きました。
学習していることも、担当者も同じで、通っている日数・時間もほとんど同じなのに、これだけの違いがあるのです。
しかも、出席認定していただけなかった学校の先生方は、ものすごく親身になって子どものことも考え、出席認定に向けて動いてくださったのですが、結果的にダメでした。
どうやら、教育委員会でひっかかったようなのです。
これだけ民間を活用するように、文部科学省が伝達していても、出席認定していただけなかった中学校のある市の教育委員会は、民間活用について、かなり厳しいことでは知られていました。
隣の市ですら、これだけの違いがあるのですから、違う地域に行けば、全く異なることは、容易に想像できます。
これでは、子ども達が住んでいる市町村によって、かなりの不利益を被る可能性が否定できません。
この出席認定できなかった学校の先生方には、フリースクール側から少しご相談をもちかけ、あることを条件に、出席認定をしていただけるようにもっていったのです。
それには、現場の先生方は、とても協力的で先生方からもアイディアが出てきて、そのことで、子どもが学校の先生方とも話すことができるようになり、それをきっかけに出席認定をしていただけるようになりました。
この中学校の先生方は、市の教育委員会から、あまりバックアップがなく、不登校や発達障害の子ども達に対して、対応ができず、先生方も、ものすごく悩まれていたのです。
そこで、先生方が子どものことで、フリースクールにご相談いただけるようにもなったのです。
結果的に、学校とフリースクールが連携して、子ども達のためにどうしたらいいかを考えて、懸命に努力をすることができたのです。
そのことを、もう一人の出席認定してくださった中学校の先生方にお伝えしたところ、その中学校でも、フリースクールと、もっと連携し、子ども達の対応をしたいとおっしゃってくださったのです。
こうして、学校も民間も関係なく、同じ子どもに関わる大人として、いっしょになって子ども達に接していき、情報をできる範囲で共有して、子ども達が元気に活動できるようにしていこうという動きになりました。
先生方ができること、フリースクールができること、それぞれの良さと持ち味を生かして、ご家族とも一緒に、みんなで連携して子ども達を育てていけることは、これだけ不登校や発達障害の子どもが増えている現在の状況を考えても、とても良いことではないかと、小中学校の先生方ともお話しています。