自分で数値目標を考える


子ども達に、具体的な数値目標を立てて、今、何をする必要があるのかを考える力をつけて欲しくて、大学受験から逆算することを、以前、高校受験をする中学3年生の子ども達に、話したことがあります。

その中学3年生の子ども達に、国公立大学の受験をするとして、そのことから今、自分達が何をしないといけないかを見つけることを話したのです。


最初に、国公立大学の受験の仕組みを話した後、では、共通テストで、何点取れるかが最初の重要な問題だと言うことを話しました。


国公立大学では、共通テストで合格に必要な点数を取らないといけませんし、そのための努力をしなければなりません。

そこで、共通テストの点数はどのくらい取れるかということが、まず、知りたいところになります。

まだ、高校の内容を何も勉強していないのですから、今の時点では0点だと仮に考えることにしました。

では、1年後の高校1年生の1月に共通テストを受けた場合、どのくらいの点数があればよいかを教えて欲しいと、ある子どもに質問されました。


そこで、大阪大学工学部の合格を考えることにして、高3の1月に本番として合格するために必要な点数を、実際の過去のセンター試験の時の点数を使って説明をしました。

それで、まじめに勉強をしたとして、高2の1月の時点から、どのくらい伸びるかを具体的に数値目標として示しました。

その高2の数値目標を達成するためには、高1の1月にどのくらいの点数を取らないといけないかを、これも具体的な数値目標として示しました。


これは、私が予備校や高校で教えていたこともあり、その時の経験に、現役の予備校の先生にも直接、教えていただいた方法とあわせて、具体的な目標数値を示したのです。


こうすることで、はっきりと中学3年生に、高校の合格の後、どのくらいのことをしないといけないのかを示したのです。


そこで、同じようにして、ある子どもが合格したい高校の過去のセンター試験のときの高3生の平均点を、仮に設定をして、この高校の中で、自分が大阪大学工学部に現役合格するためには、どのくらいの位置にいればいいのか、上位何位くらいにいれば、良いのかを考えてもらいました。


その位置にいるためには、できれば高校の入試において、どのくらいの点数をとればいいのか、おおよその受験生の点数分布と合格最低点から、考えてもらいました。


これを中2、中1と学年をさげていくと、公立小6年生ならば、どのくらいのことを学んでおかないといけないか、どのくらいの成績があれば良いかを具体的に示すことができます。

どれもおおよその目安でしかないことは当然なのですが、こうして逆算することで、具体的な数値目標を自分で考え、今、何をしないといけないのか、と言うことがわかるということを、子ども達に教えたかったのです。



合格することを目標にしてしまっては、燃え尽きてしまったり、目標がなくなってやる気を失ったりしてしまうことがあります。

あくま合格することは、どの段階であってもあくまで通過点でしかありません。


その通過点に対して、子ども自身が、ある程度の具体的な数値目標を立て、そのために、今、何をしないといけないかということを考えられるようになれば、社会でも、自分なりに目標を立て、努力をすることができます。

その力を、受験というものを使って、考え方だけでも知ってもらえたらと思い、見通しの立て方の一例として、お話したのです。


その話をしても、今一つピンときていない子どももいました。

それは、まだ、大学受験が遠い先のことという印象もあるため、仕方がないことだと思います。

それでも、何人かの子どもは自分で数値目標を作って、そのために、今、どのくらいの点数をとらないといけないかを考えていました。


この、考えることがとても重要なのです。

これまで、考え続けることで、自分の勉強法や時間の使い方などを意識していけるようになり、大きく成長することを、何人もの子ども達に見せてもらいました。

先輩達が、そうしてものすごく成長していったんだよと伝えると、子ども達はすごく真剣なまなざしで考えてくれたことが、とても印象的でした。