見通したくない



新年になり、ずっと「親の覚悟」ということについて、書かせていただいています。

これは、中学受験をする、あるいは中学受験した子どもであろうと、不登校になっている子どもであろうと、発達障害のある子どもであろうと、子どもを持つご家族には、覚悟がいるのです。


「親」になるのは、乳児期が終わってからとおっしゃる先生がいらっしゃいます。

乳児期は、「親」ではなく、「保護者」だというのです。

保護しなければならないからというのが理由だそうです。

そうなのかもしれません。

幼児期になれば、「親」になるのです。


親になれば、見通さなければいけません。

どうなって欲しいのかということについて、リスクについても、見通しを立てなければならないのです。


しかし、私のところに来る子ども達は、見通しを立てられないのです。

長年、子ども達と関わっていて、こういう子ども達のご家族も、見通しを立てられないのです。


というよりも、立てたくないのだと思います。

見通しを立てると、そういかなかったときに、すごく嫌な思いをすることになります。

それが嫌なのだと思います。


中学生の男の子的に言えば、すごくダサいのです。


今、関わっている中学3年生の男の子2名は、中学受験時には、関西の男子最難関中学校を2点差、3点差で不合格になった子ども達です。

この子ども達は、私立高校の受験をあと1か月に控えた今の時点でも、大した勉強もせず、何とかなると思っているのです。

受験する私立高校は、中学受験時からは考えられない学校です。

私は表現が嫌いなのですが、中学受験時からは、考えられないくらいランクが下の学校を受験します。

というよりも、公立高校を第一希望としているのですが、その公立高校もランクからすると第3グループくらいなのです。

その公立高校の併願校として、私立高校を受験するのですが、その私立高校もいくつかコースがあり、一番難しいコースで受験すれば、成績が満たしたコースで合格にしてもらえる学校なのです。

俗にいう回し合格というものです。


これで、この子ども達二人は、一番上のコースに合格できると思っているのです。

現実は、2番目か3番目のコースで合格できれば良い方で、間違ったらがないとは言えないくらいの状況です。

穏やかに話しても、厳しく言っても、どう言っても、家で夜中はゲームとYoutube、学校があるときは、授業中は寝ている、授業も聞かない、という状態です。


性格的には、穏やかだし、そんなに悪い子ども達ではないと、話していて思うのですが、ことが勉強のことになると、やろうとはしないのです。

私の所属する塾の塾長先生がご家族と面談をしていても、子どものことを心配している感じがしないとおっしゃっているのです。

今、やらないといけないと言うことを伝えても、あまり反応がないのです。


塾長先生とお話ししていても、明らかに子ども達二人も、そのご家族も、見通したくない、もうどうなるか考えたくない、という感じをありありと受けるのです。

授業の士気にも関わるのですが、この子ども達は、とにかく、やらない方向にひっぱろうとします。

私は、黙って基本問題の確認をしてもらっているのですが、受験する併願私立高校でも、第一志望の公立高校でも、これはいくらなんでもできないと合格できないかもしれないという基本問題ができていないので、それを丁寧に考えてもらうようにしているのですが、中学受験で最難関中学にあと一息だったとは、到底、思えないくらいの状況です。

この子ども達が中学受験当時によく勉強ができたことは、同じ塾にいたこと他の子ども達が良く話してくれるので、間違いないのです。


こうなってしまっては、どうすることもできません。

せめて、見通しを立てることはして、今、どうすることが必要なのか、自分と向き合って欲しいと思っています。

そのために、あきらめずに、ギリギリまで関わり続けようと思います。