先月、メンタルヘルスや義務化されるストレスチェックをテーマに精神科医の先生のお話を伺う機会があったので、ストレスチェック制度についてまとめてみました。
厚労省は、長時間労働対策への取り組みの1つとして、ストレスチェック制度の導入を義務づける法律を平成26年6月19日に成立させました。
施行は、平成27年12月を予定しています。
ストレスチェックとは労働者にアンケートによる検査を行い、その結果でどの程度の心理的負荷があるかを把握するものです。
この制度は労働者数50名以上の事業場が対象とされ、50名未満の事業場は当分の間、努力義務とされています。
ストレスチェックは会社が実施しますが、実際のチェックは医師又は保健師に依頼します。ストレスチェックの結果は、医師又は保健師から労働者に直接通知されます。労働者の同意を得ずに検査結果を事業主に提供することはできません。検査結果を通知された労働者が事業主に医師の面接指導を申し出たときは、事業主は医師による面接指導を実施しなければなりません。これを理由に労働者に不利益な取り扱いをすることはできません。
アンケートですから、従業員の作為的なものが多かれ少なかれ働くわけであって、アンケート結果にどこまで正確なものが反映されるのか疑問視するような声も上がっています。
典型的なうつ病の方は、精神疾患をひた隠しにしたがり、新型うつ病の方は、これ見よがしに職場のストレスを理由に体調不良を主張したがる傾向にあるかもしれません。
このチェックによって、「メンタルヘルス不調者の早期発見」を期待したいところですが、それは主たる目的ではないとされています。アンケートに作為的なものが働く以上土台無理でしょう。
ただ、アンケートの過程で従業員はそのアンケートにどのように回答しようとも自分自身の気持ちの揺れを確認することにより、ストレスの度合いを認識することができます。このストレスチェックの主たる目的は「一時予防としての本人のストレスへの気づき」なのです。
他人は欺けても自分自身は騙せないということでしょうか?
導入の際にはその趣旨を十分理解した上で行ってください。