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例えば、軍票も安く手にはいるものもあるようです。残存数も多くて現在の価値は全くありませんが歴史の証人としていろいろと考えてしまいます。
今日は国連の平和の日(国際平和デー)です。
戦争ってどうやって維持していくものなのでしょうか。特に総力戦。例えば開戦時以降100億円ものGDPがあっても、毎年全部戦費に費やしたら国民は食べていけません。実は、その仕組みのやりくりに、かつては軍票利用にありました。
例えば昭和19年のGDPは745億円でした。同年度の戦費は735億円なので、暦年と会計年度の違いはあっても国民は10億円で生活していた?実にGDPの1%やりくりしていた?
この手品のようなからくりは「現地通貨借入金」会計でした。つまり、外地(現地)での支払いは一般に軍票が使われ、さらに現地での親日政権の通貨も併用され戦費にあてられたのです。もちろん当然、現地ではインフレとなります。
但し、これらは支払いの先送りであって、要するに借金です。そう、ツケはいつかは返さねばなりません。
軍票には記号があってそれぞれ使用された地域(方面戦線)がわかります。
「は」はオランダ領 単位はグルデン
「に」はマレー半島 単位ドル
「ほ」はフィリピン 単位ペソ
「へ」はビルマ 単位ルピー
「と」はオセアニア 単位シリング
マレー方面 に号10ドル
同裏
昭和17年 77mm×160mm
バナナの木があることからバナナマネーとも呼ばれました
同 に号5ドル
同裏
昭和17年 72mm×150mm
フィリピン方面 改造ほ号10ペソ
同裏
昭和17年 68mm×168mm
ビルマ方面 へ100ルピー
同裏
昭和17年 82mm×170mm
同 へ号5ルピー
同裏
昭和17年 72mm×150mm
いずれも通販とおおさか大収集まつりで手に入れたもので、使用感があって(美品レベル)百円からありました。残念ながら蘭印方面の「は号」とオセアニア方面「と号」はありませんでした。
戦況が日本に有利な時は、これら(軍票と他に現地の親日政権通貨)での支払いが可能であっても敗色濃厚となるとそうもいかずで、キーカレンシーのドルやポンドで決済していくしかないのですがあいにく日本に持合わせがありませんでした。
最後に頼りになったのは「金」。さすがにいつの時代も「金」は裏切らないようです。
昭和19年には22トンもの金を国外現送したようです。金が極端に不足していた同盟国ドイツにも潜水艦で送られました。
ポツダム宣言受諾後、金の時価売却でこれまでの対外債務の清算がなされることが決まり、17トンの金の売却を行うことで債務が返済されました。これがうまくいったのは終戦時の国際金価格が高騰していたことが幸いしたようです(要するに高価格で売り抜けれた)。
敗戦とはどういうことか。例えば古くはポエニ戦争後の徹底破壊されたカルタゴ。日本では大阪夏の陣大阪城落城後の狼藉と略奪、戊辰戦争しかり。当時の財務首脳陣は思ったはず。どうせ金準備も占領後没収されるならその前にこの金で借金を清算しておこうと。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
なお、上記を書くにあたり参照とした書物をお読みいただければ軍票類(横浜正金銀行などの特殊銀行と現地の親日政権中央銀行の関係も)についてより理解いただけると思います。私の読解力の無さによる解釈間違いがあると思われますのでそこはお許しください。
参考文献
「太平洋戦争と銀行 なぜ日本は「無謀な戦争」ができたのか」小野圭司(防衛省防衛研究所主任研究官)講談社現代新書
(銀行員たちは勝利を信じて軍を支え、敵に追われながら軍の金庫番も勤め上げた。(中略)彼らは敗北が明らかになっても、「信用維持」という銀行業に携わる者としての稔侍を手放さなった。)本書まえがきより
次に、先日観てきた映画の少しネタバレ含みの感想を少しします。
(映画のパンフレットより)
古代の戦争ものなのかと思って、あるいはH社の有名な車の名称でもあった記憶もあって単に興味だけで偶然に観たものです。
しかし、実はものすごい大作で内容が濃かったです。
「オデュッセイア(原題: THE ODYSSEY /2026年/米/英語/172分)」は、トロイヤ戦争で「トロイの木馬」作戦を考案実行した知将が1週間ほどで故郷に帰れる航海に10年もかかってしまったという波瀾万丈の冒険ものの映画でした。
トロイア戦争(史蹟にてらすとおよそ紀元前1275年から1240年ごろのミケーネ人とヒッタイト※)を終えたイタケの王オデュッセウスは妻ペネロペと子が待つ故郷に船で戻ろうとするも、神々の怒りに触れることをしてしまったために巨人、怪物、魔女などに帰路を襲われて部下を次々に失いながらもようやくたった一人で国に帰還。しかし王が長期に渡り不在だったのでペネロペの配偶者の座を狙う求婚者たちと闘うことになったというストーリーでした。
回想シーンがあるのでトロイヤ戦争のことは予備知識不要なのですが、私にとって以前に観たブラッド・ピット主演の映画「トロイ TROY / 2004年」が前章にあたり、今作がその後半の物語に該当するのものかとも感じました。
「木馬」に騙されて徹底的に破壊された城塞都市トロイも惨劇でしたが、勝った側のギリシャ側にも悲劇があって主力戦士アキレス(この映画では登場しません)は戦死、総大将アガメムノンは帰国後妻に暗殺されてしまった。ノーラン監督の解釈では、オデュッセウスも卑怯な「木馬」作戦でトロイの一般市民を無差別に殺戮したことがトラウマとなってしまった(これが放浪の原因かも)。ただ、スパルタ王メネラオスだけは、妻ヘレネを連れ戻し無事に暮らしたということになってます。
この映画一本で、ホメロスの叙事詩「イーリアス」と「オデュッセイア」の両方の一端を知ることができた、お得な映画だったとも思いました。前者は「トロイヤ戦争」で後者は「王の帰還」の物語だったという訳ですが、それにしても登場人物が多くて人間関係も入り組んでいて一回の鑑賞で全部を理解できるとは思えません。原作は読んでませんがもっと複雑なんでしょうね。
終盤のオデュッセウスが王妃ペネロペの求婚者たちとの闘う「弓の試練」の場面、TSGの映画冒頭シーンを思いだしました。オギュギア島のニンフ女神カリュプソの誘惑もあったりで、「オデュッセウス(オデッセイ)」は単に「長い放浪の旅」の意味だと思っていましたが(H社の車名もそういう意味が込められていたと聞きました)こうしてみると意味深な言葉なのですね。
やっぱり、史実と伝承と神話を組み合わせたファンタジー映画は面白いですね。
最後にもうひとつ。記憶では1970年代にヒットしたポールモーリア・グランドオーケストラの「エーゲ海の真珠」は原題がペネロペ Penelope でした。邦題の印象では青い海と開放感を漂わせていましたが、本当は帰らぬ夫を待つ貞淑で情熱的かつ強い女を表現した曲なのかなとも思いました。これは勝手な思い込みですが。
※の参考文献
「古代オリエント全史」小林登志子 中公新書p.139
ポールモーリア 「エーゲ海の真珠」PENELOPE
最後までお読みいただきありがとうございました。


























