本日の内容は

ウォール・ストリート・ジャーナルの記事を

参考にしております。


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ジェフ・ベゾスにイーロン・マスク、

少し前なら

ビル・ゲイツにジョージ・ソロスなど

アメリカの成功者たち、

アメリカンドリームの体現者たちは

とにかく大富豪。

権力も加われば怖いものなし、

彼の国の大統領をみれば

よく分かる。


やはりアメリカ人にとって

そういう生き方は理想なんだろうな。


なんて考えるのは、

こちらのアタマが固く、

年齢もそちら側の人たちと

近いからなのかもしれない。


最近ある調査が行われた。


大手会計事務所による

18歳から34歳までの

若い世代への「成功の指標とは」

何を基準にするのか、を

問うたものである。


第1位は

身体的、精神的な健康。


以下、

配偶者との関係性、

家族との関係性、

自分自身の成長、

と続き、「富」が出てくるのは

第5位である。


調査対象がある程度恵まれた層で

ある可能性もあるが、

それを考慮したとしても、

彼らはがむしゃらに働いて

社会を動かすトップ層を目指していた

上の世代と明らかに一線を

画していると言える。


彼らはデジタルネイティブ世代、

様々な情報を手軽に得られることが

当たり前の時代に育っている。


親世代たちが健康や楽しみを

引き換えにして手に入れた

仕事の報酬やマイホーム、

なのに年取った彼らの今は

歩けない、ものがわからなくなる、

人とのつながりを持っていない、

これまでの人生は何だったのか、

と苦悶する姿を冷静に

見つめている。


人生の楽しみを先送りにしたって

謎の感染症が蔓延したり

隣の国が突然攻め入ってくる

そんな事実をすでに目の当たりにしている、


それがわかっているのが

現代の若者たち。


彼らは言う。


「健康はそれ自体が成功だ」


身体的、精神的に、さらに環境も

健康であることを

彼らは「ホリスティックな生活」と呼ぶ。


ホリスティックとは、

「全体性」を表す。

もともとはギリシャ語の

「holos」ホロス。

この言葉からwhole health holy

などの言葉が生まれている。


全体、関連、繋がり、バランス。


そういったすべてを総括したもの。

どちらかというと東洋的な感覚で

あると言えるだろう。


華やかな肩書、多くの収入、

高品質な持ち物の数々、

一等地にあるマンション、

そういったものは成功の証とは

みなさない、

そんな若者が増えているのだ。


彼らが大切にするのは

自分の気持ちを大切にして

自分のやりたいことをやっているか、

大切な人と過ごす時間を

満足するほど取れているだろうか。

そういったこと。


もちろん、お金は大切だし

必要だ。

だが、裕福であることが

一番大切なことではない。


IT業界でのトップを目指して

週80時間働いていた彼は、

今はオンライン販売サイトを

立ち上げて、

スポーツをしたり婚約者と過ごすことが

何より大事な時間だという。


ニューヨークの広告代理店で

多額の報酬を得ていた夫婦は

疲れ果てて地元テキサスに戻り、

小さな事務所を開き、

幼い我が子との時間をそれは

大切にしている。


同じくニューヨークで

カウンセラーとして働き、

マンハッタンにマンションを

購入したが、

今では人口400人の地元の町で

暮らしている。


上記の彼らは20代後半から30代以上であり、

それより下の世代は、

疲れ果てるまで働くことすら

しないだろう。


「成功の定義は地味になっている」


確かに、マンハッタンのオフィスに

自分用の大きな部屋を持っていたり、

五つ星ホテルの常連だったり、

移動はファーストクラスが

当たり前。


どちらかといえば、これが絵になる。


そんな姿ではなく、

地方の小さな町で

家族とささやかに暮らし、

年老いても元気に歩いて

笑顔を絶やさない。


確かに幸せそうだけれど、

映像的には地味かもね。


日本でも若者たちが

お酒も飲まず、暴飲暴食をせず、

徹夜で働くこともしなくなって

いるのは、同じ事かもしれない。


もちろん、全員がそうではないだろう。

富が成功、も5番目に入って

いるのだから。


ホリスティックな生活が

最高に幸せで成功の証、

そう考える若い世代が増えるのは

明るい気持ちになれる。


心も、身体も元気で環境も大切。

自分自身の気持ちを尊重して、

家族や友人との繋がりを

何よりの支えとする。


そんな世代が世の中の中心に

なったら、

やってくるのは平和と調和しか

ないだろう。


戦いは全くホリスティックではない、

彼らにはお見通しなのだから。