
江の島、と聞いて。
知ってるよ!後ろに海が見える
踏切のところ、有名だよね。
とか。
大仏見に行こうと思ってるんだよね!
などがでてきた方々、
それは江ノ島電鉄沿線の
スポットであって、
「江の島」ではありません。
しかもどっちも鎌倉市だし。
江の島と言う名前や江ノ電は
聞いたことがあっても
「江の島」そのものには
意外と足を運ばないかもしれません。
「江の島」は、神奈川県藤沢市にある
周囲4㌔㍍、標高60㍍、
37㌶(東京ドーム8個分)
人口360人の「島」です。
もっとも、干潮時には砂州が出現して
陸続きになります。
552年4月の大地震で忽然と
海から姿を現したとされています。
歴史も古く、聖徳太子の祖父
欽明天皇の命で神をお祀りしたのが
最初のよう。
江島神社は日本三大弁財天のひとつ。
辺津宮(へつのみや)、中津宮、奥津宮と
もともとはそれぞれ三姉妹の女神だった
ところ、
仏教と神道の習合により、
弁財天様とされたのです。
役小角(えんのおづぬ)に弘法大師、
慈覚大師など有名人の数々が
江の島を訪れています。
奈良時代に中津宮がつくられ、
鎌倉時代、源実朝が戦勝を
祈って大鳥居が献上され、
家康以来、徳川家の祈願所とも
されました。
江の島は箱根の手前でもあり、
女神ということで女性の参拝も
許されていて、
江戸時代は江の島詣でで大にぎわい。
江の島商店街、
江の島弁財天仲見世通りの入り口にある
「青銅の鳥居」はそのころの
文化文政の頃に建てられたもの。
(蔦重時代ですね。)
それでは、江の島に行ってみましょう。
電車では3つのアプローチが可能です。
まず、なんといっても江ノ電。
鎌倉藤沢間を結び、
住宅の隙間や海沿いを楽しく通る、
かわいい電車で、江ノ電グッズも
人気です。
次に、便がいいのは小田急江ノ島線。
各地から直接江の島に来ることが
できます。
最後に伏兵湘南モノレール。
いまや日本にふたつだけとなった
ぶら下がり式のモノレールで、
大船駅と結んでいます。
湘南モノレールは別名
「湘南ジェットコースター」、
最高時速75㌔でアップダウン、トンネル
カーブ、急勾配をぶるんぶるん揺れながら
走り抜けていきます。
公共交通機関とはいえ、
乗り物酔いする方はマジでご用心です。
江の島駅、片瀬江ノ島駅についたら
楽しい商店街を抜けて、
海を渡る橋を歩いて江の島に
向かいましょう。
この橋は江の島弁天橋。
明治時代半ばにかけられましたが、
それまでは干潮時以外は
船か人足に背負ってもらわなくては
江の島に渡れず、
江の島詣でもそんなに
簡単ではなかったということです。
江の島を正面に見て、
左手側の浜は若者でにぎわう
いわゆる湘南のイメージ。
右手側はファミリー層や地元の方々が
多い、落ち着いたハイソな雰囲気です。
右手側を散歩すると、
あのドラマやこの映画に出ていたお店なども
見かけたりして。
気持ちよく橋を渡ると
目の前にレトロな商店街があります。
手前には江の島名物
しらす丼を提供してくれる店が
並んでいます。
商店街を歩くのも楽しいのですが、
江の島は、いわば海から出ている
山のてっぺん。
ずっと歩いて数百段登るのは
キツイかな、と思ったら
日本発の屋外エレベーター、
「江の島エスカー(有料)」で
上まで行きましょう。
エスカレーターで山登りって
新鮮です。
のぼりつくと、気持ちのよい庭園と
オシャレな展望塔がお出迎え。

庭園は、明治時代に来日した
サムエル・コッキング氏が
造成した和洋折衷の庭園跡を
整備したところ。
イベントも数々行われています。
展望灯台は
江の島シーキャンドルと命名されて
います。
ガラス張りの綺麗な塔で
ライトアップも人気です。

そして江の島てっぺんからの
夕陽はため息が出るようで、
それを見たいが故に訪れる人も
あとを絶ちません。
恋人の丘、龍恋の鐘も置かれて
いますよ。
では、降りましょう。
階段は下りの方が危ないとも言います、
お気をつけて。
エスカーですか?
実は、上りしかないんです!
はしごを下ろされたような気分ですが、
商店街に、ひとが来なくなることを
恐れて下りは設置されなかったのです。
高齢者や幼児をお連れの方は
そのあたりも、お忘れなく。
また、上りもエスカーは夕方まで
なので、
夜景をみるときは歩いて上りだよ。
降りたら江島神社にお参りを
お忘れなく。
幸運、財宝を招いて
芸道も上達しますよ。
そして、もう一つ忘れては
ならないのが、
江の島岩屋。
島の奥にある海蝕洞窟で、
神秘的な様子です。
富士山の氷穴に通じていると
言われたり、
龍神伝説の地とも言われているのです。

江戸時代から続くにぎわいの店店、
奈良時代から信仰を集める弁天様、
遠く海を見渡す頂上、
地球の鼓動を感じる洞窟、
多くの顔を見せてくれる江の島。
よく歩きました。
しらす丼とたこせんで
エネルギーチャージして、
ゆっくり浜辺の散歩と
いきましょうか。