山口、といえば長州藩。
吉田松陰!高杉晋作!伊藤博文!
日本を変えた人たちねー。
そんな彼らの出身地は
海、それも荒く速い海流の
強さを感じさせる海と共にあります。
外に向かう海、外に繋がる海、
そこを越える力を試される海…。

ただ、そこだけではありません。
内陸にある山口は「西の京」と
称される雅で来るものを包み込む
懐の深さを持った、歴史ある街。

数百年にわたり、山口の地を治めたのは
大内氏。
その始まりは、日本に仏教をもたらした
百済王の血筋であり、
周防の国は聖徳太子から賜ったのこと。

室町時代に京を模した街作りを
始め、以後200年に渡って繁栄します。

京と似た盆地の山口に政庁を置き、
間を流れる一の坂川を鴨川に
見立てるのです。

応仁の乱の際には、京から
多くの都人が山口に逃れ、
雅な文化が花開きます。

水墨画で有名な雪舟は
大内氏の船で明国に渡り、帰国後も
山口を拠点に活躍しています。

日本三大名塔に数えられる
瑠璃光寺の五重の塔は25代当主を
祀るためのもの。




しかし、家臣の反乱で31代当主義隆は
自刃し、反乱を起こした陶氏も
毛利氏に滅ぼされるのです。

大内氏は滅びましたが、
空襲に遭うこともなかった街は
今でも中世の名残がある
数少ない街と言われています。

鴨川に見立てた一の坂川には
京から来た姫君が寂しがらないようにと
当主が京から取り寄せたといわれる
ゲンジボタルの乱舞が見られます。

国宝となった瑠璃光寺の姿は
朝の光も夜の影も美しく
その姿を見に人々が訪れます。

瑠璃光寺と舞う蛍の幻想の初夏の夜。

白狐のご利益と呼ばれる湯田温泉も
1000年以上人々を癒し続けています。

穏やかなだけの山口のようですが、
室町時代には明との貿易で
巨富を為し、
フランシスコ・ザビエルに
日本で最初で最初に布教許可を
出すという豪胆さも併せ持って
います。
また、今や世界的企業となった
ファーストリテイリング、
通称ユニクロの創業者、
柳井氏を生んだ地でもあり、
ユニクロ本社の所在地は
山口市なのです。


そんな山口からさらに内陸に入ると、
どんなテーマパークも及ばず
どんな映画の舞台にできるだろう。と
ついつい思いを巡らせてしまう、
自然の造形、秋吉台と秋芳洞が
待っています。




日本最大級のカルスト台地は
不思議な光景。
連なる丘は緑に覆われ、石灰岩が
羊のようにどこまでも佇んでいて。





その地下には東洋屈指の
大鍾乳洞。
観光コースは1キロほどですが、
まるで異世界。




一体誰が何を思ってこんなものを
作ったのでしょうか。

どこまでも高い天井と
想像もつかない鍾乳石のかたち。






夏は涼しく冬は暖かい、
この場所は怖ろしげな顔をしつつも
多くの命を受け入れてきたのでしょう。

有名なようで
まだまだ知る人ぞ知る秘境、
山口の内陸部もお楽しみください。

(参考:おいでませ山口/秋吉台国定公園HP)