「冬眠」についての研究が
進んでいるそうです。

食べ物もいらず、
体温も下がり、臓器も眠る。
なぜか、筋肉は衰えない。

この技術が進めば年を取ることを
遅らせることができる。
不治の病の治療法が見つかるまで
眠ることにする。
(ブラックジャックにすでに
そういう話があるようです、スゴイ。)

そんなことを考えますが、
実用面としては、
治療できる病院が遠方でも、
冬眠させることによって
病状の悪化を防げる、

また、今後火星に行くという場合にも
(片道2年くらいかかるようなので)
冬眠していけば、食料などの
心配もいらない、など、
期待できる局面は少なくないようです。

冬眠は一例ですが、
このように技術が進歩して
人間の能力を補完、向上させ、
あるいは、新たに獲得することを
「人間拡張」と呼びます。

「人に寄り添い、
人の能力を高めるシステム」と
定義しているところも
あります。

東京大学大学院によると
大きく4つの方向があると
されています。





まずは身体能力の拡張。
パワーアシストスーツ、
義手、義足などがこれにあたります。

次に存在の拡張。
図にもありますが、遠隔医療ロボや
仮想空間のアバター。
肉体がなくても「存在」することが
できるのです。

そして、知覚の拡張。
スマートグラスや補聴器も
この分野のものとなります。

さらに、認知能力の拡張。
AIやVRといったテクノロジーを
使って知能を向上させたり、
記憶障害の助けとなる
記憶チップなども入ります。

高度な治療が遠隔地でも
受けられるようになり、

アシストスーツで身体を
痛めずに様々な仕事ができるように
なったり、

メタバース空間では肉体的ハンディに
関わらず存在でき、
そこでの経済圏も今後
広がると目されているし、
 
VRゴーグルなどの利用で
よりリアルなものが体験でき、
教育的な効果も期待できます。

さて。

思いますよね。
いや、いいことなんだけど…。

なんか、スッキリしない。
こういうことを考える人は
前からいる。

手塚治虫の火の鳥に
事故に遭い、身体の半分以上が
機械となった少年が
機械が人間に、人間が得体のしれない
ものに見える…。
というものがありました。

銀河鉄道999の鉄郎は
永遠の命、機械の身体を
手に入れるのが目的でした。

身体を改造された 
サイボーグ009の面々は、
自分たちは人間なのか機械なのか
苦悩していたはず…。





もし、高機能の義手や義足が
開発されたら。

先天的障害や事故や病気の
人々のものではなくなり、
自らの機能を高めるために
手足を切り落とし、
入れ替える人々が出てくるかもしれない。

記憶障害の方々のための
記憶チップを、
障害のない脳に埋め込んだら、
とてつもない知能を
持てるようになるかもしれない。

アバターに知能のすべてを
移管したり、
精神をコンピューターに
移して存在できるように
なったら。

肉体を持たなくても
人間なのでしょうか?
人工知能と何が違うのでしょうか?

と。

今はまだまだ開発中。
先走って考えすぎて
役立つ技術の実現が
頓挫しないように。

現代の様々な課題が解決に
向かうことを楽しみに
しましょうか。

技術が進んで普及すれば
年齢や体力に左右されることなく
仕事や趣味を楽しんで
行えそうです。

それにしても。

このような技術が
進んでくるということは、

減っていくであろう人類が
生き延びていくための
手段のひとつなのかも
しれません。