日本国内の旅行が安心なのは、 

治安云々もとにかく、

 「何か忘れてもコンビニがあるから

 なんとかなるよね」

 と思えることも大きな要因のひとつ。


 もはや重要なインフラとも 

いえる地位を築き上げた 

コンビニエンスストア、 

 その王位に鎮座するのは 

コンビニの草分けでもあり、

 進化の先端を走り、
店舗数もトップを走る 

「セブン-イレブン」。 


 しかし、そのセブンも
ローソンもファミマも、

 手を広げきれない場所がある。 


 北の大地、日本の面積の
5分の1を占める、 

北海道である。 


 北海道でコンビニといえば、 

「セコマ」、
セイコーマートが

もとの名前だったが、 

現在は愛称だったセコマを 

そのまま社名にしている。 


 北海道全土に1188店を出店し、 

道内の99.8%を網羅し、 

道民の生活を支えているとも
いえる。


 2018年に起きた北海道地震の際にも 

95%の店が営業を続け、 

道民に物資を提供した。 

災害やそれに伴う停電の場合でも 

営業ができるように 

マニュアル化されていたという。 


 とはいえ、大手のコンビニチェーンの 

戦略を持ってしてもかなわない、 

この地方コンビニの何が
強いのだろうか。 


 まず、原料の確保、製造、流通を 

一手に担っているということ。 

 乳製品は北端に近い豊富町のもの、 

魚市場の仲買として仕入れられる、 

野菜や肉も契約農家畜産家から、 

というように
まずは原料を確保、 

 そして自社工場で製造して、 

物流も自社で行う。

 

 セコマの店内に入ると、 

品数多い、
見たことないものばかり、

 お惣菜も安いぞ!

と驚いてしまう。 


実はセコマは、

全国のコンビニのなかでも 

顧客満足度ナンバーワンを
誇っている。


 知られていないが、 

コンビニとしては
セブンよりも古く、 

日本で最初にできた
コンビニなのである。


 1971年、札幌の街角にあった
雑貨店が、

アメリカにある
新形態の小売業、

コンビニとして
営業を始めたのである。

 (セブンイレブンは1974年) 

 

 成功するように、との
願いをこめて 

「セイコーマート」と名付けた。

 セコマの戦略としてあるのは、 

「北海道から出ない」こと。 

 北海道のためにある我々は 

北海道に注力して
できることをやっていく。 


 大手のセブンやローソンとは
違う、

自分たちの道を行く。 

 だから、おでんやドーナツ、  

おしゃれなスイーツが
欲しかったら、 

セブンやローソン、ファミマに
行ってね。 


 北海道の所得は、東京より
低い。 

だから、北海道民のために、

 価格はできるだけ安く。

 実際、セコマの売上が伸びるのは 

年金支給日、生活保護費支給日、 

そして給料日の順だから。 


 すべてを担うことで
低価格、

そして高品質のものを
提供することができる。


 セコマの特徴はセコマにしかない 

 
商品に加え、 

種類の多い惣菜の数々。 


 店によるが、いわゆる
「おかず」が

60種類以上並んでいる。 

 出来合いのお弁当ではない、 

自分で自分の食べたいものを  

選んで買える。 

 内容量も少量なので

 一人暮らしでも楽しく買えて食べ切れる。


 また、ホットシェフ、という

 店内で調理するものも 

80%の店舗で導入している。 

 すべて、店内調理。 

なので、セコマのお店の方は 

様々なものを作らなければ
ならない…。 


 できたものを届ければ
品質も一定でいいのに。

 しかし、北海道は広い。 

 離島や端にある店舗には 

天候などにより、 

調理したものを届けられないことも 

少なくない。 

 なので、店内調理ができれば、

 どこであってもセコマの味を 

届けることができる。 

 できたては美味しいしね。 


 また、外食できる店が少ない場所も 

多々あるため、

 ホットシェフは飲食店そのものの 

機能を請け負うこともある。


 北海道に行く楽しみのひとつは、 

セコマに行くこと。 

 セコマの商品そのものが 

お土産になるしね! 


 そんなセコマも茨城、埼玉に 

進出して97店舗を展開している。

 ただ、多く出店すれば
いいとは思っていない。


 地域でものを作ってブランド化していく。

 地域にとっても
自分たちにとっても 

いいことは何か、 

それを見つめていけば

 必ず良い方向に進むことができる。 


 もちろん、道民だって 

セブンのコーヒーや
ローソンのスイーツや 

ファミチキも大好き。 


 ただ、あくまでセコマあっての 

他のコンビニもお楽しみ、の  

スタンスだという。 


 セコマのマークは「不死鳥」。

 (ハトではないらしい。)
 

 何度でも立ち上がってみせる、
という、

不屈の精神の
あらわれとのこと。 


 コンビニ、なんて誰も知らなかった
ところから、
小売店を一軒一軒説得して 

じわじわ増やし、 

北海道ならではの愛される  

存在となっていったセコマ。 


 地域事情を考慮して、  

 24時間営業なんてやっていない。 

 利用する人も、 
働く人も、

満足できるように。  


 さて、今日はセコマのカツ丼か 

ザンギか豚丼か。 

ご飯は炊いてあるから 

100円のお惣菜を買っていくのも
いいね。 

 オリジナルアイスも、 

アルコールも豊富なんだよね、
迷う。 

 

 セブンの方が近いんだけど、 

やっぱりこっちに来てしまう。 





 今日もセコマにありがとう!