思い浮かぶのは臭いですか、
美味しさですか?


 主役の食材にはほぼならないのに、

 強烈な存在感を放ち、 

消えたあとにも忘れることが
できない…。


 と、なんだかそうなりたい〜って
感じさせますが、
にんにくが人の側に来たのは
紀元前エジプト、

 今から少なくとも3500年前のこと。


 にんにくはネギ科ネギ属
(ユリ科という記載も?)
原産地は中央アジアと見られています。


 発見されたのは、

 かのツタンカーメンの墓の中。 

 エジプトの労働者たちは 

にんにくを与えられ、

 厳しい労働に耐えていた模様。

 殺菌にも使われ、虫や蛇に噛まれたときも

 にんにくで対応していたようで。


 日本にも飛鳥、奈良時代には
伝わっていたようで、
古事記や万葉集にも 

にんにくの利用法や食べ方も
載っているのです。


 源氏物語に出てくるにんにくは、 

ある貴公子が女性を訪ねたところ、 

 「具合が悪くて
にんにくを食べてしまったので

 今宵はお会いできませんの。」 


 (いつも来てくれる仲なら
気にしないのに、たまにしか来ないじゃないの、
アナタ)


 と粋な断られ方をしてしまったよ、と
語るシーン。 


 にんにくといえば、

 ドラキュラの嫌いなものでも
ありますが、

 あの臭いと殺菌作用からきた
伝説であるようです。 


 にんにくには大きな6つのパワーが
あるのです。

 まずは、体力増強、疲労回復。

 エネルギー代謝に必要なビタミンB1の
吸収を助けてくれます。 

にんにくの大きな成分、
アリシンのおかげさま。


 次に、冷え予防。

 にんにくは末梢の血管を拡張させ、

 血流をよくするのです、 


 第3に、アメリカ政府の発表によると、

 にんにくはガン予防効果があるとのこと。


 そして、免疫アップ。

 にんにくに含まれるスルフィド、

 ネギ属が持つニオイ成分ですが 

ウイルス撃退、抗体を作る作用を
持ちます。


 第5に、美肌効果。

 これも血流がよくなるからですが、

 タンパク質も
取りましょうね。


 最後に、アンチエイジング、 

抗酸化作用も持つので 

老化予防になるのです。


 といっても、食べ過ぎると

 胃腸に厳しいのでご用心ですね。


 食べすぎて臭いが気になるときは、

 ニオイ成分は、 

タンパク質と結合しやすいので

 乳製品や 

カテキンによる分解を期待して 

お茶類がよいですね。

 

 にんにくを一番有効に使うには 

すりおろす、みじん切りが
最もおすすめ。

 もちろんスライスでも 
よいのですが、

 有効成分アリシンは細かいほど
生まれやすく、

 効果があるというわけで。 


 オイル漬けやはちみつ漬けだと
長持ちします。


 健康食品として売ってる
にんにく卵黄、

自宅でも
作れるようですが、

 炒めるのがえらく大変らしい。 


 かつて薩摩藩では
にんにく卵黄が作られていて、
参勤交代の必需品だったとか。 


 そんなにんにく、

買いに行くと
値段やら違って迷います。 

 国内産地の7割以上を占めるのは
青森産。 

粒がしっかりしていて
糖度も高い。 

居酒屋でにんにくの丸揚げなんて 

美味しいですねえ。 


 中国産は安くて小さい、 

大量に使いたい時には
向いているかも。 


 スペイン産は、国産より
柔らかく、

香りもマイルドです。 

スペインの農薬検査は厳しいので
品質も安心。


 にんにくは香りだけでも
元気になれますね。

 美味しいですしねえ、 

でもうっかり食べちゃうと 

訪ねてきてくれた方を 

追い返すことになってしまうかも。


 一緒にいたい人とは 

一緒に食べましょうか。