人類の夢!?
不老不死。
かぐや姫の物語にも、
火の鳥にも出てきますし、
エジプトのファラオも
中国の皇帝も願ったという…。

そんな不老不死の生き物は
実在します。

それは、海に浮かぶクラゲの一種、
「ベニクラゲ」。




厳密には
不老というより「若返り」。

ベニクラゲは、体長1cmにも満たない
小さな小さなクラゲ。

身体は透明で、胃が赤いため
透けて見え、そこから
ベニクラゲと名付けられました。

地中海に生息する
地中海ベニクラゲが若返ることに
気づいたのは、
20世紀の終わりごろの
ドイツの学者でした。

その後、イタリアの大学で
研究は進み、
現在の世界での第一人者は、
久保田信氏。

ベニクラゲは日本近海にも
生息し、
地中海ベニクラゲと同じものは
沖縄近海に、
オーストラリア、タスマニアと
同じベニクラゲは福島に、
独自のベニクラゲは
和歌山や鹿児島の海に
いることがわかっています。

ベニクラゲは、
ストレスがたまったり
老化が進んだりして
身体の危機を察すると
泳ぐことをやめて
身体を退化させます。

自ら「肉団子」のような形状になり、
そのまま溶けてしまうのか?と
見えるものの、

そこからまた幼生として
再生して、生きていく。

久保田氏は、
ベニクラゲを人工的に飼育し、
若返りをさせることに
成功し、
ひとつの個体を9回再生させたことも
あるのです。

ベニクラゲの
DNAの修復と保護に関する
遺伝子が、
若返りに関与していることが
判明しています。

小さいクラゲであり、
捕食される側なので、
いくら不老不死であっても
増えすぎる心配は
ないようです。

ベニクラゲの研究がなぜこんなにも
注目されるか…といえば、
答えはひとつ。

ヒトに応用できないか?
です。

現時点では、遺伝子的にまず
今の科学力では無理との
ことですが、
やってみなければわからない。

不老不死は無理でも
肌や身体機能の老化は
遅らせることが
できるかもしれない。

実際にそれを実現している
生き物がいる限り、
可能性はゼロではない。

以前、こんな短編を読んだことが
あります。

「ある時、地球よりはるかに
進んだ文明を持つと思われる
異星人がやってきた。

彼らはとても親切だった。

そして、若返りの秘薬が、
地球上のどこにでもある
物質で、安価に安易に作れることを
教えてくれた。

そこにいた、立つのも大変な老人に
飲ませたところ、
30歳くらいに若返り、

「結婚したい」などと言い出す。

世界中で、薬を作り始める。

そこに、科学者が青い顔で駆け込んでくる。
このペースで、老人が若返り始めたら
人口爆発が起こり、
食糧危機に陥る。

時すでに遅し。
頭を抱える指導者に、
異星からの彼らは微笑む。

”大丈夫です。増えすぎた人間は
われわれの方で引き取ります。
私達は宇宙の奴隷商なのです。”」

そう考えると
人間の若返りも考えもの。

遺伝子が違いすぎて
すぐには人間の若返りは
実現しないようではありますが、

興味深いベニクラゲ。

ベニクラゲの歌も作って
歌う久保田博士、

和歌山県の湯浅温泉湯浅城に
ベニクラゲ再生生物学体験研究所を
開設させ、

(以前は白浜にあったらしい)

「死なない生物」ベニクラゲの
生態を目の当たりにすることが
出来そうです。

様々なクラゲを味わえる
メニューもあるとのこと!

クラゲを食べただけでは、と
思うかもしれませんが、
コラーゲンやナトリウムが含まれ、
老化防止も期待できるので、
ベニクラゲ気分で
温泉入ってクラゲを
頂けると、日頃の疲れもなくなって
再生できるかも…。