カール・ロジャーズとは、
20世紀における臨床心理学者の
巨人であり、
カウンセリングの手法を
確立した、
「カウンセリングの神様」と
呼ばれる方。

傾聴の三原則として、
「共感的理解」
「無条件の肯定的関心」
「自己一致」を掲げ、

誰もが尊重する
価値のある個人として
扱われるべき、としました。

彼の残したものは多々ありますが
今回はベテラン臨床心理士先生の
おすすめ、

著書「人間論」第七章より、

人間の目標として、
「自己が真の自分自身であること」

そのための経るべき過程を、
ロジャーズ自身の
仕事と観察を経て得た
確信として書かれたもの。

この方の言っていることを
いまも様々な方が表現を
変えて伝えてくださっていることが
感じられます。

(かなりまとめてしまいましたので、
抜けがあるかと)

1. ”見せかけのものから離れる”

自分でない自己から、
恐れながらも離れていくこと。

自分自身であるかのように、
「見せかけた存在である」で
あるかわりに
自分自身に近づいていくこと。

2. ”べき、から離れる”

自分はこうあらねばならない、と
根深く取り込んでしまったものを
手放す。

また、自分自身を恥ずかしい存在、
悪いものと見ていたことを
手放していく。

3. ”期待に沿うということをしなくなる”

社会的圧力による
価値観に従い、
型に嵌めてきた、
そんな自分自身を開放する。

他の人々には意味があっても
自分自身には無意味だった。
それでも、その価値観に従って
生きていた。

そうあってほしい、という
期待から離れていくのだ。

4 “他者を喜ばすということから離れる“

他者を喜ばそうとして
形成してきた自分自身を
手放していく。

ひとが自分に好意を持って
くれるように、
その形に自分を作り上げてきた。

自由になるほど、そういう人間から
遠ざかっていく。

5. ”自己の方向に向かって”

自分自身に責任を持ち、
自分にとって意味のある
活動や行動を選択するように
なる。

落ち着きつつも興奮するような
気持ちを味わっていく。

6. ”過程的な存在に向かう”

自分自身は常に流動的で
毎日が違うものであること、
感情もその時々で
変わることに気づく。

自分の今を受け入れ、
いいことも嫌なことでさえも
それを楽しむことが
できるようになり、

流れに身を任せ、
努力、は減ってゆく。

7. ”複雑さに向かって”

過程的である自分の
その時々の感情は
非常に複雑であると知る。

そのすべてが自分であり、
隠すものも恐れるものも
ないと理解する。

8.  ”経験に対して開かれる
ようになる”

自分の新しい面に触れると、
驚き、拒否したくなる。

それでも、自分の新たな側面も
自分自身と認めて受け入れる
ようになる。

自分自身に起こる反応や
感覚を知る経験も、
外的な現実についても
受け入れることができる。

9.  ”他者を受け入れるようになる”

自分自身の感覚や経験に
対して開かれるようになると、
 
他人に対しても
相手を受け入れるようになる。

自分自身も他者も同じように
様々な感情を持ち、
日々変わることを受け入れ、

在るものを在るがままに 
認められるようになる。

10. ”自己を信頼するようになる”

自分の中で進行している
過程を信頼し、

自分の気持ちを感じ、
自分の価値観に従っていき、
独自の方法で
自己を表現するように
なっていく。

この過程は肯定的で積極的、
建設的で現実的な信頼に
値するものである。

畢竟、
自分自身の存在性を 
受け入れるようになるにつれて
ますます他者も受け入れられる
ようになり、
現実に合うような創造性を
持っていく。

こうして、「自己が真の自己自身で
あること」に向かって歩み続けていく。」