何気なく神社に行って
ようやく、あっ、後厄だったんだー。
などと気付く方もいれば、

厄年の厄はなんとしてでも
避けたい!
と、前厄本厄後厄と
3年連続お祓いを受ける方も
いらっしゃいます。

いずれにしても、
無事に過ごされていれば
なによりです。

意識するにせよ、
忘れていたにせよ、
じぶん厄年、と知ると
なんとなく不穏な気分に陥るもの。

そもそも厄年とはなんぞや。

元々は中国の道教の影響を
受けたとされ、
日本では陰陽道に由来していると
考えられています。

平安時代には
貴族たちに広まっていて、
江戸時代には
全国の庶民にも
広まっています。

数え年(おおむね満年齢プラス1歳)で
男性25歳42歳
女性は19歳33歳、
最近は男女とも還暦60歳も
加えられています。

陰陽道由来と考えられている、と
いうことは
実際はよくわかっていないのです。

厄、というだけあって
災難が降りかかりそうとか
健康面に問題があるかも、
などと思ってしまいますが

そもそもの意味合いは
違うとも。

やく、とは厄ではなく
「役」、つまり大切な役割を
持つことになる年齢ということ。

かつては地域社会において
一定の責任を負うとして
古希や傘寿のような
長寿と同様にハレ、と
されていたようです。

男性の25歳はいよいよ
社会の重鎮として
世の中を背負い、
42歳は引退を考える年頃。

女性の19歳は出産適齢期であり、
33歳は子育ても一段落して
下の世代のために
もうひと働きし始める年頃。

大切な年代だからこそ、
身体をいたわりましょう。

そんなところから
「厄」だから気をつけてね、と
いうことに変わっていったのでは、
という説もあります。

身体を、自分を大切にしてね、と
いう元々のメッセージが、
厄という言葉でなんだか
強制的になったような。

それだけ人のために頑張って
無理をしてしまうかもしれないから、
脅しにかかってきたのかも。

だとしたら、それも人の知恵。

重ね正月、とは
そんな厄年がすぐに
過ぎ去りますように、と

(昔は数え年、で全員正月に
ひとつ年を重ねましたから)

2月1日にもうお正月が来ちゃったよ、
厄年過ぎちゃったね!
もう大丈夫。
と、厄祓いをするためのもの。

なんだか、いいね。

一年を振り返って
新しい一年の期待を込めて。

これを食べろあれをしろ、と
決まった風習はないようですので、

お雑煮だったり
カズノコだったり、
好きなものでもう一回
お正月をお祝いしましょうか。

そうそう、太宰府天満宮では、
かの道真公を慕って
京都から飛んできた飛梅の下で
ひょうたん酒を口にすれば
厄祓いになるとされてきたそうで、

お祓いをお願いすると
ひょうたんを頂けます。

ただねえ、これって、
何人かいれば前厄本厄後厄に
当てはまる人って
ひとりくらいいそうだし、

単に梅見をしながら
飲む言い訳に過ぎなかったのでは?
という疑惑も密かに 
わいてくるのですが…。