きれいな衣装や
不思議な登場人物が
楽しいけれど、やはり
今ひとつ誰が誰だか
わかりにくい、
平安時代の「光る君へ」。

道長家の人はなんとなく
わかってきたけれど、
次は天皇たちが誰が誰なのか。

なぜ段田安則さん、いえ、
道長パパ、藤原兼家はすぐに天皇を
やめさせようとしているのか、

3人の天皇について
整理してみましょう。

まず、道長の姉、吉田羊さん演じる
詮子(あきこ)様の
ダンナ様、円融(えんゆう)天皇。



この方は前の帝、
冷泉天皇の弟君。

冷泉天皇は精神に
不調を抱えているとされ、
2年で退位して、
弟君に譲位されたのです。

円融天皇は11歳で即位し、
摂政は兼家(道長父)の兄で、
兄弟仲は悪かった模様。

藤原氏の摂政・関白の
摂関政治が本格化したのは
ここからと言われています。

詮子様は円融天皇の御子を
生んだものの、
天皇から疎まれ、
遠ざけられます。

中宮にはなれませんでした。

しかし、男御子は詮子さまの
産んだ方しかいない。
兼家との確執は深まり、

御子の懐仁(やすひと)親王を
東宮にすることを引き換えに
譲位します。

やがてその御子、
一条天皇の御代に
院政を試みますが、
上手くいかず、若くして亡くなります。

円融天皇が出家したあと
住んでいた円融寺、現在は
その跡地に石庭で有名な
龍安寺が建てられています。

さて、円融天皇が譲位されたのが、
冷泉天皇の皇子で
東宮となった師貞親王。

即位して、花山天皇となります。



紫式部のパパの岸谷五朗さん、
藤原為時が
家庭教師をしています。
(ドラマではこれも兼家の策略ですが)

無類の女好きで奇行が目立ち、
精神を病んでいた冷泉天皇と
重ねられます。

道長パパとしては、
一刻も早くこの方に
退位してもらって、
自分の孫を即位させたいわけです。

天皇という地位を巡って
陰謀策略がうごめくわけですが、
それでも天皇という地位は
神聖で、
その血筋を持たぬものは
触れることができない。

日本の王朝の特異なところでしょう。

花山天皇は17歳で即位し、
側近とともに政治革新に
着手します。

貴族社会を統制し、
引き締めようと
「饗宴の禁制」を布告、
さらに、違法な荘園を停止する
「荘園整理令」も出します。

浮かれポンチで自己の利益のみ
追求する貴族社会を
改革しようとしたのですが…。

そんなの面白くない他の貴族たち。

結局兼家一家の策略で
18歳で出家し、退位することに
なります。

(そのあたりの経緯はドラマにて!)

出家したとはいえ、
女性関係は相変わらず派手、
そしてこの方の絡んだ騒動のおかげで
道長はライバルを蹴落として
並ぶもののない実力者として
君臨することになるのです。

人格的には問題ありありだった
ようですが、
和歌、絵画、造園、建築、工芸など
多方面に才能を発揮された方であり、

和歌集の選者になったり、
西国三十三所めぐりも
この方が始めたとも。

40歳で、ガンと見られる病で
亡くなっています。

そして、花山天皇の次に
即位したのが、一条天皇。



兼家の孫であり、
同じく兼家の孫の
定子様(長男道隆娘)、
彰子様(道長娘)を
妻として、

清少納言、紫式部を
そのサロンに置く、
宮廷文化を花開かせる
張本人であらせられるのです。

(写真はNHKの公式よりお借りしました)