本日の内容は
ウォール・ストリート・ジャーナル
日本語版他新聞記事を
もとにしたものです。

   ※   ※   ※

「ダメ、絶対」
「そんなものに手を出したら人生終わり」

の、はずなのに。

イーロン・マスクに
グーグルの創設者、
シリコンバレーの
エリートたちの相当数が
幻覚剤を常用していると
いう。

なんのために。

アタマを冴えさせたり  
不安を和らげたり
集中力を高めたり、

ビジネスのアイデアを
出す助けになるから。

アメリカでは、
今や幻覚剤の
微量摂取者は
数百万人にのぼるともいう。

イーロン・マスクが
服用しているのは
ケタミン、
うつの治療に使われる
こともある。

みんなが使っているんだから、
いいだろう。

微量だし。

違法みたいだけど、
特に定期検査受けるわけでもないし、
気分も上がるしやめられないね。

そして、依存したり
乱用するものも出てくる。

そのような状況の中、
使用を合法化するために
研究や治験に関わる企業も
少なくなく、

幻覚剤市場は
昨年は70億円ほどだったが、
あと7年もすれば
2兆円を超えるだろう、と

「財政上の問題」から
麻薬を合法化する州も、
増えている。

また、ヘロインやコカインは
芥子の実やコカの葉から
作るが、

それだけではなく、
化学物質から作る
安価な麻薬の流通が
のびてきている。

現在問題となっているのは、
麻薬性鎮痛剤、フェンタニル。

効き目は
モルヒネの100倍、
ヘロインの50倍、
値段が安く
中国が大量に原材料を
供給する。
 
アヘン戦争以来、
中国は世界で最も
麻薬に厳しい国のひとつであり、

製造や輸送も禁じているが、
メーカーは組成を少し変えて
合法化して輸出、

メキシコ経由で
加工してアメリカに送り込む。

致死量は、2㎎、
塩ひとつまみの250分の1。

アメリカで
麻薬の過剰摂取による死者は
年間11万人を超え、
そのうち7割がフェンタニルに
よるもの。

錠剤と粉末があり、
錠剤は原価1円40線、
それが末端価格では1400円から
3000円ほどになる。

闇に出回る錠剤の6割以上に
致死量超えのフェンタニルが
混入されていて、
客は知らずに飲んでしまう。

安いし、
効果抜群だからね。

上手に使っているつもりの
常習者でも、
知らずにフェンタニルを
過剰摂取して、
二度と浮世に戻れない。

しかし、痛みを取るのは 
大事な治療のひとつ、と
医師による処方も
増えている。

処方がなくとも
ネットで簡単に購入でき、
若者に広まる。

今や若年層の死因のトップに
挙げている統計もある。

さらに、
誤飲により乳幼児の
死者も激増している。

合成麻薬は
少しの化学物質と
作業所とネットがあれば
簡単に作れ、

広大ですぐに見つかる
芥子畑は、
必要がなくなるだろう。

需要があって金になる、
麻薬はどんどん広がっていて

国連薬物犯罪事務所によると
この10年で、
麻薬を使う人は
23%も増えた。

合成麻薬のひとつ、LSDは
様々な形に変えることができる。

ベトナムでは
「切手」と呼ばれる
紙片にしみこませたものを
中高生が摂取してしまう
事例が問題になっている。

見た目がラムネ菓子そっくりな
ものもある。

日本にも入ってきている。

貧しかったり
孤独だったり
辛い環境だったり
人より優れた存在で
あろうとしたり

そんな心のスキマに、
それらは忍び寄る。

シリコンバレーで
麻薬に手を出さない人々や、
麻薬をやめた人々は言う。

幻覚剤で
一時的に気分が上がることも
あるだろう。

違法リスク、
健康リスク、
それを踏まえてでも
必要なものなのか。

ただ、そんなものよりも
瞑想やヨガでも
同じ効果は得られる。

安易なものに
すがって生きたいのか、
自分自身の内面を
信じられるようになりたいのか。

選択は、必至。