5月1日は、大切なひとに
すずらんを贈ろう。




フランスで1561年、
日本では戦国時代に
広まったとのこと。

由来は、当時のフランス王
シャルル9世が、
すずらんの花束をもらったことから。

すずらんは
「受け取った人に幸運をもたらす」と
いう意味があり、
喜んだ王はこの日に
宮廷の女性たちに
すずらんの花を贈るように
したそう。

下を向いて咲く可憐な花は
(虫に蜜を吸ってもらいやすく
するためですが)
各国で愛されています。

3大フローラルといわれるほど
香りもよく
(あとは薔薇とジャスミン)

フランス語では、
muguet.ミュゲ。
聞いたことあるかも。

花言葉は上述のとおり
「幸せの再来」「純粋」「愛する喜び」

ただし、可愛いだけではなく、
花、葉、根、すべてに毒を持ちます。

毒を摂取すると
吐き気、嘔吐、頭痛などの
症状が出ることがあるので
注意。

そんな人はあまりいないとは
思いますが、
すずらんの花を挿していた
花瓶の水は飲まないように。

また、すずらんを触ったら
手は洗ったほうがよさそうです。

行者ニンニクと間違えて採り、
中毒を起こす例もあるとの
ことなので、
そこは過信しないでいきましょう。

もっとも、口にしなければ
大丈夫なので、
そこだけ注意です。

青酸カリより危険、と
書いているサイトもありますが、
すずらん殺人事件を
聞かないところを見ると
ほぼ失敗しているものと
思われます。



さて、そんなすずらんの中で、
日本に自生するすずらんの学名は
「Convallaria keisuke」  

ケイスケ?

牧野富太郎より一世代前の
シーボルトに師事をした
医師で理学博士で、
植物学者の伊藤圭介のことです。




医師が植物の研究をするのは、
薬になるからですね。

圭介は医師の次男で
植物についても、
オランダ語についても
良く、学んでいて
長崎でシーボルトに師事しました。

といっても、
シーボルトがつけた植物を和名にしたり、
共同研究の仲間といった
関係であったようです。

圭介は、日本の植物の名前と
学名を一覧にした
植物の和英英和の事典のような
本を出版し、

日本の植物界が
世界に開かれる道筋を
作ったのです。

ちなみに、
おしべ、めしべという言葉を
作ったのもこの圭介先生。

植物にもオスメスがあるんだ、
と教えてくれたのですね。

圭介はシーボルトが日本を
去ったあとも
飢饉の際に食べられる野草の
リストを作ったり、

伝染病予防につとめ、
天然痘の種痘の普及や
コレラの処置を広めたり

のちに、圭介の設立した
西洋医学所は、
東大医学部の前身となるのです。

この方も99歳で亡くなるまで
植物学に邁進したとのことなので、
94歳まで現役だった
牧野富太郎同様、
追究したいことがあると
長寿で元気でいられるのかも。

そして。
その圭介の名がのこるのが、
可憐なすずらん。

フランス王に
医学、植物学を確立させた偉人に、

すずらんの
ほほえみの陰にあるもの、
油断なりません。