人間の身体って本当に
楽器なんだなあ、と感じるのは
見事な歌声を聴いたとき。

中でもオペラ歌手の劇場に
響き渡る声はなおさら。

コロラトゥーラとは、 
ソプラノの分野で聞く表現で、
速くトリルのような華麗な装飾が
ついているもの。

コロラトゥーラソプラノの
オペラ、曲はいくつかありますが、

とりわけ有名なものが
モーツァルトのオペラ
「魔笛」の、中の
「夜の女王のアリア」です。

コメント欄に貼っておきますが、
かなりの方がご存知かと
思われます。

これほどの高音を
こんなにも美しく歌い上げることが
できるなんて
すごいなあ…と感じます。

その魔笛のあらすじをざっくりと。

魔笛はイタリア語が多い中、
ドイツ語で歌われるもので、
モーツァルトが亡くなった年に
書かれました。

劇団の座長からの依頼で
筋書きは彼が、モーツァルトが
曲をつけたものです。

一般市民向けのため、
わかりやすいといわれています。

筋書きについては、 
突っ込みどころ満載でも   
ありますが、
曲がいいからいいよね、と
許されているとか。

(概略です、出典により差異あり。)

舞台は古代エジプトの架空の世界。
何故か日本風衣装をまとった
王子タミーノは大蛇に追われ、

夜の女王の3人の侍女に 
助けられます。

タミーノは夜の女王の娘
パミーナの絵姿を見せられ
恋に落ちます。

女王によるとパミーナは
悪人ザラストロに捕らえられた
とのこと。

タミーノは、森の鳥の猟師
バパゲーノをお供に
パミーナを救いに行くことになります。

その時、タミーノは魔法の笛を、
パパゲーノは魔法の鈴を受け取ります。

ザラストロの元に着いたタミーノ、
パミーナと出会い、
お互いが運命の人と感じます。

ザラストロは神に仕える
崇高な人物でした。

邪悪な夜の女王から
パミーナを守るために、
自分のもとで保護していたのでした。

夜の女王は夫が持っていた
太陽の環を欲しかったのですが、
夫はザラストロに    
渡してしまいます。

ザラストロと敵対しているのは
そういう理由です。

女王はパミーナに、 
自分と親子でいたければ
ザラストロを殺せと言い、

その時に歌っているのが  
「夜の女王のアリア」

これは、地獄の復讐が
夜の女王の中で燃えたぎっている、
死と絶望の炎が  
私の周りで渦巻いている、と
歌っているのです。

非常な高音であることから、
軽やかに聴こえますが、
ヒステリーによる狂気が
高まり、

ザラストロを殺さなければ
お前は私の娘ではない、と
母の願いを聞き届けなさい、と
叫んでいるところです。

さて、タミーノとパミーナは
ザラストロから試錬を与えられます。

二人は魔法の笛の力で
乗り越えます。

パパゲーノは共に試錬を
受けるものの、脱落、 
しかし魔法の鈴の力で
かわいいパパゲーナと
結ばれます。

夜の女王、3人の侍女、
そしてザラストロに仕えていたのに
裏切って夜の女王側に
寝返ったモノスタトスは
雷に打たれ、
闇に堕ちていく…。

モーツァルトは死の直前に
朦朧としてこの歌のことを、
話していた、と
書いているものもあります。

この夜の女王のアリアを
歌えるのは世界に数人だけ、と
宣伝していることが
ありますが、

魔笛は人気の演目なので、
さすがにそれはないよ、と
現役のオペラ歌手の方は言います。

しかし、超高音を歌える
ソプラノ歌手はどうしても
軽やかな歌い方になってしまい、

夜の女王の復讐を歌う
この歌に合った声の持ち主は
なかなかいないそうです。

それ故に、難曲であるとのこと。

それでは、お聴きください。
かなりインパクトあるので、
一日アタマの中で響いてしまうかも
しれません…。