髪をかきあげ、ビアノに向かう。

長身、イケメン、超絶技巧、

女性ファンは、彼の演奏に
酔い、熱狂し、泣き叫び、
失神する…

今をときめくピアニスト、
反田恭平さん…のことでは
なく。
(彼も素敵ですが、
髪はまとめていますね)

時は約200年前。

ハンガリーに生まれた
フランツ・リスト。




ピアニストであり、
作曲家。

別名ピアノの魔術師。

超絶技巧曲を多く残し、
有名なものとしては

ハンガリー狂詩曲、
愛の夢、
ラ・カンパネラ
などが、あります。

父の手ほどきで
9歳でピアニストとして
成功し、

ベートーベンに称賛され、

12歳でパリ社交界に
デビュー。

ショパンやメンデルスゾーン、
シューマンらと知り合い、

19歳の時にバイオリニストの
パガニーニの演奏を聴いて
超絶技巧にハマる。

リストは指が6本あるのでは?と
言われるほどの
あり得ない演奏技術を
持ち、

自分でもそんな曲を
たくさん作り、

また、その激しい演奏で
ピアノが壊れる…

いや、彼の超絶技巧に
当時のピアノはついていけなかった。

ピアノメーカー、
ベーゼンドルファーの
売りは
「リストが弾いても壊れない
ピアノ」

ですから、よほど激しかったのかも。

そんな際立つ演奏をする
リスト、

整った顔立ちに
美しく澄んだ青い瞳
180cmを越える長身に
すらりとした身体つき。

コンサートは常に
「リストマニア」と呼ばれる
着飾った女性たちで満員。

彼をキャラにした
チョコレートが売られ、

演奏のあとは、髪の毛の奪い合い。

飲み残した紅茶を香水瓶に
入れて持ち歩くものあり、

風呂の残り湯を盗んで
飲む女性あり、

楽団つきのチャーター船で
追っかけをする貴婦人あり…

かのクララ・シューマンも、
彼の演奏に号泣。

リストの父は彼が15歳の
時に亡くなりますが
「お前の女性関係が心配だ」

と言い残します。

その通り、モテモテで
数多くの浮き名を流し入れますが、

生涯独身でした。




スーパースターの
リストでしたが、

36歳の時に、演奏旅行に
疲れた、と
ワイマールで
オーケストラの指揮者に
就任。

作曲にも打ち込み、
才能あれど経済的に
困窮している作曲家の
支援もしています。

ピアノリサイタルという
演奏形式を作り上げ、

多くの曲を残し

故郷に音楽院も設置。

まさに華やかな
音楽家人生を駆け抜けたリスト。

例えば彼の
ラ・カンパネラは、

弾き手によって
表情が全く違う。

それもリストの魔術かも。

どなたの演奏がお好みでしょうか…?