鏡。

様々な伝説がそこにあり、
人々をざわつかせてきた
もの…。




鏡の最初のもの、は水鏡。

水に映ったものを見て 
己の姿を知る。

ギリシャ神話の美少年、
ナルキッソスの伝説。

彼に言い寄る多くの女性や
ニンフ(自然界の精)たち
全てに冷たくしたため、
女神の呪いで
水に映る自分の姿に
恋い焦がれ、やがて
水仙に姿を変える…

(ついでにニンフのエコー、
彼に振られて骨と皮になり、
とうとう声だけになってしまったとか)



それから、金属を磨きあげた
鏡が登場。
姿を映すだけではなく、
光を集めて支配者の
力を表したとも。

エジプト女王のクレオパトラや
卑弥呼のイメージです。

トルコの遺跡からは
紀元前6000年頃
(これはガラス質の黒曜石)

エジプトでは紀元前2300年
頃には金属製の鏡が
あったことがわかって
います。

現在のようなガラス鏡が
作られるように
なったのは、
ルネサンス期のベネチア。

ガラスの背面に錫箔を
貼りつける方法が
考案されました。

(やり方自体はその後ほぼ
変化なしです)

イタリア製の鏡が
当時ヨーロッパを
席巻していましたが、

ルイ14世がベネチアから
職人を招き、
ガラス工場を作り、
フランスの生産が
イタリアを凌ぐように
なります。

その集大成が
ベルサイユ宮殿鏡の間。

400枚の鏡に囲まれる
圧倒的な大広間。

貴族達は、ここで映える
ために
自らを飾り立てて
いったのでしょう。



鏡の間、は日本にも
あります。

能の舞台に上がる前、
揚げ幕の内側に
大きな三面鏡のある
部屋があります。

ここでシテ方(主役)が
能面を着けます。

能楽師が別の存在に
なり、
異世界にいざなうための
神聖な場所となります。



鏡が重要な役割を 
果たす物語は数知れず。

白雪姫に
鏡の国のアリス、
ひみつのアッコちゃん、
仮面ライダー龍騎にも
あったなあ…
(イケメンてんこ盛りで
当時母達に大人気でありました) 
星新一のショートショートにも
鏡を使って悪魔をつかまえる
話があったし…




平安時代の四鏡、
「大鏡」「今鏡」
「水鏡」「増鏡」

これは歴史書で
題名に鏡がつくものですが。 

鏡の物語、
ひとの数だけありそうです✨