数千万年前。
大陸が移動していた頃に
かけらがひとつ、
海に取り残された…。
「インド洋のガラパゴス」と
呼ばれるイエメン、ソコトラ島。
孤立していたため、独自の
植生や生物が生息して
います。
825種の植物のうち、
37%の307種が固有種。
その風景を見ると
スターウォーズの異星の
ヒトたちが、木の陰から
出てきそう…。
燃やすと甘い香りの
樹脂(乳香)を分泌する
木や
鳥や爬虫類にも固有種が。
かつてはギリシャや
アラブの船乗りたちが
パラダイスと呼んだ
不思議な島。
中でも特徴的なのは、
「竜血樹」と呼ばれる
独特な形状の樹木。
死ぬまで戦った兄弟の血や
象と戦って傷ついた竜の
血から生えた木という
伝説が残っています。
その樹液は、血のように
赤い。
ソコトラの人々は
薬として、陶器の顔料と
して、
化粧品として、この樹液を
ずっと大切にしてきました。
竜血樹、と呼ばれる
この木は大変成長が
遅く、樹齢数千年の
ものも少なくないという。
イエメン本土と離れて
いることも幸いして
内戦には巻き込まれて
いません。
ですが、
サイクロンに何度も
襲われ、外来種や
開発の脅威にも
さらされています。
現在ここにたどり着くのも
容易ではなく、
内戦の続く本土経由か
許されたものしか
使えないUAE発の空路、
海路はソマリアの海賊たちに
襲われる危険があります。
安定した治安と空路が
あれば、エコツーリズムで
成長と環境保護が
できるのでは、と
期待されているのですが。