シーボルトは娘イネが
二歳の時に国外追放と
なります。

イネは珍しい混血の女性と
して、差別されながらも
シーボルトから送られた
医学書や蘭学書から
学び、医者を志すことに
なります。

その後、シーボルトの
弟子たちから医学や
オランダ語を教わり、
産科医となります。

彼女は西洋医学を学んだ
医師として、それまで
汚らわしいとされていた
日本のお産を変えていくのです。

そんなイネでしたが、
なんということでしょう…
医学の師であった
石井宗謙に襲われ、
妊娠し、娘を出産します。

イネは宗謙を生涯許さず、
宗謙はシーボルト門下生から
破門同然の扱いを受けます。

生まれた娘はお滝さんが
育てることに。

このあと、日本は開国し、
シーボルトは再来日。
イネは異母弟たちとも
仲がよく、彼らの支援を
受けて築地で開業。

日本で初めて西洋医学を
学んだ女医で、美女、
腕も確かで評判高く、
宮内庁御用達にも就任。

後に長崎に戻って
産婆として開業しています。

さて、イネさんの娘の
高子さん。

彼女も美しく、松本零士先生は
彼女の写真を見て
銀河鉄道999のメーテルを
生みだしたとのこと。

この高子さん、一度結婚した
ものの、夫に先立たれ、
自身も産科医の道を志します。

しかし、母と同様に医師に
襲われて、息子を出産。
彼女はこのショックで
医学への道を断念。

その後再婚します。
再婚相手にも先立たれて
しまうのですが。

晩年はお滝さんに仕込まれた
芸事を生活の糧として、
イネさんと共に暮らします。

高子さんの没年は
1938年。
奇しくも松本零士先生の
生年と同じです。