山乃メイさんとの出会いは、今の僕の始まりのときだったとも言えるのです。
 
僕のオタク人生において、大きな転機になったのが2021年。この年は新型コロナ騒動も2年目に突入し、どうにか共生していく方法をみんなが必死に探していた頃でした。しかし、僕がとても大切にしていたAwww!は、コロナ禍に果敢に立ちあがりながらも世相に飲み込まれるように解散、活動終了となりました。僕はファンとして、10月17日の解散ライブに向けて気持ちを高め、燃え尽きて灰になることしかできることは残されていないと思っていたのが、2021年です。

この年、Awww!には新曲も用意されていて、当初は予定があることがうっすらと見えていましたから、リリースイベントなりライブ出演なりが用意されていた状態でありながら、解散を決めさせられてバタバタと予定を飛ばし片付けをしていったようにしか思えないのです。アイドルは、ファンの人生を変えることができる存在です。しかしここの運営事務所は、ファンの心をボロボロにするようなことを意識的なのか無意識なのかちょいちょいとするところで、まあ、そんなもの推しの心に比べればゴミみたいなものですからどうでも良いっちゃ良いのですが、その推しの心も大切に扱ってくれているのか信頼が置けないところがあって、気持ちを入れる程ファンは不幸せになるような気がするので、自分の心を守るためにはあんまり近づかない方がもう良いなと思っているのです。

 

そんな最中、Awww!が唯一出演した有観客の対バンが、HYPE IDOL。ここで、僕は初めてクマリデパートを意識して見ることになりました。 

ブログでは、全然、クマリデパートのことに触れていないですね^^;。でも、「アンサー!!」にももクロリスペクトなものを感じた記憶が残っています。

 

そして、安本さんの復帰ステージを見るために通い倒した@JAM EXPOで、Furniture girl衣装のクマリデパートを見るわけです。

こういう衣装があるんだ!と、少し動揺しました。僕はこの衣装で、素のクマリデパートの魅力を感じて、きっとここでスイッチが入ったんたと思います。少し、お話をしてみたい。

 
そして、私立恵比寿中学が担当した謎のイベントで、クマリデパート、山乃メイさんと、初めてお話をするのです。彼女が慶應義塾の出身であることは知っていましたから、それも理由の一つになったことも間違いありません。

僕は、エビ中に付いている変な人だったと思うのですが、山乃メイさんはとても良く通る声で、お話しをしてくれたことを覚えています。このときの印象がとても爽やかで、あの楽しいライブはこういう人が作っているのかと思いました。ライブやイベントの都度、時間があればこうしてコミュニケーションが取れるということ、コロナ禍においてとても大切なことだなあ。そして彼女がきっかけになって、オタクとして広い世界に出ていくことになりました。今、僕はHAPPYですから、とてもとても感謝しています。

 
そんな彼女が、今年1月に卒業を発表。まったく持って青天の霹靂でしたが、見守ることもオタクの仕事です。クマリデパートは、3月の日比谷野外音楽堂でのワンマンライブを頂点として、CDリリースにオンラインイベント、遠征、対バン、ラフォーレ原宿での衣装展でフリートークという神イベント、山乃さん単独での特典会にトークショー。彼女に関わった人たちそれぞれが、それぞれなりの心の整理ができるような十分な時間と場を提供してくれました。僕は、これまで何人かのアイドルとお別れをしてきました。卒業公演をしたくないアイドルなんて、いるわけが無いじゃないですか。それでもかなわずに、そっと卒業していったアイドルも少なくない。一塊のオタクには想像もできないくらいの大人の事情が、きっとたくさんあるはずなのだろうと。しかし、山乃メイさんとクマリデパートが用意してくれたことは、脱帽ものです。僕は、このグループに出会えて、本当に良かった。

 

3カ月もあっという間に過ぎ去り、ついに卒業公演を迎えました。

ファンクラブ先行申し込みで取ったチケットですが、整理番号はなんと296番(笑)。ここしばらく見たことが無いくらい、ぱんぱんに人が入ったO-WESTでした。開演まで、近くになったお友だちとちょっとお話し。「しょーやまさん、今日の衣装、サクラ衣装ですかね。マナ&メイのお披露目のときの衣装だし、最近、ちょっと着ていないような気がするし。」「あー、そうですね。」
 
いよいよ開演。オープニングは、「おいでよ!クマリデパート」をフルで。衣装は、しょーやんさんの予想通り、サクラ!この曲は、クマリデパートの楽しさが詰まっていて、出囃子としても最高だなあ。この日は、メンバーの笑顔がまぶしくて、僕は楽し過ぎでちょっとうるうるする程でした。
 
振返ってみれば、対バンでは定番曲ともなっている「シャダーイクン」はセットリストにありません。しかしどの曲も、山乃メイさんがアイドルとして積み上げてきた歴史を感じられるもので、かつ、彼女ならではの歌が不可欠なものばかり。今後クマリデパートが新しい形になれば、新しい姿に曲は変わっていくのでしょうが、この日は、それぞれの聞き納めのつもりで、体感させてくれるセットリストでした。
小田アヤネさん、本当にいつもセットリスト、さらには文字だけではない、僕らの心に残るセットリストを画像としてアップしてくれて、ありがとうございます。
 
「2060年チェリーブロッサムの旅」では、いどみん先生のぶっとんだ太陽系の星々の振付けで、大きくない山乃さんが公転周期が遅いのでほとんど動かない土星役なところが、見どころのひとつ。以前は微動だにしなかったのですけれど、近ごろはけっこうな蛇行軌道を取っていまして、となりのスローモーションで顔芸をしているかのようなやはり公転周期が遅い木星の七瀬マナさんとの見比べが楽しかったです。
 
「幸せハッシン!フロムキッチン」では、戸棚の食べ物を盗み食いする七瀬マナさん(上手前方でじっと見ていると、たまにおすそ分けを投げてくれたりします)を発見する山乃メイさんが、かわいい。
 
「ぶどう♡Grape♡For♡You♡」は、文句なしにみんなかわいい。フリもかわいいし、ぶどうもかわいい。
 
そして、思い出だらけの「Furniture girl」。山乃さんが主役と言ってもいい「いまさらだけど、恋しませんか?」。「あみだ☆ふぉーちゅーん」は、僕がクマリデパート熱に火が着いたころの曲。知恵を任された山乃さんが居て成り立つ世界。誰一人、欠くことが無くて成り立っている空間がたまらなく楽しくて、そして一つずつの世界を丁寧に収めて行くかのようなライブでした。
 
アンコールでは、正装とも言えるデパート衣装に着替えて登場。生誕ライブで披露された、山乃さん作詞によるソロ曲、「花束」。入場者には、山乃さんが歌唱する楽曲をダウンロードできるQRコードが、入場時に配布されました。このプレゼントも、とても良い企画ですね。
 
山乃さんから、メンバーへ、ファンへ、関係者に向けた、手紙の朗読。山乃さんは、ステージで感極まることがあっても、特典会で話をすると「私は泣いていない。生まれてから、泣いたことなんて1回もない。」と、いつも言っていました。今回も、きっと泣いていないはずです。
でも、メンバーが1人ずつ山乃さんにことばを返したとき、メンバーはボロボロだったかも。それでも、歌が始まれば、何の問題も無く(と見える)、むしろ日頃よりも強い思いがこもっている印象がありました。僕が見ているアイドルも、見ている僕自身も、きっと大人になったんです。
 
この6人のために作られた最後の曲「ブルーサバイバー」が、どこまでもカッコよく、楽しく響き渡ります。この曲は、本当に素晴らしい。
 
そして、アンコールの最後に披露された「クククマリデパート」。僕、大好きです。満を持して披露された自己紹介ソングであり、このライブのタイトルにある「6色の想い」を、強く強く感じ、みんな力いっぱい歌い踊り、僕らも全力で応え、気持ちが昇華していくかのようでした。
 
とにかく、楽しかった。素晴らしい、ライブでした。
 
終演後の特典会。たまたまウロウロしていた場所から整列が始まり、恐縮なことにマナさんの鍵あけとなりました。
 
「やあ!お疲れ様でした。お元気ですか?(笑)」「ぜんぜんげんぎぢゃな”い”~。う”~」というような会話。僕はただニコニコしていただけですけれど、マナさんがリラックスした時間をすごしてくれていればそれで十分。
 
もちろん山乃さんは、長蛇の列。お話しできる時間も、エビ中のアルバム2枚分の握手会くらいの時間しかありませんでしたがw、この人無しに今の僕は無いので、整列。
メイさんから、「ちゅるで!」と。僕から言い出さなければ、いつも彼女は、それぞれのファンのためのポーズを考えてくれました。たくさん、ありがとうです。最後の1枚は、初めて山乃メイさんと、クマリデパートと撮ったチェキと一緒に。
この日からの感謝を伝え、互いの想いと、チェキからの変化の話を少々。そしていくつかのお約束をしました。どうもありがとうございました。またね。
 
最後に、もう一度マナさんと。見慣れた顔を見ると、緩むようです。「そう言えば、しょーやまの試験は終わったの?」それは、3月の話ですよ。こういうところが、マナさんのほっておけない魅力。
 
以降、山乃メイさんの、Twitterの記録。
山乃さんのインスタグラムで話題に出ていたんですが、23時頃に特典会はいったん終わって、みんなでご挨拶をした後、ちょっと休憩をはさんで山乃さんだけ特典会を再開。ここからは、ファンの気が済むまで、特典会は続いたのでした。
メイさんも、スタッフさんも、熱心なファンの皆さんも、思い残すことが無いまで対応って、素敵。
 
ライブで、アンコールの全てのプログラムが終わって、最後に退場すべく残った山乃さんは、クマリデパートの帽子を脱ぎ、マイクとともにステージへ置いて退場しました。
 
 
いろいろな部分が、パーフェクトな卒業公演でした。
 
僕はオタクになってそれなりの時間がたって、今もアイドルに元気や勇気をもらっていることには変わりはないのですけれど、求めるエンターテインメントの内容が違ってきたようです。たぶん、10年前は子どもが成長していくドキュメンタリーのようなものをきっと見ていたんだろうな。アイドルの卒業って、「あかりんに贈る歌」のイメージでした。でも今の気持ちは、そうじゃないんです。アイドルとファンである立ち位置は変わらないし、僕がきっと年上であることも一生変わらないだろうけれども、互いにちょっと大人な関係が、幸せなようです。
 
山乃メイさん、ほんとうにありがとうございました。これから、もっともっと幸せになってくださいね。そして、こんな素敵な公演を実現したクマリデパートが、ますます充実した活動をしていけるよう、心から期待しています。
 
楽しみだ~!!!