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フライトプラン

高度1万メートルの

超高速アクション・サスペンス。

隠された真実を、暴きだせ。


『フライトプラン』  ロベルト・シュヴェンケ監督 ジョディ・フォスター主演


最新鋭のジャンボ旅客機の中で、女性航空機設計士カイル(ジョディ・フォスター)の6歳の娘が忽然と姿を消す。最愛の娘を必死で捜すカイルだが、娘の荷物や搭乗券、搭乗者名簿への記録すら消されている。


この衝撃の着想が注目を集め、公開時にも随分話題になった。

…と同時に、観に行った人の評判は散々だった。それもあり、映画館には足を運ばなかったが、ビデオがリリースされたので借りてみた。


冒頭から娘が消えるまでが辛気臭くて暗い。その影響で娘が消え、捜索後しばらくもカイルに感情移入できないばかりか、彼女が悪者ではないかとさえ思う。これが狙いなのかもしれないが、アラブ人に詰め寄るところなどはちょっといただけない。カイルがとてつもなく嫌な女に思え、真実が暴かれる終章までその印象を引きずってしまった。


犯人もそのカラクリも着想そのものはなかなかおもしろいと思った。でもやっぱり大方の意見通り、ご都合主義が否めない。犯人はなぜカイル一家に目をつけたのか。単にカイルが旅客機の構造に詳しいというだけでは説得力がない。娘が消えた時に彼女がああいう行動に出るということが予測できるほどの、犯人とカイルにかねてからの人間関係があればまだしも、そのあたりがはっきりしない。


何だか着想とストーリーに溺れて、肝心のドラマがない感じがしてならなかった。犯人が犯人である理由が希薄すぎる。カイルの娘への愛情がメインテーマだとしたら、それも何だかなぁ~って感じ。そんなことのために、壮大な展開の映画をつくってしまったのね…というほかない。