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あまり話題になっているような感じではなかったが、なんとなくおもしろそうだなと気になっていたので、レディスデーにレイトショーに行ってきた。う~ん、ビミョーだったな、正直なところ。アイデアはよくできているのだが、ストーリーとして練り上げ、さらに映像にした段階で、徐々にわかりにくくなっているような…。話の軸は非常に単純なのだが、結局犯罪者たちが犯罪者としての特徴、特質で描かれていて、実はこういう背景があるとか、こういうことに心を動かされて揺らぐとか、普通の人の一面がわかりにくい。唯一、主人公の兄への想いはちょっとだけ出てきたけど…。なんか積み木のように積み上げたストーリーを追っている感じで、妙に疲れてしまった。


『ビッグ・スウィンドル!』  チェ・ドンフン監督 パク・シャニン/ヨム・ジョンア主演


単純に言うと、詐欺集団が銀行を舞台に、まさにタイトルどおり大掛かりな詐欺を働くというもの。実際に起こった未解決事件をヒントに作られたフィクションらしい。主人公は出所したばかりのチャンヒョク。彼と伝説の詐欺師と呼ばれるキム先生の壮大な横領計画に、ひと癖もふた癖もある詐欺師が集まり、実行に移すあたりで映画は始まる。実行犯のうち、2人を除いて死亡したとされるが、実際は…。

死亡した(とされる)チャンヒョクには、チャンホというマジメで人気小説を出している兄がいる。チャンホにチャンヒョクの保険金が入るということで、インギョンというキム先生の愛人がチャンホに近づく。このあたりから物語が展開していくわけだ。

そもそも逆ならともかく出所したばかりの犯罪者が、まっとうな兄を受取人にした保険に入っていることが日本人の感覚では滑稽な感じで、こんな些細なところでつまづいてしまった。エピソードとしては些細かもしれないが、それをきっかけに物語が動くのだから、やっぱりもう少し考えてほしかった(←韓国映画に求めてはいけない?)。あとはまあ、だいたい先が読める感じで、驚きは少ない。逆にラストは唐突感が否めず。

ただ、全体の空気感というか、センスは悪くない。息抜きに何も考えず観るには、良いかもしれない。