日経平均やTOPIXがNYダウより弱いのは、
アベノミクスで続いていた「公的年金の日本株買い」が終了したと思われるためのようですね。
(証券アナリストの2次試験に合格し、証券アナリスト協会検定会員になりました。)
こんにちは、FP・証券アナリストの中里邦宏です。
世界的に株価調整局面ですが、日本株の動きが米国など中国以外の国に比べてかなり悪いですね。
そこで今回は、GPIFによる日本株買いについてみていきます。
まず、GPIFの2015年度第1四半期(4月~6月)の運用状況から、各資産の構成割合を見てみましょう
6月末 3月末 基本ポートフォリオ
国内株式:23.39% 【22.00%】 (25%±9%)
国内債券:37.95% 【39.39%】 (35%±10%)
外国株式:22.32% 【20.89%】 (25%±8%)
外国債券:13.08% 【12.63%】 (15%±4%)
短期資産: 3.27% 【 5.08%】
3月末の時点でも既に基本ポートフォリオの許容内に全ての資産が入っていますが、
まだ基本ポートフォリオを目指して、国内債券を売り他の資産を買い進めています。
一度は基本ポートフォリオの実現を目指すのでしょうか。
3月末から6月末にかけてのペースが継続すると、9月末ではまだ若干買う枠が残っていますが、10月末には丁度基本ポートフォリオになるようにも見えます。
ただ、6月末より現時点で約1割、日本の株価は下がっていますので、構成割合を時価評価すると増えていないでしょう。
そうなるとすれば、年内、あるいは年明けまでGPIFは日本株を買い続け、それに期待しつつも受給からの上昇トレンド終了を見越した投資家は利益確定という流れでしょうか。
二番底三番底を確認しながらのウエッジ型相場、あるいはボックス相場による、3~6ヶ月の調整相場入りの確率が高いと思われます。(調整終了後の方向性は中国など外部要因によるでしょうか。)
ただ、黒田バズーカが再度あれば、相場のトレンド転換には十分な威力があるので難しいところです。
公的年金買いという受給という面で、日本株を分析してみました。