自作数学問題bot @mathquestionakt (問題10) | 数学解説ブログ(つくば市の「数学・算数・物理に強い」プロ家庭教師 長通幸大・発信)

数学解説ブログ(つくば市の「数学・算数・物理に強い」プロ家庭教師 長通幸大・発信)

中学高校の定期試験問題・大学入試問題・Twitterの数学特化系アカウントで出題された問題・閲覧した方からのご質問まで、幅広く取り扱う方針ですので、
日々の学習や数学的発想・思考力の向上にお役立ていただければ幸いな限りです。

全ての自然数nについて、n^5-nが10の倍数となることを証明せよ。
※ 「n^5」と表記されているものは、「nの5乗」を意味します。

解答作成日:2015年3月9日
テーマ:整数の性質・合同式の利用・因数分解
履修学年:高校1年

5次式の性質の証明ですが、共通因数nをくくり出した後の複2次式をどう扱うかによって、流れが異なってきます。

まずは、最もオーソドックスな方法です。


3つの連続する自然数が偶数となることは、学校で履修しなくても、単純に考えれば明らかですね。
あとは、どの「因数が5の倍数になるか」が、nを5で割った余りによって異なりますが、必ずどれかが「5の倍数」になることが導出できます。

解説にある、n≡3(mod5)というのは、「合同式」と言って「nを5で割った余りは、3を5で割った余りと一致する」ことを意味します。
この場合、安直な言い方で「nは5で割ると3余る数」ですね。
この表現を知っていると、「文字を使った整数の表し方」のように、わざわざ「商をmとする」なんて、煩わしい手順から解放されます。

続いては、煩わしい「場合分け」がいらなくなる方法です。


3つの連続する自然数が偶数となる考え方を利用すると、5つの連続する整数には必ず「5の倍数」が存在します。
これは、実に心強い情報ですね。

変形の仕方がいささか強引ではありますが、この方法で5つの連続する整数を作れればしめたものです!!
しかも、それ以外の部分も、自明に5の倍数とわかりますからね。