シン・仮面ライダー | p・rhyth・m~映画を語る~

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英題:Shin Kamen Rider
監督:庵野秀明
キャスト:池松壮亮/浜辺美波/柄本佑
配給:東映
公開:2023年3月
時間:121分




シン・ゴジラ』『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』『シン・ウルトラマン』と続いてきた“シン”シリーズはずっと劇場で観てきたのに,4作目となる『シン・仮面ライダー』に気が乗らなかったのは『シン・ウルトラマン』で湧いた違和感のせいだと思う。

“ウルトラマン”同様,初期の“仮面ライダー”も世代的にTVオンタイムでは見ていない。概要は知っているものの,ちゃんと見たのは仕事の絡みで必要だった“平成仮面ライダーシリーズ”と呼ばれる『仮面ライダーW』から『オーズ/OOO』『フォーゼ』『ウィザード』まで。そんな自分に1970年代の“本質”が判るわけがない。ましてやこの作品,庵野秀明が直接脚本と監督を担った,いわゆる“庵野哲学”モノ。話題性だけに乗らず,心に余裕のある時にしっかり見るのが礼儀かなと鑑賞を見送っていたら,想定外に早いプライム配信。そんなわけで,今夜は遅ればせ『シン・仮面ライダー』の紹介。

日本の大富豪(松尾スズキ)によって創設された“人類を幸福に導く”と謳う組織〈SHOCKER〉により昆虫合成手術を施され,桁外れの跳躍力と腕力を持つ“バッタオーグ”に改造された本郷猛(池松壮亮)は,緑川博士(塚本晋也)とその娘・ルリ子(浜辺美波)と共に組織を裏切り逃亡する。追ってくる敵を“プラーナ”によって得た力で殺してしまったことに苦悩する本郷。しかし,緑川博士から死に際にルリ子を託されたことで,〈仮面ライダー〉を名乗り,ルリ子と一緒に〈SHOCKER〉と戦うことを決意する。

そんな2人の前に,政府の男(竹野内豊)と情報機関の男(斎藤工)が現れる。彼らは,警護と情報提供をする代わりに,〈SHOCKER〉のオーグメントとその組織自体の排除に協力してほしいと持ちかけ,〈アンチSHOCKER同盟〉を結ぶことになる。一方,ルリ子の兄で〈SHOCKER〉の一員・緑川イチロー(森山未來)は,妹が本郷を伴い自らの元に現れることを想定し,本郷と同様に昆虫合成型オーグメントとなった男・一文字隼人(柄本佑)を用意するのだったが…。

“仮面ライダー生誕50周年企画作品”のひとつとして制作・公開されたリブート作品だが,時代に合わせた設定の変更がされている。特に〈SHOCKER〉は「Sustainable Happiness Organization with Computational Knowledge Embedded Remodeling(計算機知識を組み込んだ再造形による持続可能な幸福組織)」の略称として,新興宗教みたいな位置づけにされている。

庵野監督の原作への愛情とリスペクト,今回の設定と造形へのこだわり,そしてリアリティと一貫した“庵野哲学”に溢れる作品で,ある意味で“仮面ライダー”の存在意義そのものを半世紀後の理論として提示した秀作。ただ,ストーリーとして面白いか? と問われると「YES」とは言い難く,一般ウケよりは庵野フリークのための“仮面ライダー”なのだと感じる。

出演陣は超豪華。他にも,西野七瀬,本郷奏多,長澤まさみ,仲村トオル,安田顕 などが短いシーンで登場するし,ケイの声は松坂桃李,クモオーグの声に大森南朋 と,贅沢この上ないキャスティング。


映画クタ評:★★★★


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