バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜

監督：松居大悟
ｷｬｽﾄ：田口トモロヲ／松重豊／光石研
配給：東宝映像事業部
公開：2021年4月
時間：100分

今夜紹介するのは，日本を代表する名脇役たちが本人役で出演し評判となったテレビ東京の人気ドラマ・シリーズ『バイプレイヤーズ』の映画版。映画もドラマも演劇も主役１人で演じるものではなく，主役を引き立てる周りの役者の存在があって初めて成立するもの。そんな，上手く主役を引き立てつつ見る者の印象に残る脇役を特に“名脇役”と呼んだりもするが，多くのテレビドラマなどに出演し人気のある名脇役を指す言葉として“バイプレイヤー”という呼称が定着したのも，このドラマシリーズのお陰かもしれない。

ちなみに byplay「わきの演技」という英語はあるが「バイプレーヤー(byplayer)」は和製英語。英語では普通 a supporting actor [actress] と呼ぶ。監督は，地元福岡を中心に活動するコラムニストのトコの息子で，ドラマ版でも脚本・監督に参加した松居大悟。

民放の連ドラや映画の撮影のために100人を超える俳優で賑わう富士山麓の撮影所“バイプレウッド”。そこで，濱田岳，柄本時生，菜々緒，高杉真宙，芳根京子ら若手俳優たちが自主映画の撮影を行っていた。監督の濱田は，ラストに100人の役者が登場する壮大なストーリーを構想していたが，超低予算の撮影は案の定トラブル続き。見かねた“元祖バイプレイヤーズ”の田口トモロヲ，松重豊，光石研，遠藤憲一の４人は，落ち込む濱田と時生に手を差しのべるのだったが…。

パロディ満載，話はグダグダ。でも最後まで見る者の目を逸らさせないパワーと存在感こそが“バイプレイヤー”たちの魅力。日本映画史上，おそらく最初で最後となる総勢約100人の豪華俳優陣の集結だけでも見ごたえ十分の１本だ。

そんなわけで，【くた★むび】的にも最多となる36人の俳優リンクが続くので，今回紹介短めで。