天外者 | p・rhyth・m~映画を語る~

p・rhyth・m~映画を語る~

メインブログ【くた★むび】



監督:田中光敏
キャスト:三浦春馬/三浦翔平/西川貴教
配給:ギグリーボックス
公開:2020年12月
時間:109分




今夜紹介するのは,坂本龍馬,岩崎弥太郎,伊藤博文らと交友を重ね,明治初期に商都大阪の基礎を作り上げる活躍をしながらも歴史に埋もれた存在だった五代友厚にスポットを当て,その熱き人生を描いた伝記映画。タイトルは「てんがらもん」と読み,鹿児島の方言で「凄まじい才能の持ち主」を意味する。

五代友厚の「想い」と「志」を次世代に継承するために,製作総指揮の廣田稔をはじめとした市民有志が“五代プロジェクト”を立ち上げたのが2013年。『利久にたずねよ』(2013年・東映)『海難1890』(2015年・東映)を生み出した脚本・小松江里子✕監督・田中光敏のコンビを迎え,企画から7年を経て映画化が実現した。

江戸末期。ペリーが来航し日本に激震が走る頃,薩摩藩士・五代才助(三浦春馬)は長崎の海軍伝習所で学び,その類まれな才能で“てんがらもん”と呼ばれ将来を嘱望される。しかしその野心ゆえに大勢の侍に命を狙われる五代。やはり侍に追われる坂本龍馬(三浦翔平)と出島で出合い,共に全速力で駆け抜けていく。この時,新しい時代の到来を察知し日本の未来を見据える2人の人生が重なり始めた。

攘夷か開国かと,国は大きく揺れていたが,内輪揉めには目もくれず,世界へと目を向ける五代。遊女のはる(森川葵)と出会い,自由な夢を見たいという思いに突き動かされた五代は,誰もが夢見ることのできる国をつくるため,坂本龍馬,岩崎弥太郎(西川貴教),伊藤博文(森永悠希)らと志を共にするのだったが…。

“東の渋沢栄一,西の五代友厚”とも評される功績を挙げながら,長らく歴史に埋もれていたが,近年,多くの人の研究により再評価されたという五代友厚。武士の魂と商人の才を併せ持ち,薩摩藩士から明治政府役人を経て実業家となった彼の,エネルギッシュでクールで優しくて大胆なキャラを,見る者の脳内に三浦春馬が印象づける。

“ハマり役”と言うか,それぞれの人の中にイメージとして残る歴史上の偉人たち。翔平くんには悪いが,個人的には坂本龍馬と言えば福山雅治だし,岩崎弥太郎と言えば香川照之,渋沢栄一なら吉沢亮。そして今後,五代友厚という名を見る度に,三浦春馬の姿が浮かぶことになるのだろう。


映画クタ評:★★★★


右矢印生瀬勝久作品まとめ

右矢印丸山智己作品まとめ

右矢印迫田孝也作品まとめ

右矢印三浦春馬作品まとめ

右矢印森永悠希作品まとめ


右矢印森川葵作品まとめ

右矢印榎木孝明作品まとめ