前田建設ファンタジー営業部 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:英勉
キャスト:高杉真宙/上地雄輔/岸井ゆきの
配給:バンダイナムコアーツ/東京テアトル
公開:2020年1月
時間:115分




アニメなど架空の物語に登場する施設を実際に現在の技術で建設するとしたら,具体的にどれだけの費用や工期などが必要になるかを大真面目に検討。その詳細をホームページに連載し,後に書籍化されるなど話題となった“前田建設ファンタジー営業部”の実話を映画化した痛快お仕事コメディを今夜は紹介。

前田建設は,ゼネコン大手23社中で売上高9位を誇る超大手。一般にはなじみが薄いゼネコンの業務内容を広く周知させ,“ゼネコン汚職事件”などから流布しているゼネコンに対するネガティブなイメージを払拭するため,若手社員の発案で作られたのが“ファンタジー営業部”。脚本は,この作品の舞台化も手掛けたヨーロッパ企画の上田誠。監督は『未成年だけどコドモじゃない』(2017年・東宝)『3D彼女/リアルガール』(2018年・ワーナー)の英勉。

2003年。バブル崩壊後の大手ゼネコン前田建設工業の広報グループ。ある日,グループリーダーの浅川(小木博明)が突拍子もない提案をする。それは,アニメ『マジンガーZ』の出撃シーンで目にする地下格納庫兼プールを,マジンガーZが格納されている光子力研究所の所長・弓教授から発注を受けたという体裁で,具体的な見積もりを作成するというプロジェクトだった。

最初はいやいやながらプロジェクトに携わっていた広報グループの若手社員・土井(高杉真宙)。好き勝手できた大学時代とは違い,毎日粛々と働く社会人生活に情熱を見出だせずにいた彼だったが,立ちはだかる数々の技術的問題を,各分野の専門家の協力を得てひとつひとつ乗り越えていく中で,次第にプロジェクトにのめり込んでいく。やがてプロジェクトは会社の枠を超えて大きな広がりを見せていくのだったが…。

TVアニメ『マジンガーZ』のオープニング画面は浮かぶし,主題歌も歌えるのだが,放送時期を考えるとどうやら,再放送で見て覚えたものらしい。放送当時の平均視聴率は22.1%,最高視聴率は30.4%と,アニメとしてはとんでもない数字だ。

この作品中でマジンガーZの出撃シーンを3Dで見られるかも? という期待は叶わないが,ファンタジー営業部の社員たちが次第に熱を帯びていく展開は面白い。そんな,明日のための“少しの元気”をもらえる1本だ。

共演は他に,上地雄輔,岸井ゆきの,濱田マリ,鶴見辰吾 など。原作者の永井豪も本人役で登場する。


映画クタ評:★★★★


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